家政学雑誌
Online ISSN : 1884-7870
Print ISSN : 0449-9069
ISSN-L : 0449-9069
36 巻, 10 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 竹井 よう子
    1985 年 36 巻 10 号 p. 747-753
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    夏柑, 八朔, ネーブル, 伊予の4種について, 生果皮とそのママレードの香気成分を比較し加熱による変化を検討した.生果皮とそのママレードより, 香気濃縮物を調製し, GC-MS分析を行い42種の成分を同定, 16種を推定した.ママレードからの香気濃縮物の収量は生果皮に比し顕著に少なく, 香気成分の加熱による蒸散が認められた.ママレード加工により, 夏柑, 八朔ではリナコールオキサイド, ネーブル, 伊予ではテルピネンーをオール, β-テルピネオール, α-テルピネオールの増加が顕著であった.さらにネーブルではデカナール, ゲラニアールが減少しフルフラールが増加した.伊予ではゲラニルアセテート, ネラール, デカナールが減少しリナロールが4%以上に増加した.これらの変化は, 生果皮の有するさわやかなオレンジ香を失わせ重い黴臭を与えている.
  • 竹井 よう子
    1985 年 36 巻 10 号 p. 754-762
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    8種の柑橘の生果皮およびそのママレード, 3種の市販ママルードのヘヅドスペースベーパーをGLCにより分析, 比較を行った結果, ママレード加工により, 夏柑, 八朔, 安政柑, こうとう柑はいまださわやかな香りを保有しており, ネーブル, オレンジは甘い芳香を保有していたが, 日向夏, 伊予ではリナロール, テンプルではテルピネン-4-オールの含量が顕著に高く, リモネン含量が少なく, 好ましくない香りとなった.市販品2種は香りの弱いことも判明した.
  • 鶏卵の貯蔵と熱凝固性について (第2報)
    村田 安代, 寺元 芳子
    1985 年 36 巻 10 号 p. 763-769
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    殻付卵を冷蔵および日本の夏期を想定した30℃で貯蔵し, 一定期間 (1, 2, 3, 4週間) ごとに, 卵白・卵黄 (2倍希釈) をそれぞれ一定条件下で加熱し, ゲルの物性を主にして, 当日卵のゲルと比較した.
    1) 冷蔵卵のゲルの物性の変化は卵白・卵黄とも少ない.
    2) 30℃貯蔵卵の卵白のゲルは, 95.0±1.0℃20分加熱では, 貯蔵期間が長くなるにつれ, ゲルの物性が異なる傾向がみられた.
    3) 当日卵と30℃3週閥貯蔵卵の加熱条件の絹違による物性を比較したところ, 当日卵の卵白ゲルは80℃20分加熱以外の加熱条件下では, いずれもカードメーターで破断力を示すゲルを形成し, 30℃貯蔵の卵白ゲルは80℃20分・40分加熱, 90℃20分加熱では粘稠度を示した.卵黄ゲルは2倍に希釈して調製されているが, 90℃以下の加熱温度ではいずれも粘稠度を示し, 30℃貯蔵のほうが値が低い傾向がみられた.
    4) 鶏卵の貯蔵や加熱による物性の変化をタンパク質化学的に検討したところ, オバルブミン画分の変化が関与するように思われた.
  • 茶書のなかの料理 (第2報)
    福崎 春子
    1985 年 36 巻 10 号 p. 770-778
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    In Part 1, by studying the tea-ceremony classics Nanboroku, Sennorikyu's opinion concerning meals served in the tea-ceremony was interpreted and the origin of the meals was clarified.
    Study was continued to make clear details of the served foods referring to the documents of teaceremony classics, cooking books, dictionaries which were published between the latter half of the 16th century and the first half of the 17th century and some cooking books in the 18th century.
    This report contains the study of the soups in the tea-ceremony meals which are difficult to understand with the present knowledge and disappeared in the present-day cooking. The soups were classified in two groups, i.e., the one was a side food taken with boiled rice and the other a relish taken with Sake (Japanese wine). Bean paste was usually used for seasoning of the soups and clear soup was prepared by suitably treating bean paste as soy sauce was not popular.
    In addition, cooking techniques of vegetables, birds, shellfish and so forth being used in the soups were examined.
  • 衣服形成にかかわる布の力学的性質に関する研究 (第3報)
    丹羽 雅子, 石塚 貴美子
    1985 年 36 巻 10 号 p. 779-786
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    In this paper, the fabric strain, 6, at seam line of men's jackets is correlated with those of fabric mechanical properties and fabric formability which is a function of fabric tensile, bending and shear properties. The relation between the e and suit appearance is also examined.
    In the shoulder seam, the actual overfeed becomes lower when the fabric having higher extensibility is used because of the easier elongation of the fabric of front shoulder part. As the result, the of the back shoulder part becomes small. In the round of sleeve seam, the ε of the fabric having lower shear deformability becomes low because of the difficulty in the overfeed and the seam line becomes longer than the designed value. In the collar, the seam line stretched after seaming to make three dimensional curvature of upper collar part. And absolute ε of the fabric having lower extensibility in weft direction becomes lower than the normal extensibility fabric.
