1) 各種6-monoアスコルビン酸脂肪酸エステルの大豆油の酸化に対する抗酸化効果は比較的低濃度の10
-7M~10
-8M の範囲で強くみられ, 逆にそれよりも高濃度の添加では, かえって酸化を促進する傾向がみられた.
2) 各種6-monoアスコルビン酸脂肪酸エステルの抗酸化効果は結合脂肪酸の炭素数の違いによって, それほど大きな差はみとめられず, ほぼ同程度であった.
3) 各種Lauroylアスコルビン酸脂肪酸エステルの抗酸化効果は, 6mono-体ではその効果が高く, 2mono-体はかえって弱い酸化促進の傾向がみられた.
また, 2, 6Di-体にはわずかに抗酸化効果がみられるが前者よりもその効果は劣った.
2, 5, 6 Tri-体, 2, 3, 5, 6Tetra-体は, 2, 6Di-体とほぼ同様の効果を示した.
4) α-Toc を含まないリノール酸メチルエステルを用いた実験においても低濃度の適量の6-Lau
1-AsAを単独添加した場合にその効果が認められたが, 高濃度の場合は抗酸化効果は認められなかった.
また, α-Tocを併用添加した時にも6-Lau
1-AsAの低濃度添加で強い抗酸化性を示し, 高濃度ではかえって酸化を促進する傾向がみられた.
本研究は昭和47年10月, 第24回日本家政学会総会において報告いたしました.
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