日本の地殻内地震の強震記録から,fling stepを伴う永久変位Dpと,速度波形の周期2~10秒の長周期パルスを抽出し,Dpが最大となる水平方向成分について,既往の予測式や熊本地震との比較からその特徴を分析した.その結果,Mw6.6~7.0の4地震の長周期パルスの周期は約3秒でMw依存性は小さかったが,既往の予測式と同程度であった.Dpは,既往のDpの予測式(Kamai et al., 2014)で使用されている地震モーメントM0と断層面積Sの関係(Wells and Coppersmith, 1994)の代わりに,日本の地殻内地震に対する地殻変動データに基づく断層モデルを用いて本研究で試算したM0-S関係を用いると,Sが小さく,平均すべり量Dが大きくなり,予測精度が向上する.
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