表面科学
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13 巻 , 6 号
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  • 広瀬 全孝, 高倉 優, 八坂 龍広, 宮崎 誠一
    1992 年 13 巻 6 号 p. 324-331
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    シリコンウェハを希釈HF水溶液(HF)または緩衝希釈HF水溶液(BHF)溶液中で処理することによって,表面の未結合手をSi-H結合によって終端できる。純水中およびクリンルーム大気中に保持されたSi表面の自然酸化膜成長の機構をX線光電子分光法(XPS)とフーリエ変換赤外吸収分光法一減衰全反射法(FTIR-ATR)を用いて評価した。pH調整したBHF中で処理したSi(111)表面は原子的に平坦化されるため,化学的にきわめて安定で酸化されにくい。BHF処理(100)表面は平坦化が難しい。これに対して,HF処理したSi(111)やSi(100)表面は,原子スケールでは平坦でないが,フッ素が原子ステッフ。やマイクロファセットのような反応活性サイトに残留し酸化を抑止するため,酸化種に対して比較的安定である。また,Si(100)水素終端表面の室温での自然酸化は原子層ごとに酸化される(layer-by-layer酸化)ことが示唆された。 さらに,純水中で形成した自然酸化膜とSiの界面には,大気中酸化や硫酸・過酸化水素混合溶液による酸化などの方法で形成される自然酸化膜/Si界面に比べてかなり多量のSiHx結合が含まれていることが示された。
  • 末光 眞希
    1992 年 13 巻 6 号 p. 332-338
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    Siプロセスにおける表面水素の役割を,種々の吸着に対する保護膜として位置附けて論じた。表面水素を酸化(酸素,水の吸着)あるいは汚染吸着に対する保護膜として考えるのがいわゆるHF処理だが,その保護性は不完全である。HF処理の欠点を補うために,HF処理の後にUVオゾンクリー二ングを行うHF/UVOC法を開発した。表面水素はエピタキシー原料ガスに対しても吸着保護膜としてはたらく。これはCVDやGSMBEの成長律速要因として機能するが,一方これを積極的に成長制御因子として利用することが可能である。著者らは表面水素を利用したシラン原子層エピタキシーを開発し,1/4原子層単位で成長が制御できることを見出した。
  • 上田 一之, 児玉 真二, 高野 暁巳
    1992 年 13 巻 6 号 p. 339-343
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    シリコン表面を水素によって終端化し,活性な表面を不動態化して安定なエピタキシー層や酸化層をつくろうとする試みが多くなされてきている。水素終端化の方法にはドライとウエットの方法がありノウハウもまた多数である。ところが実際にどの程度の水素が吸着しているのか推測の域を出ないものが多く,水素定量のための測定方法の開発が望まれている。本研究では清浄表面に原子状水素を吸着させて,電子励起イオン脱離法による比較的簡便な方法で半導体表面上の水素検知を高感度に行う方法について述べ,シリコンの表面処理の違いによる水素の吸着特性について述べた。また,脱離するプロトンのしきい値を測定し脱離のメカニズムについても考察した。ウエット法による終端化の例についてもふれる。
  • 尾浦 憲治郎
    1992 年 13 巻 6 号 p. 344-350
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
     イオンビームを用いた筆者らの研究を中心に, 固体表面に吸着した水素の定量法およびその表面界面研究への応用例について紹介する。高エネルギーイオンと表面水素原子との弾性衝突を利用する弾性反跳粒子検出法は, 簡便で信頼性に富み, しかもほとんど非破壊的といえるので, 表面研究に適している。Si(100)-2×1清浄面への吸着曲線の測定から, 吸着が2段階の過程で生じていることが示された。また,Si(111)-7×7面では, 単にDAS構造モデルのダングリングボンドへ水素が1個ずつ吸着するモノハイドライドだけではなく, トリハイドライドも存在することを示唆する結果が得られた。一方,低エネルギーイオンによる弾性反跳粒子検出法では,定量性に少し問題が残るものの表面感度が向上する。両者の併用は,表面水素の研究に一層有効となる。これを用いて行われた研究例として, Si(111) に水素を飽和吸着させた水素終端面上でのエピタキシー促進現象について紹介する。水素を1.5ML程度吸着させた Si(111) 面では, Ag薄膜のエピタキシャル成長が, 清浄面に比べて著しくよくなることがわかり, そのメカニズムについてもふれる。
  • 吉田 博, 佐々木 泰造
    1992 年 13 巻 6 号 p. 351-357
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    ボロンなどのアクセプタをドープしたP型シリコン結晶中では,侵入した水素不純物によって,その電気的活性が失われる。さらに,数百度Cに保持することによってアクセプタの電気的活性は再び回復する。この現象は,水素による不動態化(Hydrogenz Passivation)と呼ばれている。水素による不動態化の機構を解明するために,母体のシリコン,アクセプタであるボロン不純物,そしてその中を拡散してゆく水素不純物を含む系において,十分な自由度のもとでそれらの構造配置と電子状態を第一原理計算から決定する。第一原理からの電子状態計算に基づいて,水素によるアクセプタの不動態化機構を解明する。さらに,シリコン結晶中の水素原子の電子状態と構造に関連する最近の研究成果を解説する。
