ジフェン酸はフェナントレンの酸化開環により得られ, その量的利用の面から
注目すべきものである。気相または液相の接触空気酸化は現在のところ成功していない。クロム酸酸化もかなり困難である。過酸化水素による酸化はジフェン酸の合成に最も適しているが, フェナントレンを直接ジフェン酸にまで酸化することは種々の困難を伴うので, - たんクロム酸酸化でフェナントラキノンとし, ついで過酸化水素でジフェン酸に酸化する方が製品の純度もよく, 収率もキノンに対し90~95%で高い。この二段法によればフェナントレンからジフェン酸への通算収率は約70%である。
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