有機合成化学協会誌
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34 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 小泉 徹
    1976 年 34 巻 3 号 p. 137-154
    発行日: 1976/03/01
    公開日: 2010/01/22
    ジャーナル フリー
    The mechanism of the hydrolysis of ethylenephosphates has been reviewed critically. It was pointed out that 1) the direct evidence for the formation of the pentacoordinate intermediate is necessary to establish the Westheimer's mechanism 2) the Westheimer's mechanism may not always applicable to the hydrolysis of five-membered cyclic phosphates. From this point of view, the hydrolysis of hetero atom substituted ethylenephosphates and vinylenephosphates have been reviewed and the following two extreme mechanisms were suggested to operate in the hydrolysis of five-membered cyclic phosphate analogs.
    1) Associative pentacoordinate intermediate mechanism with the exclusive formation of the ring retention product.
    2) Direct displacement mechanism with the exclusive formation of the ring cleavage product.
    Furthermore, a novel phosphorylation method of alcohols using the ring strain of vinylenephosphates analogs was introduced.
  • 友田 修司
    1976 年 34 巻 3 号 p. 155-161
    発行日: 1976/03/01
    公開日: 2009/11/13
    ジャーナル フリー
    The theory of bicycloaromaticity has been discussed according to Goldstein-Hoffmann's formulation of “ribbon mode”. Its theoretical consequence has stimulated synthetic efforts toward the stabilized longicyclic (CH) n anion series-the bicyclo [3. 2. 2] nonatrienyl, the bicyclo [3. 3. 2] decatrienyl, the barbaralyl and the bicyclo [4. 3. 2] undecatetraenyl anions. Recent studies of these anions are discussed with regard to their thermodynamic stability, chemical reactivity and thermal rearrangement.
  • アミノ酸を原料とする6, 7-ベンゾモルファンの合成 (第2報)
    玉置 健太郎, 内藤 直樹, 藤井 恭一
    1976 年 34 巻 3 号 p. 162-166
    発行日: 1976/03/01
    公開日: 2009/11/13
    ジャーナル フリー
    チロシン (Tyr) を原料とし, 2'-ヒドロキシ-2-ベンジル-5, 9-ジメチル-6, 7-ベンゾモルファン (1a) の合成について検討した。
    Tyrから4工程を経て3-ベンジルアミノ-4- (p-メトキシフェニル) -2-ブタノン (6) とし, (6) と3-ブロモ-1-エトキシブタンとのGrignard試薬との反応によって2-ベンジルアミノ-6-エトキシ-1- (p-メトキシフェニル) -3, 4-ジメチル-3-ヘキサノール (7) を得た。 (7) を脱水し, 2-ベンジルアミノ-6-エトキシ-1- (p-メトキシフェニル) -3, 4-ジメチル-3-ヘキセン (8) としついでポリリン酸によって閉環し, 2-ベンジルアミノ-4- (2-エトキシエチル) -3, 4-ジメチル-6-メトキシ-1, 2, 3, 4-テトラヒドロナフタリン (9) を得, 最終工程で脱エトキシと閉環を行ない (1a) を得た。
    (8) のシス・トランス異性体, (9) の立体異性体を分離し, それぞれのものと (1a) の立体異性体の相関関係についても検討を加えた。
