種々のベンズアルデヒド誘導体の羊毛防虫剤への利用の可能性を検討するため種々のクロルベンズアルデヒド類のオキシム,(フェニル)-ヒドラゾン,(チオ)-セミカルバゾン等に於ける化学構造とその防虫性との関係を明にせんどし, これ等誘導体約40を合成しヒメカツヲブシムシに対して防蝕試験をした。その結果一般にフェニルヒドラゾン型誘導体 (I) は概して優れ, チオセミカルバゾン (II) も稍々良好であった。よって (I)(II) にスルホン基を導入した化合物10余を合成して試験した所,(I) はスルホン酸としても優れた効果を示した。此の際塩素原子はアルデヒド成分に, 又スルホン基はヒドラジン成分に含まれる事が防虫性発現に必要であると考えられたがこれ等は何れも羊毛を淡黄に汚染しその堅牢度不充分であったのでその実用性は認め難かった。
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