前報で報告したMitin FF合成に原料として用いた
p-クロルフェノールの代りに2, 4-ジクロルー並びに
o-クロルフェノールを用い前報同様に行つて得られる (A') 型化合物をその合成法, 化学構造 (スルホン基の位置), 羊毛防食性等の点から検討した。(i), 2, 5-ジクロルニトロベンゼン (I) と2, 4-シクロルフェノールより2, 4, 4'-トリクロル-2'-ニトロジフェニルエーテル (II) としそのスルホン化により-5-スルホン酸 (III) を得た。(収率96.5%, 塩化物mp 124℃, アミドmp 195℃)。IIIは酢酸と鉄粉で還元されて対応したアミンスルホン酸 (IV) を与えた (定量的)。(ii), Iとo-クロルフェノールより2, 4'-ジクロル-2'-ニトロジフェニルエーテル (VI) を得 (収率87%), そのスルホン化により-4-スルホン酸 (VII) を得た (収率98%, 塩化物mp 108.5℃, アミドmp 193.5℃)。VIIをIII同様に還元して殆んど定量的に対応したアミンスルホン酸 (VIII) を得た。IV並びにVIIIにクロル-ギ酸ェニルエステルを作用させてカルバミン酸エステルとし, これと種々の芳香族アミンとの反応により夫々目的物を得ることができたがこれらの羊毛防食性 (対ヒメカツオプシムシ) はMitin型に比して少々劣つていた。
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