表面科学
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16 巻 , 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 八百 隆文
    1995 年 16 巻 2 号 p. 102-104
    発行日: 1995/02/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    STMによる固相エピタキシー成長過程研究の重要性について述べた。特に,原子レベルでの成長過程を理解するためには強力な武器となりえることを,Si(100)上でのSTM観察を例に取り,示した。今後は,探針表面間のバイアスを変化させた表面電子状態に対応したSTM像の観察やSTSを用いた局所的な電子状態の評価を取り入れることによって,真の意味での原子レベルからの結晶成長過程の理解が可能になることを述べた。
  • 植杉 克弘, 小村 琢治, 吉村 雅満, 八百 隆文
    1995 年 16 巻 2 号 p. 105-112
    発行日: 1995/02/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    真空蒸着法,アルゴンスパッタ法,Pイオン注入法により作製したSi(001)アモルファス層の固相エピタキシー過程をSTMにより調べた。真空蒸着,アルゴンスパッタにより形成された表面は類似した表面構造を呈し,均一な丸い粒子状であった。これに対してイオン注入した表面はひどく荒れており不規則なヒルロックに覆われていた。アニールによる表面形状の変化は形成法や表面損傷の程度に大きく依存している。真空蒸着表面の場合,アイランドの異方性成長が250~300度の温度で観察された。アルゴンスパッタ表面では,粒子状のものは245度で融合し,さらにアニールすることによりアモルファス層の結晶化が促進された。また,表面構造の回復過程や欠陥の振る舞いが実時間で観察された。逆位相境界は結晶成長における有力な核生成サイトとなることがわかった。これに対して,Pイオン注入した表面を結晶化させるにはさらに高い温度(730~950度)が必要であった。この温度でさえも,表面はボイドを含んでおり,これは最初に存在していた表面のくぼみあるいは不純物の表面偏析によるものと思われる。
  • 日比野 浩樹, 荻野 俊郎
    1995 年 16 巻 2 号 p. 113-120
    発行日: 1995/02/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    Si(111)表面での極薄非晶質Ge層の固相エピタキシー機構を,走査型トンネル顕微鏡を用い,特に,下地7×7再構成が固相エピタキシーにどのような影響を及ぼすかを焦点にして明らかにした。その影響は,Ge層の厚さに依存する。Ge膜厚が2原子層の場合,下地7×7再構成はGe結晶化の初期に破壊され,Ge固相エピタキシーに影響を及ぼさない。Ge膜厚が4原子層の場合,Ge層は7×7再構成を種としてエピタキシーするため,Ge層自身に7×7規則性が伝播する。また,Ge膜厚が4原子層を越えると,表面には格子緩和した3次元Ge島が形成される。このGe島は下地表面のステップと7×7再構成のドメイン境界に優先的に形成される。
  • 石山 謙吾, 多賀 康訓, 一宮 彪彦
    1995 年 16 巻 2 号 p. 121-126
    発行日: 1995/02/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    室温および約570Kまで加熱されたSi(001)上にTiを蒸着したときの成長モルフォロジを走査トンネル顕微鏡で観察した。0.1ML以下では,室温と加熱基板上で異なる単原子吸着構造が形成されることが見出された。加熱基板では,単原子吸着に伴ってSi表面原子の脱離が誘起される。約0.1ML以上の被覆率では,3Dクラスタの成長が見られた。室温ではこれに伴って基板の規則構造が破壊され,アモルファス化する。加熱基板でも,2×1テラスの再構築を伴いながら3Dクラスタが形成される。これらの観測から,従来,電子分光法で観測されていたTi/Si界面反応は,0.1ML以上のTi-Si混合相クラスタ形成以降のものであり,これ以前に,単原子吸着の段階における反応が起こることが見出された。
  • 宝野 和博, 桜井 利夫
    1995 年 16 巻 2 号 p. 127-134
    発行日: 1995/02/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    近年,飛行時間型アトムプローブに位置敏感型検出器をとりつけることにより,個々の原子の種類と存在位置を3次元実格子空間に表示することができる3次元アトムプローブが開発され,材料の超局所解析手法としての応用が注目されている。本稿ではこのような最近のアトムプローブの動向を概観し,Co-Cr磁性薄膜の超微細組織解析への応用例を紹介する。
  • 関 節子, 住谷 弘幸, 田村 一二三
    1995 年 16 巻 2 号 p. 135-140
