表面科学
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11 巻 , 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 古屋 長一
    1990 年 11 巻 1 号 p. 2-7
    発行日: 1990/02/01
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    貴金属である白金とイリジウム単結晶を電極として用い, 表面原子の配列状態と触媒作用に関して明らかになっていることを記述した。
    白金及びイリジウム単結晶の種々の高指数面から得られたボルタモグラムより, 目的としたテラス, ステップ, キンク構造を持つ単結晶面が容易に得られることおよび水素吸着状態は表面原子の配位数に依存することを述べた。
    種々のテラス, ステップ, キンク構造を持つ白金単結晶電極上におけるメタノール, ホルムアルデヒド, 及びギ酸の酸化反応に対する触媒作用は, いずれも (111) テラスを持ちキンク構造を持つ面が最大活性を示し, (100) テラスを持つ表面が最小活性となる。これらの表面での触媒作用の違いは約1,000倍にも達し, 表面配列状態は触媒作用に大きな影響をあたえる。
  • 国松 敬二
    1990 年 11 巻 1 号 p. 8-17
    発行日: 1990/02/01
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    電極表面は電解質溶液にかこまれているため, 赤外, ラマン等の分子分光法による表面研究は超高真空及び気相中での金属表面研究に比べて大幅に遅れていた。しかし, この10年の間に事情は一変し, 電極/水溶液界面における分光学的研究は飛躍的に発展した。本稿ではこの間のin-situ赤外反射分光法の発展及びそれによる研究に焦点をあて, 電極/水溶液界面における分子, イオン吸着, 電子移動反応の中間体, 単結晶電極表面の赤外分光観測等についてこれまで得られた結果を概観した。
  • 板谷 謹悟
    1990 年 11 巻 1 号 p. 18-24
    発行日: 1990/02/01
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    電極/電解質溶液界面で起る種々の反応過程の理解は, 電気化学の中心的テーマである。この理解には, 電極表面の構造を原子レベルの解像力で決定する事が極めて重要である。しかし, これまでの多くの解析手法では, 溶液中に存在する固体表面の構造を直接決定する事は不可能と考えられていた。ここで述べるin-situ STM法は, この問題点を解決する手法として発展がなされて来た。本稿においては, 電解質溶液内でのin-situ STMの最近の進歩について解説する。金属電極表面としては, 金及び白金単結晶表面について述べ, 半導体/電解質溶液界面についても述べる。
  • 福島 貴和
    1990 年 11 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 1990/02/01
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    担持金属触媒における担体および添加物の役割を, 主に, 金属や添加物により担体が影響される場合の複合効果という観点でながめてみた。
    マグネシア担持金触媒の例では, 金の担持により下地のマグネシアが影響を受け, 酸素活性化能が増し, 金へのCO吸着力が弱いこととも相まって, COの低温酸化能が発現すると考えられた。添加物は, 担持金属とバイメタルを形成するのみではなく, Pt-Sn/Al2O3のSnのように, 担体のモディファイヤーとして機能する場合のあることが示され, Rh-Fe/SiO2のように, 担体と金属とをつなぎ止める役割を担い, その際, 金属の形態をも変化させ得る可能性が示された。
  • 工藤 正博, 数田 真弓
    1990 年 11 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 1990/02/01
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    触媒反応における活性や選択性は反応分子と触媒表面原子との複雑な相互作用によって決まってくる。実用的に用いられている固体触媒の多くは多結晶体ではあるが, そこで起こる触媒反応はほとんどの場合表面で進行するため, 単結晶表面でのモデル的な反応の正確な解析は実際の反応機構を究明するのに必要な多くの知見をもたらすものと期待される。本稿では酸化物単結晶表面を用いた触媒反応の素過程の研究をいくつか紹介し, このようなアプローチの有効性を示すと共に今後の展開を概観する。
  • 安保 正一
    1990 年 11 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 1990/02/01
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    担体表面上に吸着したVOCl3を光照射により励起し室温で担体表面水酸基と反応させて固定化バナジウム酸化物触媒を調製した。触媒の低温でのリン光スペクトルとその微細構造の解析やESRによるV4+種の配位構造の検討から, この方法で調製した触媒では四配位構造をもつバナジウム酸化物種が高分散状態で固定化されていることがわかった。この光固定化バナジウム酸化物を光触媒として2-ブテンのシス トランスおよび2-ブテン 1-ブテンの異性化反応が高収率で進行する。酸素を添加すると光触媒異性化反応は抑制され, 代わってブテンの光触媒酸化反応が進行する。触媒のリン光収率と光触媒反応の速度の間には良い平行関係がみられ, これらの光触媒反応が光励起により生成する四配位構造のバナジウム酸化物種の電荷移動型の励起種, (V4+-O-) *の高い反応性により誘起されることが明らかになった。
  • 宮本 明, 乾 智行
    1990 年 11 巻 1 号 p. 45-52
    発行日: 1990/02/01
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    酸化物表面の構造および機能の視覚化におけるコンピューター・グラフィックスの有用性がつぎのような課題について示された。 (i) 分子動力学法によるゼオライト構造の計算, (ii) ゼオライトの分子ふるい効果, (iii) V2O5/TiO2触媒におけるTiO2上のV2O5のエピタキシャル成長, (iv) 担体上のペロブスカイト酸化物のエピタキシャル成長, (v) 担持Au触媒における金属-担体相互作用, および (vi) アルカリィオン交換ゼオライト上のメタノールによるトルエンの側鎖アルキル化反応における酸-塩基協同触媒作用についてである。コンピューター・グラフィックスは触媒作用および触媒設計における幾何学的因子の議論に特に有効であることが示された。
  • 西野 敦
    1990 年 11 巻 1 号 p. 53-59
    発行日: 1990/02/01
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    触媒は, スウェーデンの化学者Berzeliusが1835年に触媒作用の定義づけを行って以来, 化学工業分野で, 生産量の増加, 新製品開発, 省エネルギー等の観点から化学工業の鍵となっている。
    -方, 生活関連機器に, どの程度, 触媒が応用されて来たかを顧みると, 浄水器用触媒, ストーブ用の点火ヒーター, 触媒カイロが昭和30年代から実用化され出した。
    また, 昭和50年代の初頭から, 折からの公害ブームが一巡し, 家庭用の燃焼器, 調理器に環境保全用触媒や自己浄化型触媒が採用され, ブームとなった。
    それ以来, 触媒を応用したヘヤーカーラー, CA青果物保鮮装置, 電子厨芥処理装置等が次々と製品化され, 好評であった。触媒は, 生活関連機器にとっても, 機器の小型化, 高性能化, 高信頼性化等を保証する重要な手段と必須部品となっている。この代表的な触媒応用家電製品を概観する。
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