簡単なモノアゾ酸性染料に相当する構造簡単で合成容易な羊毛防虫剤を得んと染料の-N=N-に匹適する原子団として-CONH-を選びクロルペンズアニリド型防虫剤の合成を試みた。先ずこの型化合物の化学構造とそれ等の防虫性との関係を明にするためスルホン基を含まぬ30余のこの型化合物を合成し同時に喰毒構成々分としてカルボン酸が毒性に及ぼす影響を考察する目的で種々の安息香酸フェニル塩素置換体30を合成併せてヒメカツヲブシムシに対して試験した。これ等化合物の化学構造と防虫性との間には規則的な関係はなく, 4, 4'-ジクロルー (I), 及び4, 3', 4'-トリクロルペンズアニリド (II) のみが良好であつた。よつて主として (I), (II) にスルホン基を導入した化合物8を合成試験した所スルホン酸としても (I), (II) は秀れていたが実用的には尚改良の余地があるものと考えられた。
抄録全体を表示