還元ニッケル触媒上におけるベンゾニトリルの液相水素化反応について速度論的検討を行なった結果,水素吸収速度は関与成分の拡散過程と反応過程の影響を受け,反応過程律速の条件では反応は触媒に1次,水素分圧に0次(27Kg/cm
2以上),ベンゾニトリル濃度に対してはかなり低濃度まで0次に比例して進み,反応の活性化エネルギーは8.8Kcal/molであった。また反応を途中で止めた場合にはシッフ塩基の生成が著しく,したがって反応の途中では相当量のbenzylidenimineが存在するものと推察した。さらに水素吸収速度の早い場合にはシッフ塩基および第2級アミンの生成に共存アミンはほとんど関与しないが,水素吸収速度の遅い場合にはかなり関与してくることを確認した。
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