α-ブロムラウリン酸にビリジンを加熱下に反應させ, 脱炭酸, 脱臭化水素反應行つてをウンデセンを合成した.
またラウリン酸銀鹽に臭素を反應させで比較的好收率にウンデシル・ブロマイドを合成し, これをピリジンによつて脱臭化水素してウンデセンを得た.これら2種類のウンデセンはその性状が全く一致した.ラマンスペクトル及び過マンガン酸カリウムによる酸化分解の結果, これらのオレフインはいずれも主としてトランス型ウンデセン-2よりなり, この外に少量のトランス型ウンデセン-3を含有する事を認めた.同時にごく微量のシス型オレフィンを含有する事も認められた.これらのラマンスペクトルにおいては1642cm-1のラマン線が認められないから, α-オレフィンは全然含有されない事を知つた.
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