2-アセトアミドフルオレン (I) は氷酢酸中で濃硝酸によつて容易にジニトロ化されmp 270-2℃ (分解) のジニトロ化物を生成したが, これは2-アセトアミド-3-(II) および-7-ニトロフルオレン (III) のニトロ化によつても生じるから2-アセトアミド-3, 7-ジニトロフルオレン (IV) であることを知つた。IVを加水分解すれば2-アミノ-3, 7-ジニトロフルオレン (V)[mp 280-2℃ (分解)] が, また酸化すれば2-アセトアミド-3, 7-ジニトロフルオレノン (mp 302-4℃)(VI) が得られた。VIはさらに加水分解して2-アミノ-3, 7-ジニトロフルオレノン (VII)(mp 331-2℃) とし, これから脱アミノ反応により2, 6-ジニトロフルオレノン (VIII)(mp 236-7℃) を得, VIIIを還元して2, 6-ジアミノフルオレノン (IX)(mp 202-3℃, ジアセチル化物 (X) mp 328-30℃) を合成した。また上記各化合物の紫外および可視部における吸収スペクトルを測定した。
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