昭和歯学会雑誌
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12 巻 , 1 号
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  • 佐々木 崇寿, 羽根田 喜良, 岩崎 進
    1992 年 12 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    インスリン欠乏型糖尿病における歯根膜のコラーゲン代謝を明らかにするために, ラットにストレプトゾトシン (STZ) を静注して糖尿病を誘導し, 下顎臼歯の歯根膜線維芽細胞のタンパク合成能の変化を定量的電顕オートラジオグラフィーによって解析した.アイソトープには, プロコラーゲンの前駆物質の一つである3H-プPリンを用いた.STZ投与3週間後に3H-プロリンを静注し, その20分または4時間後にラットをアルデヒド混合液で灌流固定した.採取した臼歯部顎骨はEDTA溶液で脱灰し, 通法に従って電顕オートラジオグラムを作製した.その結果, 対照群 (STZ非投与群) ラットの歯根膜線維芽細胞はゴルジーRER系のよく発達したタンパク合成系の細胞構造を示し, 経時的に3H-プロリソのゴルジ領域への取り込みと細胞外基質への分泌が観察された.STZ投与群ラットの歯根膜線維芽細胞では, 細胞外形は萎縮性となり, その配列にも乱れが生じていた.また3H-プnリンの細胞内取り込みと細胞外基質への分泌は, 対照群よりもSTZ投与群で有意に減少していた.以上の実験結果から, インスリン欠乏が歯根膜線維芽細胞におけるコラーゲン代謝に対し抑制的に作用することが明らかにされた.
  • 若林 始, 立花 均, 松本 光吉
    1992 年 12 巻 1 号 p. 10-16
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    従来より広く使用されている30mWのものよりも高出力の40mWGaAlAs半導体レーザーを用い, その歯頚部象牙質知覚過敏症に対する柊痛緩和効果を, 電気的に厳格な二重盲検法を用いて調査した・被験歯として18歳から81歳の患者の中から, 歯頚部象牙質知覚過敏症を有する60症例 (前歯31本, 小臼歯26本, 大臼歯3本) を用いた.レーザー装置は波長830nm, 連続波, 出力40mWのGaAlAs半導体レーザーを使用し, 厳格な二重盲検法を実施するために乱数表に基づくレーザー発振規制機構を併用した.知覚過敏度の判定基準は, 気銃によって生じた誘発痛が耐え難いほど強い場合を3度, 耐えられる痛みの場合を2度, 軽い痛みの場合を1度, 痛みとして感じられない場合を0度とした.この判定基準に基づきレーザー照射前, 直後, そして術後1週間, 1か月後の診査を行った.レーザー照射部位は歯頚部象牙質知覚過敏部とし, 可及的に近接して照射した.照射時間は30秒間を1クールとして最高180秒間で中止した.その結果, レーザー照射群の1度の症例では23例中22例が有効であり, 照射時間の平均は36.8秒であった.2度の症例では9例中8例が著効, 1例が有効であり, 照射時間の平均は161.3秒であった.3度の症例では33例中1例が有効であり, 照射時間は180秒であった.全体ではレーザー照射群33例中, 有効8例 (24・2%), 有効24例 (72・7%), 無効1例 (3.0%) であった.非レーザー照射群の1度の症例では17例中2例が有効であり, 平均照射時間は120秒であった.2度の症例では10例中1例が著効, 1例が有効でありそれぞれ照射時間は180秒であった.3度の症例では全て無効であった.全体では27症例中, 著効1例 (3.7%), 有効3例 (11.1%), 無効23例 (85.1%) であった.レーザー照射群と非照射群の間には, 危険率0.1%以下で統計学的に優位さが認められた.再発は1週間後に有効症例4例中2例に再発が認められ, 再照射により1か月後に改善が認められた.またレーザー照射により誘発痛の増悪や粘膜, 全身に対する副作用は観察されなかった.以上の結果より40mW GaAlAs 半導体レーザーによる歯頚部象牙質知覚過敏症の治療は, 安全かつ有効な手段であることが判明した.
