2024年は,多くの新制国立大学で創立75周年を迎える。また,各大学のルーツ校に遡れば,ほぼ創基150周年であろう。この意味で,今年は新制大学にとって節目の年であり,人口減の社会に入った我が国の状況を考えれば,これから先の大学の在り方を考えるタイミングと言え
1.はじめに
このたび,会員の皆様のご推挙により,電気学会の第111代会長を拝命いたしました。これから1年間,会員の皆様と共に電気学会の発展のために力を尽くして行く所存です。会員の皆様のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
1.はじめに
2020年10月に日本政府が提唱した「カーボンニュートラル」の実現に向け,民生品,モビリティ,そしてインフラにわたる広い範囲で蓄電技術が鍵を握っている,と筆者は考えている。ここでの「蓄電技術」は蓄電デバイスとシステムに分類され,さらに蓄電デバイスは大きく分けて化
1.キャパシタとは
キャパシタというと電気,電子回路で多数使われているアルミ電解キャパシタや積層セラミックキャパシタのような誘電体を用いて静電的に電荷を蓄える,いわゆるコンデンサをイメージしがちだが,ここでは蓄電池の用途に近い使われ方をする桁違いに大きな電気容量をもつキャパシタ
1.はじめに
車の電動化を進めるにあたり,蓄電デバイスの開発は避けては通れないテーマである。現在,リチウムイオン電池(LIB)が主に採用され,航続距離を増やすべくさらなる高エネルギー密度化の研究開発が盛んに行われている。LIBは現存電池の中で最も高エネルギー密度であり,航続
1.はじめに
本稿で述べるキャパシタとは,回路用コンデンサではなく,短時間で大きなエネルギーを繰り返し充放電できる電気二重層キャパシタ(以下,EDLC)のことである。車両の電動化における駆動用のメイン蓄電池はリチウムイオン電池(以下,LiB)が当面主役を務め,EDLCはLiBの機
1.はじめに
国内外において太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの電力系統への連系が進んでいるが,そのような分散型電源は慣性を持たないため,あまり大量に導入されると電力の品質(電圧や周波数)悪化をもたらし,電力系統の安定性にも影響を与える。そこで,電力系統の慣性不
1.はじめに
再生エネルギーの導入拡大により,慣性問題に関する関心が高まっている。慣性問題とは,再生エネルギー導入により慣性を持つ同期発電機が減少し,系統安定度が低下する問題である。慣性不足への対策として,ヨーロッパでは,出力抑制,RoCoF要件変更,疑似慣性,同期調相機
1.はじめに
電気自動車の駆動方式や,情報機器の電源にパワーエレクトロニクス回路が数多く使用されており,近いうちに電気エネルギーの8割がパワーエレクトロニクスを介して利用されると言われている(1)。
パワーエレクトロニクス回路の一例として電気自動車な
ヨーロッパや中国を中心とする電気自動車(BEV)の普及促進により,モビリティの電動化が進んでいる。一方,クルマの電動化には充電インフラの在り方や蓄電池の性能・コストなど課題も残っており,簡単には普及しないという声もある。
1.はじめに
PC(Personal Computer)は,普段の生活で利用しない日がないほど普及している。PCの利用は目に見える範囲に留まらず,多くの自動車や鉄道の中でPCが活躍している(1)。それらの産業用途で利用されるPCは,産業用PCと呼ばれ,一般用PCとは区別されて流通していることが
電気専門用語集No.21送電線路を改正・発行した。この専門用語集No.21送電線路は,IECにおいてTC1(電気技術用語)「架空電線路」が集約されつつある状況から,送電関係の専門用語の整理,統一を図るとともに国際関連規格との整合を図るため,IEC,CIGRE,JEC等の標準に