硫酸を代表とする強酸は最も古くから知られた化学試薬であり, 酸触媒としてまた溶媒としても非常に多くの反応に用いられ, またその反応機構についても多数の研究の蓄積がある。しかもこの分野についてはすでに数多くの成書, 総説があることから本総説では最近見い出された強酸中での有機合成反応に焦点をしぼり述べる。ここで強酸とは酸の解離定数が1×10
-3以上のものをいい, 超強酸 (super acid) とは100%硫酸よりも強い酸をいう。なお超強酸については別に解説がなされるはずであるのではなるべく重複を避けた。
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