  • Tetsuo KODAKA, Kazuhiro DEBARI, Ryoichi MORI
    1992 年 12 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    By using a scanning electron microscope (SEM) fitted with a backscattered electron (BSE) detector, 'prismless' enamel was observed in the surface layers of permanent teeth. The composite images of the BSE can reveal prism shapes with no etchings because prism sheaths show a lower value of the BSE emission than prism bodies and tails or the interprismatic regions. Thus, the enamel showing a uniformal BSE image was identified as a 'prismless' structure. The surface 'prismless' enamel was classified into three different shapes containing indistinct and stunted prism structures as well as that of the secondary electron (SE) images by SEM following acid and EDTA etching; in addition, the subsurface 'prismless' zones connected with the surface 'prismless' enamel were clearly found.
  • 菅沼 岳史, 船登 雅彦, 新谷 明幸, 古屋 良一, 川和 忠治, 岡野 友宏
    1992 年 12 巻 1 号 p. 22-28
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    咬合力の負荷状態での顆頭変位の検討では, 間接的な方法では十分な評価が期待できないと考えられ, 筆者らはそれらの点を考慮してX線写真を応用した直接的な方法により検討を行っている.本研究では, 大きな咬合力の発生がないと考えられる咬頭嵌合位から後方歯牙接触位への後方運動時の穎頭の移動をX線写真による直接的な方法および咬合器による間接的な方法で測定を行い比較検討した.また, X線写真による穎頭の移動の測定について, その有効性と問題点についても検討した.その結果, X線写真および咬合器から測定した穎頭の移動方向, 移動量はよく近似しており, 下顎後方運動のような強い力が下顎骨や歯に加わらない運動では, 下顎を剛体と仮定して測定を行っても差し支えないことが示唆された.また, 側方位単純X線写真は, 穎頭の回転や側方偏位の少ない穎頭の下顎運動の測定に対して有効であると考えられた.
  • 齋藤 健
    1992 年 12 巻 1 号 p. 29-39
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    ラット耳下腺組織内に発現分布する弾性線維について, その発現状態, 形状, 走行状態などを明らかにするとともに加齢的にそれらの変化がみられるか否かを光顕的に検索を行った.材料は, 生後2週齢から78週齢まで飼育したSD系ラットを用いて, その左右側耳下腺を摘出し, 弾性線維染色, ヘマトキシリン-エオジン染色を施し, 検鏡に供した.観察部位は, 腺房問と導管系の介在部, 線条部, 小葉間導管, 小葉外大導管周囲である.腺房間では, 生後5週齢から78週齢に至るまで, 小葉間結合組織中よりわずかに弾性線維が侵入しているのが認められた.導管系周囲では, 介在部周囲には弾性線維の発現は全週齢に認められなかった.しかしごく一部の線条部周囲では腺房間と同様に生後5週齢から78週齢に極めて少量の弾性線維の発現を認めた.小葉問導管周囲では, 生後3週齢で繊細な弾性線維が少量発現し, 生後5週齢からは中等度にその線維量の増加がみられ, 生後30週齢からは多量の弾性線維の発現が認められた.週齢が進むに従い, 繊細な弾性線維の他に, 太い弾性線維もみられるようになり, 中にはその線維が分枝するのもみられた.弾性線維の形状は, 直線状, 蛮曲状, 蛇行状, ラセン状, ループ状, 糸屑状などの形態を示した.また, 蛇行状, ラセン状, ループ状, 糸屑状の弾性線維は加齢とともに増加していた.小葉外大導管周囲には, 生後3週齢では小葉間導管周囲と同様に少量の弾性線維が発現したが, 生後26週齢からは多量の弾性線維が発現した.走行形態, 形状に関して, 小葉間導管周囲に発現したものとほぼ同様であった.耳下腺組織内に発現する弾性線維の加齢的変化に関しては, 特に小葉間導管周囲, および小葉外大導管周囲に認められた.
  • Takashi MIYAZAKI, Toshihiko SUZUKI, Genshoku LEE, Sinya FUJIMORI
    1992 年 12 巻 1 号 p. 40-46
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Anodic oxidation of titanium in a H3PO4/H2O2 solution using alternating current was investigated. Treated titanium specimens served as both an anode and a cathode, and potential was applied up to 130 V. Surface films with different interference colors were formed on titanium as a function of the applied voltage. Adhesion of the surface film to the parent titanium metal was excellent. XPS analysis suggested that titanium phosphate with bound water was formed in the outermost surface, and titanium oxide (TiO2) was formed in the following outer surface. The thickness of the surface oxide film was approximately 3,000 Å at AC 100 V. X-ray diffractory analysis revealed that amorphous anatase (Ti02) was formed by anodic oxidation which was crystallized after heat treatment.
