4-アリルオキシナフタル酸-N-メチルイミドのクライゼン転位反応を利用して5, 9-ジメチル-5, 6-ジヒドロ- (および-5, 6, 8, 9-テトラヒドロ-) 4
H-ベンゾフロ [5, 6, 7-
de] イソキノリン-4, 6-ジオン (5a, 8a) を合成した。同様に, 4-シンナミルオキシナフタル酸-N-メチルイミドからは (5a) および (8a) の8-フェニル誘導体 (5b, 8b) を得たが, (8b) 合成の際には5-メチル-8-フェニル-5, 6-ジヒドロ-4H, 10H-[1] ベンゾピラノ [6, 7, 8-
de] イソキノリン-4, 6-ジオン (9) が副生することを確認した。
また, 3-アリル (10a) および3-α-フェニルアリル-4-メトキシナフタル酸-N-メチルイミド (10b) から若干の3-置換-4-メトキシ体 (プロペニル (11a), α-フェニルプロペニル (11b), カルボキシ (12), メトキシカルボニル (13), カルバモイル (14) およびベンゾイル (16)) を誘導し, これらの構造とケイ光スペクトルの関係について検討した。
その結果, 1) ジヒドロフラン環化合物 (5a, 5b) は基準物質4-メトキシナフタル酸-N-メチルイミドに比べて, ケイ光極大を約30mμ長波長移動させ, ケイ光強度を若干高める。2) これに対してフラン環化合物 (8a) は10mμの長波長シフトにとどまり, 強度はその1/10程度に低下する。3) (8b), (9), (11b) および (16) はそれぞれのフェニル基とナフタリン核との間の同一平面性が阻害される結果, ケイ光は本測定条件下では測定できぬ程度に弱まる, ことなどを明らかにした。
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