  • 物理有機化学部会第3回コンフェランスの報告
    徳丸 克己, 桜木 宏親
    1976 年 34 巻 3 号 p. 167-172
    発行日: 1976/03/01
    公開日: 2009/11/13
    ジャーナル フリー
    少し前までは有機合成化学協会の事業というのは研究発表会, 討論会, 講演会に講習会であり, いずれもどちらかというとある方が話をされてそれを大勢が聴くという形のものであった。これは情報の伝達や啓蒙に大きな役割を演じてきたが, ある主題について専門の方々やそれに深い関心のある方々が膝を交えて充分に話し合う機会はなかった。そこで有機化学全般の基礎でもある物理有機化学について密度の高い話合いができるコンフェランスを開くことを目的として物理有機化学部会が1972年に設置された。
    このコンフェランスではその討論の主題を特定の題材に絞り, また多くの機会に援助を受けやすい技術的色彩の濃いものよりは基礎科学としての性格の濃いものを題材とすることを趣旨とした。またコンフェランスはそれに出席して互いに活溌に討論しまた活字では発表し難いようないろいろな意見をも腹蔵なく述べ合うことに意義があり, その討論の細部は非公式 (インフォーマル) な性格なものである。
    第1回の物理有機化学コンフェランスは “励起体と反応中間体” を主題として1972年6月21~23日に藤沢でおこなった [有合化30 812 (1972)] 。第2回は “光励起体の挙動” という主題で基礎的な光化学とその周辺領域のもつ可能性について光エネルギーの利用ということを中心にして1974年1月8~10日に大磯でおこなった [有合化32 375 (1974)] 。第3回は “酸素と過酸化物の化学” を主題として1975年5月7~9目に第1回と同じ藤沢市鵠沼海岸の目本石油鵠沼クラブを会場として熱心な集まりを開くことができた。本稿はこのコンフェランスの概略を紹介しようとするものである。
    酸素は人間をはじめ動物の生存に必要であるが化学の世界では以前はそれが油を変質させたりゴムを劣化させたりする必らずしも好ましくない面が見られていた。しかし近年の基礎化学と化学工業の発展は酸素に新しい場を提供し, この天然の資源を利用して有用な物質をつくり出すことに成功した。歴史的にも化学は酸素を一つの軸として発展してきた。まずScheeleやLavoisierによる酸素の発見が近代的な化学の建設に大きな貢献をして以来, 酸素に関してはたえず新しい事実が発見され, それが化学の基本的問題を提起してその進歩をもたらしてきた。とくに1930年代に臭化水素が酸素や過酸化物の存在下ではオレフィンに異常付加することがわが国の漆原義之氏らと米国のM.S.Kharaschらにより認められ, これを一つの契機として液相の遊離基反応の本質が解明されることになり, これがさらに戦後の自動酸化を用いる合成化学の基礎となった。また最近では光酸化, 一重項酸素や化学発光の分野など酸素の研究を通してさまざまの化学の基礎的課題が解明され, さらにその実用の可能性が提供されつつある。そこでこのように非常に幅の広い可能性に富んだ酸素と過酸化物についてコンフェランスを開いた次第である。
    本コンフェランスは数名の方々に提供していただいた話題を中心として関連のある短い報告 (ショート・コミュニケーション) を参加者から発表していただきこれらを互いに討論した。この会には約90名の方々が参加を申込まれたが折悪しく国鉄のストと重なったため遠方で出席され難い方々がおられたため実際には約80名の方々が出席された。話題提供をお願いした方々の中には国鉄ストによる交通の混乱を心配されて7日昼からはじまるコンフェランスのために前夜のうちに近くの江の島まで来て泊られ待機して下さった方々もありそのお心づかいは感激にたえない。また9日夕終了時には国鉄は依然ストライキ中のため遠方にお帰りの方々の多くはさらに一夜を付近あるいはその他で過ごして頂くということにもなった。また酸素の化学については大変関心が高いため多くの方々から参加のお申込みがあったので宿泊施設の可能な限度まで参加して頂いたため大変きゅうくつな場所で過ごして頂かなければならなかった。
  • 石川 延男, 北爪 智哉
    1976 年 34 巻 3 号 p. 173-178
    発行日: 1976/03/01
    公開日: 2009/11/13
    ジャーナル フリー
    The newer preparative methods for the aromatic fluorine compounds were reviewed. The direct fluorination, indirect fluorination using xenon difluoride and trifluoromethyl hypofluorite, and the Cl-F and NO2-F exchange reactions were included.
  • 石 利治
    1976 年 34 巻 3 号 p. 179-189
    発行日: 1976/03/01
    公開日: 2009/11/13
    ジャーナル フリー
  • 1976 年 34 巻 3 号 p. 202
    発行日: 1976年
    公開日: 2009/11/13
    ジャーナル フリー
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