Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
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35 巻, 4 号
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原著論文
  • 第2部 連続表現
    猪川 元興
    1984 年 35 巻 4 号 p. 169-180
    発行日: 1984年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
     第1部で示された、多変量最適内挿法を一般化した、離散表現の統計的客観解析法が、連続表現に拡張される。解析方程式は、積分微分方程式になり、その積分核は共分散行列の逆行列になる。
     この方法と従来の変分客観解析とが比較される。変分客観解析の解析方程式は、積分部分を持たない微分方程式である。この方法において、共分散行列として、他の位置にあるデータと何ら相関を示さない対角行列を用いれば、この方法の解析方程式は、変分客観解析のそれに帰着する。
     解析方程式のスペクトル表現が示される。線形フィルターとしての解析スキームのフィルター応答関数が、線形束縛条件及び共分散行列のスペクトル表現の関数として示される。この解析方程式のスペクトル表現の応用例がいくつか示される。線形束縛条件及び共分散行列の役割が波数空間上で示される。
  • 松尾 敬世
    1984 年 35 巻 4 号 p. 181-197
    発行日: 1984年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
     日本付近の気象要素の変動特性を解析によって調べた。着目した気象要素は、気温、気圧、風速、全雲量、全天日射量の5要素とし、温帯に輪島、東京、八丈島の3地点を、亜熱帯に父島、南鳥島の2地点を選んだ。1977年の気象要素の時系列データのスペクトル解析の結果、多くの気象要素に季節変動の他に約30日、40日、50日の周期変動が認められた。温帯では約30日、50日の周期が、亜熱帯では約40日の周期が卓越した。この他に、約70日のスペクトルピークが両地帯でしばしば現れるが、そのじょう乱の存在については今回の解析でははっきりとしなかった。同一地点での気象要素の時間変動の特徴の比較から、同じような時間変動が気象要素の間に同時に現れることがわかった。これらの現象は、大規模な大気の振動によって引き起こされていることが示唆される。
  • 吉田 明夫, 二瓶 信一, 太田 金房, 薄田 真司
    1984 年 35 巻 4 号 p. 199-207
    発行日: 1984年
    公開日: 2007/03/09
    ジャーナル フリー
     静岡と網代に埋設されている体積歪計の観測孔内の水位変化と歪変化の関係を調べた。その結果、静岡の場合は、水位の上昇によって歪が膨張するのに対して、網代の場合は逆に収縮する傾向のあることがわかった。
     網代にみられる変化は、地下水が荷重として作用しているためと考えられるが、静岡の場合は、地下水位の上昇が帯水層内の間隙水圧を増大させ、それによって岩盤内の応力が減小するというメカニズムを想定することによって理解できる。
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