電気学会誌への随想寄稿をご依頼いただき,誠に光栄に存じます。私自身は生化学を専門としており,電気学会との直接的な接点は薄いと感じておりました。しかし,工学院大学の歴史を紐解くとき,本学と電気学会が分かち難く結びついていることを改めて認識いたしました。
1.はじめに
5月初旬に群馬県安中市に位置する霧積ダムを訪問し,群馬県が建設中の水力発電所建設現場を見学した。ちょうどゴールデンウィークが明け,新緑が山々を覆う季節であり,自然に囲ま
特集「生産年齢人口減少に対応したスマート設備保全・診断技術」の編集にあたって,執筆者は主に(一社)日本設備管理学会「最新設備診断技術の実用性に関する研究会」会員により構成させていただいた。(一社)日本設備管理学会(1)は1989年の創立以来,“ものづくりにおける理論と実
近年,製造業や社会インフラ,さらには鉄道・航空・物流などの運輸分野や航空宇宙機器においても,設備の安全性確保や保全人材の不足に対応するため,設備の状態を自動かつ高精度に診断・予測する「スマート設備診断技術」への期待が高まっている。特に,IoT技術の普及により現
筆者は機械設備の自動診断を行うマルチコプター型機械診断ロボット(1)(以下,本ロボット)の開発に取り組んでいる。本ロボットは回転機械から発生する音響を測定し,状態監視・診断を行うものである。マルチコプター型であるため,プロペラブレードから発生するプロペラブレード
機械装置などは多くの摺動部を有し,それらは摩擦・摩耗の影響を受ける部位であり,設備の寿命からすると摺動部分が最も疲労を受ける過酷な環境と言える。摺動部は摩擦・摩耗の影響を抑制するために潤滑構造とされていることが一般的であり,言い換えれば潤滑性能が設備寿命を
工場,発電所や上下水道プラントで使用される三相モータ(以下,モータ)はファン,ポンプ,コンプレッサなどさまざまな機械設備の動力源として使用されている。これらのモータ設備は国内だけで約1億台が稼働しており,生産性の維持の観点から安定した連続運転が求められる。特
高度経済成長時代に勢いのあった日本の石油化学産業も,安全・環境・品質に対する高い要求やグローバルな競争力,設備の老朽化に伴う信頼性の確保,トラブルを経験したベテラン社員の退職や人手不足による技術・技能の伝承等の課題に直面し,高度化技術・DX技術を活用したス
(株)高田工業所が研究開発によりMCSA(Motor Current Signature Analysis)を発展・進化させ,商品化した電流情報量診断システムT-MCMA®(TAKADA Motor Current Multiplex Analysis)と最新の通信技術TMCLOUD®(TAKADA Maintenance Cloud)を融合した回
農業用排水機場(以下,ポンプ場)は,農地ばかりではなく地域社会の用水や排水を担う重要なインフラとして,全国各地に2,800か所以上(1)整備されている。
これらは高度成長期に整備された施設が多く,今後10年のうちに全体の37%(2)が標準耐用年数を迎えるとされ
経済成長を支えてきた石油精製・化学プラントの大半は運転開始から半世紀余りが経過し,設備の老朽化や熟練層の大量退職,若年層の雇用困難な状況に伴う人員構成のアンバランスと技能・技術伝承への不安を抱えるなか,プラントの安全性の確保を基本としつつ,収益性向上(プラン
【概要】
令和7年電気学会全国大会にて標準化活動の重要性と,標準化活動が抱えている問題点について,広く認知してもらうことを目的にシンポジウムを開催しました。企業やアカデミアで標準化活動の活性化や人材育成を進めるに当たり,問題点や解決策を産官学の有識者にお集まりいただ
我が国の総発電量に占める再生可能エネルギー電源の割合は,2022年度に水力を含めて約22%(2023年度は約23%)であるのに対し,2030年度の見通しは36〜38%(図1),さらに2040年度には4〜5割程度を目指す(図2)こととしている(1)(2)。風力発電に関しては,2022年度に
脱炭素社会の実現に向けて電気自動車の普及が進んでいる。しかし,電気自動車は高価なバッテリーの搭載容量が大きいことから車両価格が高くなり,さらには長い充電時間や充電設備の普及などの課題も有している。その一方で,エンジンとモータを組み合わせたハイブリッド車両が
専門家とはどういう人を指すのかを考えることがある。大学の教授や博士の学位取得者などは高度な専門家と言えるだろう。しかし,企業のなかで専門家と言えば多くの問題解決を担当した経験とたくさんのケーススタディを実践した指導者のイメージがある。私は電気工学の卒業生でもないし,
紙ポスターやPOPは情報を視覚的に伝達するうえで効果的な媒体である。近年では,液晶やLEDを用いたデジタルサイネージの普及が進んでいるものの,紙ポスターも依然として根強く利用されている。しかし,紙ポスターは貼り替えに多くの手間がかかり,労働力不足が深刻化する
東北支部山形支所の現状
現在,東北支部山形支所の活動を担う構成校は山形大学と鶴岡工業高等専門学校の2校であり,山形大学が幹事校となり活動している。鶴岡工業高等専門学校は創造工学科電
はじめに
中国支部は,岡山,島根,鳥取,広島,山口の5県に在住する会員によって構成されており,会員数は2025年3月末で745名となっている。
論文誌目次
技術報告要旨
学会だより
求人
編集後記/奥付
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