1, 2-エポキシ直鎖アルカンの1級アルコールへの接触水素化分解に, ニッケル・リン触媒が良好な選択性を示すことを見出した。
プロピレンオキシド0.1molを用い, 触媒0.1~2.0g, 反応温度100~210℃, 水素初圧46~60kg/cm
2の実験条件範囲での1-プロパノール選択率は86~90%であった。C
6, C
8, C
10, C
12の1, 2-エポキシ直鎖アルカンもまた良好な選択率で対応する1級アルコールに水素化分解された。これらのエポキシアルカン0.05molを使用し, 触媒0.1g, 反応温度130~140℃, 水素初圧40kg/cm
2の条件で接触水素化を行なったとき, 炭化水素 (mol%).全アルコール (mol%) および1級アルコールと2級アルコールの生成比はそれぞれ次のようであった。C
6;9.5, 89.0 : 11.0, C
8;11.6, 88.4, 91.2 : 8.8, C
10;15.4, 84.6, 89.6 : 10.4, C
12;11.1, 88.9, 86.3 : 13.7.1, 2-エポキシヘキサンを水酸化ナトリウム, トリエチルアミン, ピリジンまたはヨウ化ナトリウムを添加して接触水素化した。いずれの場合も2-ヘキサノールの生成割合が増加する傾向を示したが, その傾向はヨウ化ナトリウムが特に顕著であった。またヨウ化ナトリウム添加の場合には5~12%の2-ヘキサノンを生成した。
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