ボスゲンガスに触れた時に一定の呈色を示し塩素, 塩化水素によつてはその呈色を示さない, いわゆるホスゲンガス特有の呈色を示す試験紙について研究した。
それぞれ次の組成のI或いはII溶液をガラス棒でロ紙につけて直径約10mmの円を生ぜしめ直ちに試験紙として使用するとジフェニルアミン試験紙 (特有呈色試験紙ではない) と同程度以上の感変でホスゲン特有の呈色 (緑, 青) を示すことがわかつた。
I.(
p-ジメチルアミノベンズアルデヒド1/1000モル+アルコール5cc)+(ジメチルアニリン1/1000モル十アルコール5cc)
II.(
p-ジメチルアミノベンズアルデヒド1/1000モル+アルコール5cc)+(ジメチル-β-ナフチルアミン1~1000モル+アルコール5cc)
乾燥試験紙の場合はIII (
p-ジメチルアミノベンズアルデヒド1/500モル+アルコ-ル5cc)+(ジメチル-β-ナフチルアミン1/500モル+アルコール5cc) にロ紙片を浸し, すぐ引き上げて暗室中で放置乾燥したものはI, IIとほぼ同程度の感度であつた。
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