酢酸ビニルに青酸を附加せしめてα-アセトキシプロピオニトリルを合成しこの物を再び熱分解してアクリルニトリルを合成した。附加反応触媒として種々試験したが弱アルカリ性のカリウム塩が最も好結果を与えた。然しナトリウム塩では作用は認められなかつた。熱分解条件として熱分解温度と空間速度の影響について検討したが最適条件として空間速度100~200, 熱分解温度530℃であつた。この場合のアクリルニトリル收率は90%以上であつて酢酸以外に副分解生成物は殆んど認められず蒸溜によつて容易に純粹なアクリルニトリルが得られた。
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