    発行日: 1995/02/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    ESDMSは,表面の吸着種だけでなく基板構成原子をもイオンとして脱離検出でき,SIMSと同様に高感度な表面分析法であることが確認された。しかしSIMSは,イオン衝撃がもたらす表面状態の複雑な変化のために,スペクトルには帰属困難な多数のバックグランドイオンが観測され,非常に複雑なパターンとなる。そのため,SIMSスペクトルから吸着汚染種あるいは基板構成原子を推定することはきわめて困難であった。 一方,ESDMSはSIMSと比べて,入射電子が試料表面に与える衝撃の程度は非常に小さく,フラグメントは少ない。そのため,無用なバックグラウンドピークがきわめて少なく,しかも長時間にわたってほとんど変動のないスペクトルが得られるので,ESDMSスペクトルからはダイレクトに表面種を推定することができた。SIMS-ESDMS複合技法は,SIMS分析と,SIMSでは困難である最表面種の特定に有用なESDMS分析を相補的に行える表面分析法といえる。 今後の課題としては,表面吸着物質はもとよりバルクからのESD現象におけるイオン化効率の測定が重要と考えられる。そのためには,この目的に適した専用装置を開発し,各種の実験パラメータ,特に入射電子ビームの最適化が重要と考えられる。
  • 滝口 隆晴, 植杉 克弘, 吉村 雅満, 八百 隆文
    1995 年 16 巻 2 号 p. 141-146
    発行日: 1995/02/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    The initial reaction of AlCl3 with a Si(111) clean surface and atomic-scale modification of the reacted surface are studied with a scanning tunneling microscope(STM). The AlC13 molecules dissociate upon reaction at room temperature, yielding Cl atoms around adatom sites. Chlorine atoms are observed to bond preferentially with Si center adatoms rather than Si corner adatoms, due to the difference in electronic structure. Real-time observation of the migration of adsorbed molecules around rest atoms reveals an important role of rest atoms in the initial reaction. Atomicscale modification around the adsorption sites is induced by applying a voltage pulse between the surface and the tip. Single Cl atom is extracted in both polarities. The extraction probability for a positive sample bias is higher than that for a negative one. It is also found that the extraction probability increases with tunneling conductance. The manipulation and dissociation of adsorbed molecules are also demonstrated.
  • 山田 進, 下山 雄平
    1995 年 16 巻 2 号 p. 147-153
    発行日: 1995/02/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    In-situ microscopic studies at air-water interface in terms of optical anisotropy were performed on the two-dimensional crystallines of a polydiacetylene derivative monolayer. Fabrication and evaluation procedures enable observing the structures of various surface crystals, such as spherulites and two-dimensional crystals. Band-shaped crystals were obtained by expansion of surface area under the precision control of the Langmuir trough. We developed for the first time a fabrication method to obtain large two-dimensional single crystals of ca. 20×5mm at the air-water interface.
  • 小島 純夫
    1995 年 16 巻 2 号 p. 154-157
    発行日: 1995/02/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    マスケミカルの工場における実務的な表面分析の一例として,固体製品中のミクロンオーダーの異物分析を,概説的に紹介した。汚染防止に配慮した試料の前処理(溶解,濾過,蒸着),自動分析が可能となったSEM-EDSの利用,金蒸着した濾紙を用いた顕微反射IR法による有機異物の測定,XPSの微細異物解析への適用について解説し,SEM-EDXおよびIRの分析データと異物厚さの関係に関して検討した結果も述べた。
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