粉あめ40w/v%, ショ糖4w/v%混合添加の 0.6w/v%寒天濃度のゼリーを基本ゼリーとして, そのテクスチャーを改良するため, 寒天濃度, クエン酸およびレモン果汁添加の影響について検討を行った。基本ゼリーの寒天濃度を0.3, 0.4, 0.5w/v%と変化させた場合, 添加温度を98, 80, 60℃としてクエン酸0.3, 0.5, 0.7w/v%およびレモン果汁5.0w/v% (クエン酸 0.3w/v%相当) を添加した場合の破断特性値, テクスチャー特性値および順位法による官能評価値を得た。その結果は次のとおりである.
1) 寒天濃度が増加するにつれ, ゼリーの破断特性値およびテクスチャー特性値の硬さ, もろさは増加したが, 凝集性は減少した.
2) クエン酸を添加した場合, いずれのクエン酸添加濃度においても, クエン酸添加温度が低下するにつれ, 破断特性値およびテクスチャー特性値の硬さ.もろさが増加した.しかし, 凝集性はいずれのクエン酸添加濃度においても, クエン酸添加温度が98℃のゼリーが他の添加温度のものより著しく大きな値を示した.
3) クエン酸添加濃度0.3, 0.5, 0.7w/v%の3 種のゼリーについて官能検査を行った結果, 総合評価においてクエン酸0.3w/v%添加ゼリーが最も好まれた.
4) クエン酸0.3w/v%相当のレモン果汁を添加したゼリーは, 2) のクエン酸添加の場合と同様の結果を得た.
5) ほぼ等しいテクスチャーを有する寒天濃度 0.5w/v%酸無添加ゼリー, クエン酸添加濃度 0.3w/v %添加温度60℃ゼリー, レモン果汁添加濃度 5.0w/v %添加温度60℃ゼリーの3種のゼリーについて官能検査を行ったところ, 総合評価においてレモン果汁添加のものが最も好まれ, クエン酸添加のものがやや好まれたが, 酸無添加のものは好まれなかった.
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