  • 川村 剛平, 石塚 修一, 坂上 弘之, 堀池 靖浩
    1992 年 13 巻 6 号 p. 358-364
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    本稿では,フーリエ変換赤外分光法-減衰全反射法(FTIR-ATR)という手法をin-situ化し,Siプロセスの表面・界面での反応過程を調べ,いくつかの知見を得たので紹介する。まず,この手法を用いるに至った背景を述べ,続いて最近の研究例として,Siの自然酸化膜成長過程,層間絶縁膜の平坦化のためのCVDプロセスおよびAl選択CVDプロセスについての結果を紹介する。
  • 渡辺 正夫
    1992 年 13 巻 6 号 p. 365-375
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    Photosynthesis of methanol from water and carbon dioxide.CO2+2H2Ohv→cat.CH3OH+3/2O2-63kcal/molis examined on ZnO fine powder and on ZnO(1010) single crystals. The ZnO samples are illumi-nated by a Xe lamp with a filter to cut UV lights with higher energies than 3.2eV (the forbidden band gap of ZnO crystal) as well as by the sun light. The reactive CO2 is suggested to be specific molecules which are weakly adsorbed by interacting with OH groups on ZnO. The activation of ZnO powder at 400°C under vacuum accumulated Si, S and P impurity atoms near and on the surface. The surface impurity levels may play an important role to generate free electrons and holes under the visible light illumination. Surface species were analyzed by FTIR spectroscopy and by a mass spectrometer. Surface conductance and photoexcitation of electrons and holes were observed with using the ZnO single crystal under vacuum or ambient CO2 and H2O. The activated ZnO powder is found to be capable of synthesizing CH3OH by visible light illumination especially under 32 atm. pressure of CO2 gas at 5°C, where the CO2 clathrate hydrate phase is formed around the ZnO surface. The best conversion rate to CH3OH is 2.1% with respect to the amount of reactant H2O.
  • 菰田 孜
    1992 年 13 巻 6 号 p. 376-381
    発行日: 1992/08/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    電界電子放出(FE)の原理を用いた電子源は,高輝度,点電子源などの優れた特長を有しているが電子放出が不安定であり,かつ10-8Paの超高真空を必要とすることから,近年まで実用化されていなかった。これに対して,筆者の属する日立製作所では,1968年からこのFE電子銃の研究を始め,その実用化に目途を得た1969年の暮より,これの走査型電子顕微鏡(SEM)への適用を図った。そして1973年には,3nmの高分解能を有する2次電子FE-SEMの製品化に成功した。 その後,1980年代のハイテク産業の台頭によりFE-SEMの需要は急増し,1985年には,遂に,その分解能は1nmを切るに至った。また低加速電圧でも高分解能が維持できることから,特に半導体工業において,プロセスモニタとしても使用されるようになった。 しかし,FEは原理的に不安定であり,その実用化には多くの技術的な困難を伴った。以下の本文は,筆者らの日立におけるFE技術の開発と,それを用いたFE-SEM開発の歴史を,物語り風に述べたものである。
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