クッキーのショートネスと材料配合比の関係を統一的にとらえるため, Schcfiéの3成分系の単純格子計画法を用いて検討した.
バター, 砂糖, 卵の水準の最大値は60, 55, 45g, 最小値は30, 25, 15gとした.小麦粉は全材料に対して40, 45, 50%とした.
クッキーのショートネスを示す特性値として, ショートメーターによる破壊力, レオロメーターによる硬さ, もろさの測定と, 吸水率の測定を行った.
1) ショートメーターの破壊力とレオロメーターのプランジャー速度3サイクルでの硬さ, もろさの間には, かなりよい相関が得られた.
2) バターが多いクッキーはやわらかく, 砕けやすく, もろくなり, 砂糖, 卵が多いと硬くて, もろさに欠けるクッキーとなる.
3) クッキーの口どけに関与する吸水率は, 砂糖の多いものが良好で, 卵の多いものが最も悪い.バターは油脂であるにもかかわらず吸水率を悪くしない.
4) クッキーの破壊力, 硬さ, もろさと材料配合比の問には, 二次および三次の推定式が得られ, それぞれ推定曲線で示すことができた.本実験の範囲内でおのおのの測定値より材料配合比の推定, あるいは材料配合比よりおのおのの特性値を推定することが可能であると考える.
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