表面科学
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16 巻 , 9 号
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  • 正畠 宏祐, 大橋 治彦
    1995 年 16 巻 9 号 p. 544-549
    発行日: 1995/09/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    固体表面における化学反応の各素過程および動力学を明らかにするために,反応物の初期状態を明らかにした分子線を用いる方法が強力な研究手段となっている。本解説では,分子線法の特徴と限界について概略し,並進および振動状態を選択したCH4,H2分子の金属表面への解離吸着反応およびその逆反応について最近の研究例を紹介する。
  • 寺岡 有殿, 西山 岩男
    1995 年 16 巻 9 号 p. 550-556
    発行日: 1995/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    近年,超熱エネルギー領域の並進エネルギーをもつ中性分子線を用いたエッチング反応においても,並進エネルギーによって反応速度が増加する効果が見出されている。本稿では塩素とシリコンの表面反応を例にとり,分子線の並進エネルギーを制御する方法,塩素吸着構造とその熱的安定性,初期付着確率とエッチレートに対する塩素分子の並進エネルギーの影響,並進エネルギー誘起エッチングの反応閾値/活性化エネルギーの測定を中心に,塩素原子線による反応も含めて最近の研究例を紹介する。
  • 松本 吉泰
    1995 年 16 巻 9 号 p. 557-563
    発行日: 1995/09/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    最近,金属や半導体表面における表面光化学の分野はレーザーや気相でのさまざまな実験手法が取入れられ急展開を見せ,新たな段階に入った感がある。表面に吸着した分子の光誘起過程としては脱離や解離が挙げられるが,これらの現象には吸着種の電子状態の励起とそれに続く原子核のダイナミクスが含まれている。したがって,この研究主題には吸着種の電子構造,光と吸着種・表面との相互作用など化学物理的にきわめて重要な問題が存在する。また,このような基礎学問としての興味のみならず,表面での光誘起過程を用いた多くの応用分野を考える場合にも,表面光化学過程の分子論的理解は有用である。本解説では金属や半導体表面における吸着種の光脱離と光解離について,特に,励起メカニズムと脱離・解離のダイナミクスについて述べる。具体的な例としては,NO/Pt(111)における光脱離CH4/Pt(111)およびN2O/Si(100)における光解離を挙げる。
  • 菅原 孝一
    1995 年 16 巻 9 号 p. 564-570
    発行日: 1995/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    波長分解能の高いレーザー分光法は,気相中の自由分子を状態選択的に検出できることから,分子の構造や気相化学反応の動力学の研究に広く用いられている。この手法は表面に束縛された分子の検出には適さないが,表面化学反応の最終過程である生成物の脱離過程を取り扱うには有力である。脱離直後の分子のエネルギー状態が観測できるため,分子と固体表面との間にどのような相互作用があるのか,あるいは脱離に際してどのような動力学が働くのか知ることができる。本稿では,この観点からはほとんど調べられていないエッチング反応における分子脱離を取り上げる。筆者らは高分解能レーザー分光法を用いてフッ素と銅表面との反応において脱離するCuF分子の状態選択的な検出を行った。反応出口の情報である脱離分子の振動回転並進エネルギー分布は,フッ素分子線の並進エネルギーや流量,フッ素源の違い,銅表面の温度,銅表面の種類など,反応入口の条件にどのように依存するのか,またその結果からどのような分子表面相互作用が考えられるのかについて述べる。
  • 国森 公夫
    1995 年 16 巻 9 号 p. 571-576
    発行日: 1995/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
     金属表面上の化学反応 (触媒反応) で生成・脱離した振動励起分子の赤外発光測定について解説する。Pt, Pd表面上のCO酸化反応を中心に, 生成CO2の赤外発光スペクトル, パルスCOによる時間分解発光測定について概観し, さらに炭化水素の部分酸化, メタノールおよびギ酸の分解などの他の触媒反応への適用例を紹介する。この方法は,反応ダイナミクスの研究に重要であり, さらに反応場 (触媒活性点など) の情報が得られる可能性を指摘した。
  • 並木 章
    1995 年 16 巻 9 号 p. 577-582
    発行日: 1995/09/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    H2,O2,Cl2分子の表面解離吸着反応は入射エネルギーにより活性化される。H2は軽いので入射エネルギーは表面フォノンに散逸されず,そのため解離吸着反応は常に直接的に進行する。しかし,O2やCl2では,物理吸着過程を経る間接解離吸着過程が関与し,それは0.1eV以下の入射エネルギーで顕著となる。解離吸着反応はすべての分子で入射エネルギーにより活性化される。H2ではパウリ反発が活性化障壁の形成に重要な寄与をなす。 吸着アルカリ原子はこれらの分子の活性化障壁に大きな影響を与える。電子親和力の極端に小さいH2と逆に大きなCl2に対しては,吸着アルカリ原子は障壁を高める方向に働く。O2に対しては逆に障壁を下げる。障壁を高める原因は仕事関数の低下に伴うパウリ反発の増加にある。他方,O2に対する障壁低下は表面電子移動の増加による。
  • 中村 一隆, 北島 正弘
    1995 年 16 巻 9 号 p. 583-586
    発行日: 1995/09/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    Rovibrational state distributions of SiO desorbed from a Si(111) surface during O2 molecular beam scattering at 1250±50K are studied using resonance enhanced multiphoton ionization mass spectroscopy. Results show that the vibrational temperature is comparable with the surface temperature but the rotational temperature is lower than that.
  • 楠 勲
    1995 年 16 巻 9 号 p. 587-591
    発行日: 1995/09/10
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    表面とガスの相互作用を調べる目的で,分子線は1920年代から用いられてきた。その歴史を簡単に振り返ると共に,わが国の研究者の数少ない足跡をとどめ,分子線散乱とかかわる現象を,ヘリウム回折(弾性散乱),非弾性散乱,吸着・脱離に分類して平易に述べた。表面化学反応ではSi表面の炭化,窒化,酸化を例に,何が起きているかについてふれた。最近の国内での研究の活況についてもふれている。
  • 岩井 秀夫, 大岩 烈, Paul E. LARSON, 工藤 正博
    1995 年 16 巻 9 号 p. 592-597
    発行日: 1995/09/10
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    Simulation of the spherical aberration and beam shape of scanning X-ray source for X-ray Photoelectron Spectroscopy(XPS) has been investigated for optimization of optics and estimation of beam size. The scanning X-ray source used for this study is equipped with an elliptical mirror to diffract and focus aluminum Kα X-ray. The anode from which X-ray is excited, is located on the elliptical mirror focal point, and X-ray source point is projected near the other side of the focal point(sample). At the optical center, it is simulated that there exists no spherical aberration. On the other hand, lineally increasing spherical aberration is observed according to the distance from the optical center both in a horizontal and vertical direction. It is concluded that 10μm beam is applicable if tolerance of alignment is within ±40μm both in horizontal and vertical direction. Using a tungsten mesh(grid) sample, the X-ray beam shape is experimentally measured as 8.7×10.5gm beam. These values are compared with those obtained by simulation and some of the factors influencing results are discussed in detail.
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