    In general, the fabric having deformable property in tensile and shear properties leads smooth three dimensional curvature of suit. These deformable properties may be expressed by formability value. It is confirmed that the formability has evident correlation w th ε and that the appearance of suit has evident correlation with the fabric mechanical properties.
  • 前島 雅子
    1985 年 36 巻 10 号 p. 787-792
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) 亜塩素酸ナトリウムの実用的浴条件 (pH3.5) において, 浴中および繊維中の色素の退色挙動に対する界面活性剤添加効果を調べた.
    2) A.R.52水溶液の亜塩素酸ナトリウムによる退色は陽イオン界面活性剤の低濃度 (10-4~10-3%) 添加により顕著に促進された, また非イオン界面活性剤添加では若干の促進効果を認め, 陰イオン界面活性剤のミセル形成濃度では若干の遅滞効果が見いだされた.
    3) A.R.52水溶液の著しい退色促進効果を認めたCTAB添加系とDBP添加系で, その効果は亜塩素酸ナトリウムの低濃度において顕著であることがわかった.
    4) 亜塩素酸ナトリウムへのCTAB添加による促進効果は未さらし綿布漂白では見いだされないが, A. R, 52染色ナイロン布の退色において明らかに認められた.
  • 被服における図柄のイメージ (第1報)
    吉岡 徹
    1985 年 36 巻 10 号 p. 793-802
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    以上の結果から, 各サンプルのイメージを決定づけるのは「縞の太さ」と「色」であって, 「縞の方向 (縦, 横) 」はそれほど寄与しないが, 「太った」, 「都会的」イメージについては縞の方向性がかなり関与していることが明らかになった.
    前述のように, Helmholzの幾何学錯視図形において, 正方形では縦縞と横縞において, 前者は横長に見え, 後者は縦長に見える.今回の実験で, 被服の図柄のイメージにおいては縞柄の太さや色が影響する部分が大きく, 縞の方向姓は直接的なイメージの規定要因として決定的評価が得られなかった.ただし, 縞の太さが十分な場合には「太った」, 「都会的」の両イメージに強い影響を与えている.なお, 色については, 黒と原色として3色 (赤, 緑, 青) を用いたが, 今後は色相の違いだけでなく, トーン等の違いも検討したい.また, モデルについては同一人物のみで実験を行ったが, 同一人物における視覚的イメージの変化が他のタイプのモデルにおけるイメージの変化にもあてはまるかどうかについては, 今後検証したい.
  • 峯木 真知子, 松本 ヱミ子
    1985 年 36 巻 10 号 p. 803-807
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) カラーアナライザー測定結果では, 野菜そらまめの褐変した重曹液加熱の豆の種皮にも670nmのピークがみられ, 葉緑体の残存を予測させた.しかし, 乾燥豆を重曹液で加熱したものにはピークがみられなかった.
    2) 豆の着色速度は空気開放で重曹濃度の高いものが早く褐変する傾向を示し, 褐変には空気酸化およびアルカリ処理が関与していると考えられた.
    3) 組織学的実験では豆の種皮をアクロレインガス, ホルマリンガスで固定した場合, 未固定のものと同様に重曹液滴下によって褐変がみられた.
  • 集合住宅居住者の実態と住環境条件に対する意識の研究 (第5報)
    泉谷 秀子, 大野 庸子, 島田 裕子, 志水 暎子
    1985 年 36 巻 10 号 p. 808-813
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究は, 名古屋市内の民間企業の供給するマンションの管理の実態と居住者の意識を調査し, よりよい管理のあり方を確立するための基礎資料とするために調査を行い, 管理形態や業務の実態は, マンションのカ所数を単位とし, 意識については, 居住者個人を単位として集計し, 次の結果を得た.
    1) 管理形態は, 自主管理2割, 会社管理8割弱であり, 101戸以上の大規模では, 8割強が会社管理である.
    2) 実働管理希望は, 3.5割で, 年収が高くなるにつれて低くなる.
    3) 管理人のいるマンションは7.5割.管理費が高くなるにつれて, 管理人への不満が高くなる.
    4) 修繕積立金は, 8.5割がしており, 1戸あたり月額500円前後と, 1,000円前後が多い.積立金については, いまのままでよいとする者が多く, 転居希望者は積立金についての意識が低い.
    5) 個々のマンションの規模, 居住者の社会的属性などによって, 管理方式の最適化はさまざまであろうが, よりよい管理とは何かについての最大公約数は, まず居住者による管理組合を結成し, 維持管理について自分たちで可能な仕事と, 専門業者に委託すべき, あるいは委託したほうがよい仕事を明確にし, 業者を選定して委託し, その分担範囲によって, 適正管理費を算定することと考えられる.大修繕および将来の建替えまでも見通した計画的な資金づくりのため, 積立ての実行, またこれらの話合いを積み重ねることによって, おのずとコミュニティが醸成され, 共同生活のルールもつくられていくことであろう.
    しかし, 居住者レベルでは, 方向を見いだしにくい問題もあるので, 必要に応じて正確な情報が入手できるように, 行政や第三者機関など専門の相談窓口を設けることも必要である.
  • 軍司 敏博
    1985 年 36 巻 10 号 p. 814-819
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 村山 淑子
    1985 年 36 巻 10 号 p. 820-824
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
feedback
Top