硫酸の存在下におけるp-クレゾールとフマル酸の縮合反應による6-メチルクマリンの合成を詳細に檢討し, さらにその反應機構を追求した。即わちこの反應は二段に行われ, その第一段は硫酸がエステル化劑として作用し, 第二段はそのエステルが硫酸の作用で環化して6-メチルクマリンを生成すると考えられる。
p-クレゾールとフマル酸のモノ及びジエステルを合成し, それを硫酸の存在下で反應せしめて6-メチルクマリンを合成した。また, フマル酸の代りにマレイン酸も硫酸の存在下で縮合して6-メチルクマリンが生成することを認めた。
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