ミルセン(1)あるいはイソプレン(2)と置換ハロゲン酢酸(モノー, ジ-あるいはトリクロロ酢酸)を用い, ジクロロエタン(DCE), ベンゼン,
n-ヘキサンあるいは水を溶媒として加え, あるいは加えずにかきまぜ水和反応を行った。
(1)からはリナロール(3), ミルセノール(5), 3,7-ジメチル-1,3-オクタジエン-7-オール(6), β-テルピネオール(7), α-テルピネオール(8), ゲラニオール(9)と少量の構造未確認の2成分を得た。転化率は最高81%で, 特定の条件下では(5)と(9)を合せその生成比が水和反応生成物の51%に達した。
また(2)からは, (7), (8), (9)と少量の構造未確認の2種の生成物を得た。溶媒を用いた場合, モノテルペンアルコール中(8)が主生成物(68%)であり, 溶媒を使用せずテローゲンとしてジクロロ酢酸を用いた場合, モノテルペンアルコール中(9)が主生成物として53%の生成比で得られ, 従来の報文に見られない単純な組成のノモテルペンアルコールの得られることが判明した。さらにモノテルペンアルコールへの転化率mo36%で単なる蒸留で純粋な(9)が得られた。
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