粘性境界層の存在の下で、中規模の流れによって惹起される鉛直流(Ekman Pumping) を解析的に考察する。このNoteでの中規模とはRossby数が (非常に小さくはないが) 1よりも小さい事を意味する。
自由大気の下端で水平速度が非発散と仮定し、中規模のEkman Pumpingの公式を導く。惹起される鉛直流は流れの水平速度とその水平方向の微分だけで表現される。
公式を導く為に、非粘性平衡近似を行う。これは境界層の運動方程式の中の物質微分される速度を、圧力傾度力と非粘性平衡にある速度 (即ち自由大気の速度) で置き換える事を意味する。この近似の下で自由大気の運動方程式はPrimitiveのままである。
導かれた公式は、例えば、次の事を示す。歪みが一様な流れによって惹起される鉛直流は、Ekmanの公式のものよりも小さく成る。純粋な変形流 (渦度が零) によって惹起される鉛直流は負と成る。
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