乾式発生機からの粗アセチレンガス中のイオウと, 希薄次亜塩素酸ソーダ溶液によるガス清浄法を研究し, 下記の結果をえた。
1.硫化カルシウム1wt%以上を含有するカルシウムカーバイドからの発生ガス中のイオウ含有量は, 硫化水素換算で1×10
-1~1×10
-2vol%のオーダーであった。
2.ガス清浄後, ミストセパレーター中に沈着した物質より抽出された白色結晶を分析した結果, α, β, α', β'重etrachlordiethylsulfoxideであることがわかった。
3.清浄工程中の液のpHと有効塩素との関係を調査した。清浄中の液の最適pHの範囲は, 7.3~6.5であることを見出した。
4.次亜塩素酸ソーダ溶液での酸化清浄に先立ち, あらかじめ希薄カセイソーダ溶液で洗浄すると, 硫化水素をきわめて効果的に除去することができた。またこの効果は工業的精製工程で, 10%のカセイソーダ溶液による洗浄によっても確認された。
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