目的:免疫法便潜血検査による大腸がん検診の中間期癌の研究は少ない。中間期癌の特徴を明らかにするために検討を行った。方法:便潜血陰性者で翌年度の検診までに検診外で発見された浸潤癌を中間期癌, 便潜血陽性者で同期間に検診や検診以外で診断された浸潤癌を陽性癌とした。性, 年齢, 検診歴, 病期, 部位, 組織型について両群を比較し, クラスター分析で中間期癌を分類した。陽性癌や中間期癌は検診受診者資料とがん登録資料の照合で把握した。結果:検診受診者27,799名から中間期癌10名と陽性癌69名を認めた。中間期癌は90%が逐年受診者から発見され, 陽性癌と比べて高齢者や女性の比率が高く, 病期は進行し盲腸で高率だった。クラスター分析では, 高齢進行右側結腸型と非高齢直腸型に分けられた。結論:中間期癌は, 性, 年齢, 部位や病期が相互に関連していた。高齢者の右側結腸には便潜血検査では対応困難な発癌が示唆された。
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