日本消化器がん検診学会雑誌
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56 巻, 6 号
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巻頭言
原著
  • 木村 典夫, 志村 賢範
    2018 年 56 巻 6 号 p. 981-990
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/28
    ジャーナル フリー
    ABC分類の導入は, 胃がん高リスク群を層別化し内視鏡検査を受診するきっかけになり, その結果胃がん発見率の向上に寄与する可能性がある。しかし, がん発生が極めて低いA群から無視できないほどのがんが発生することが問題になっている。その原因はA群にHelicobacter pylori(以下, H. pyloriと略)現感染や既感染が混在することで, 偽A群と言われている。偽A群をいかに除外することが重要であるが, その対策として栄研化学Eプレートで測定したH. pylori抗体3~9.9U/mL, PGI<30ng/mL, PGII>12ng/mL, PGI/II比<4.5いずれかに該当すればA’群と設定した。大網白里市では平成28年度よりABC分類をはじめるにあたって偽A群対策のためA’群を設定し開始した。A’群(237例)の内視鏡所見の49.4%に内視鏡萎縮を認め, 現感染あるいは既感染と思われた。A’群を設定することで偽A群を減らせる可能性があると思われた。
  • 愛澤 正人, 歌野 健一, 根本 大樹, 高柳 大輔, 五十畑 則之, 遠藤 俊吾, 冨樫 一智
    2018 年 56 巻 6 号 p. 991-998
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/28
    ジャーナル フリー
    【目的】当院で行われた大腸CT検査の成績に基づき, 大腸CT検査で発見されたポリープの取り扱いを検討する。
    【方法】精密検査目的に大腸CT検査を施行した539名(男性223名, 女性316名, 平均69.7歳)を対象に検査の現状を調査した。検査不良率は, 検査不良数÷全検査数で算出した。1年以内に大腸内視鏡検査を受けた場合には, 患者別, 病変別に検査精度を算出し, 大腸CT検査で発見された病変の取扱いを検討した。
    【成績】大腸CT検査の検査不良率は1.1%(6/539)であった。1年以内に102名が大腸内視鏡検査を受けた。10mm以上のポリープを認めた患者の大腸内視鏡検査受診率は90%(38/42)であった。10mm以上の患者別成績は, 感度92%(35/38), 特異度89%(57/64), 病変別では感度88%(44/50), 陽性適中度86%(44/51)であった。大腸CT検査で6-9mmの病変を指摘された18%(5/28)に粘膜内がん及び高度異型腺腫を認めた。
    【結論】実臨床における大腸CT検査の診断能は高かった。6mm以上の病変を認めた場合は, 大腸内視鏡検査が必要と考えられた。
  • 松本 直樹, 小川 眞広, 渡邊 幸信, 平山 みどり, 三浦 隆生, 中河原 浩史, 森山 光彦
    2018 年 56 巻 6 号 p. 999-1008
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/28
    ジャーナル フリー
    目的:腹部超音波スクリーニングの統一された撮影法の効果については報告が少ない。当院で25枚撮影法を導入したので前後の変化を比較し有効性を検討した。
    方法:対象は2017年1月~2018年6月に導入前(78例), 1か月後(56例), 1年後(92例)のそれぞれ3か月間, 腹部超音波スクリーニングを行った糖尿病患者226例。
    結果:検査時間は導入前6.0±4.5分, 1か月後10.3±5.0分, 1年後9.0±4.9分で1か月後, 1年後は有意に増加した(P<0.001)。撮影枚数も19.0±5.0枚, 25.5±4.9枚, 28.0±5.9枚と増加した(それぞれP<0.001)。撮影時間と枚数は相関していた(r=0.599, P<0.001)。有所見率は89.4%, 92.7%, 94.6%(P=0.415)と経時的に上昇したが有意差は無かった。
    結論:撮影法の統一により検査時間, 撮影枚数は有意に増加したが, 有所見率は上昇傾向を示した。
委員会報告
地方会抄録
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