第1表 (A) で述べた, 発煙硫酸理論量使用した40℃のナフタリンジスルホン化物即ち1, 5-, 1, 6-, 1, 7-ジスルホン酸 (以後ジスルホン酸をDSAと略称する) の混合物を, そのまま130℃に加温し, 同温で8hr保持して, 時間の経過と共に起る変化を研究して次の結果を得た。(1) 1, 5-DSAは1, 6-DSAへ, 1, 6-DSAは1, 7-DSAへ, 1, 7-DSAは2, 7-DSAへ, 2, 7-DSAは2, 6-DSAへ順次転位する。(2) 溶媒としての硫酸濃度が100%の場合でも転位が起る。従つてこの場合の転位機構は分子内転位と考える方が妥当である。
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