  • Takashi MIYAZAKI, Toshihiko SUZUKI, Genshoku LEE, Sinya FUJIMORI
    1992 年 12 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Anodic oxidation is a popular method to deposit an oxide film on titanium with a thickness on the order of several hundred nm. In this study formation and some properties of anodic films of titanium under discharge conditions were investigated. Treated titanium specimens served as an anode in several electrolytes, and voltage was applied using the direct current power source. The discharge threshold voltage in each electrolyte decreased as the concentration of the electrolyte increased. Anodic oxidation of titanium was carried out on applying the voltage above the discharge threshold voltage, for example, at 100-130 V for a phosphoric acid solution (30 wt. %). Surface films with a thickness on the order of pm were formed by this treatment. Adhesion of the oxide film was superior when the anodic oxidation was carried out under moderate discharge conditions. SEM observations appeared the featured microscopic surface topography with many small (pm order) holes on the surface of the specimen treated by anodic oxidation under discharge conditions. X-ray diffractory analysis revealed that titanium oxides (TinO2n-1) and an amorphous anatase (TiO2) were formed by the anodic oxidation under discharge conditions.
  • 吉田 佳子, 近藤 信太郎, 美濃部 浩久, 大野 二朗, 浜田 立太, 伊藤 浩昭, 若月 英三
    1992 年 12 巻 1 号 p. 53-65
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    現在までに行われていた顔面の分類は, 分類する者の主観が入りやすい肉眼観察により行われていた.そこで, 今回はより客観的な分類方法として, フーリエ級数を応用して顔面の分類を行った.本研究の対象はフィリピン人成人の男性と女性である.その結果, フーリエ級数による分類では, 男性は逆卵円形, 女性は, 楕円型, 肉眼観察では, 男性は, 逆卵円形と楕円形, 女性は, 卵円形が多かった.分類しにくい分類型を検討したところ, 楕円形が他の種類の分類型と分類するのが困難であった.顔面の各比率を算出したところ各々の比率では, 各分類型の区分は, 不可能であったが, 比率を組み合わせることで, フーリエ級数による分類で, 分布領域と分類型とをある程度を区分することができた.従って, フーリエ級数による分類は肉眼観察による分類より, より系統的に分類でき, 客観性があることが解った.
  • Saburo KAKUTA, Yoko OMURA, Masao NAGUMO
    1992 年 12 巻 1 号 p. 66-68
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    A case of primary hyperparathyroidism with dull pain of the temporomandibular joint and limitation of mandibular movement is described. These symptoms appeared after the patient had luxation of the left mandibular condyle in 1971. Radiographs of jaws and teeth did not disclose significant abnormalities except for erosion of the left condyle. Immunological and biochemical investigations of serum revealed that the patient suffered from primary hyperparathyroidism.
  • 工藤 昌人, 片岡 竜太, 吉田 広, 秋月 弘道, 道 健一, 中村 雄一, 山口 朗
    1992 年 12 巻 1 号 p. 69-74
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    われわれは46歳男性の上顎前歯部唇側歯肉に発生した周辺性エナメル上皮腫の1例を経験した.本腫瘍は, 左側上顎中切歯および側切歯間の唇側歯肉部に, 健常粘膜により被覆された無痛性の20×17×8mmの非可動性で弾性硬の腫瘤として認められた.エプーリスあるいは良性腫瘍の臨床診断のもとに, 局所麻酔下で表面粘膜を含めて摘出し, 病理組織検査を行ったところ, 周辺性エナメル上皮腫と診断された.術後経過は順調で, 現在, 再発を思わせる所見はみられない.周辺性エナメル上皮腫が上顎前歯部に発生することはきわめてまれであるため, 本症例の概要に若干の文献的考察を加えて報告した.
  • 1992 年 12 巻 1 号 p. 75-89
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
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