近年の著しい技術革新に伴い,科学技術の在り方と,その社会的役割について新しい問題が提起され,人類の繁栄に貢献し得るような実践的・創造的能力を備えた指導的技術者の養成が強く求められています。
長岡技術科学大学は,このような社会的要請に応えるた
1.はじめに
経済産業省の報告書によると,国内のロボット市場は,2025年に5.3兆円,2035年には9.7兆円になると予測されており,製造分野以外でのサービス分野の伸びが特に著しいと予
1.はじめに
(国研)宇宙航空研究開発機構(以下,JAXA)にて航空機の電動化研究に着手した2004年頃では予測できなかった現在の大きなトレンドが二点ある。一つは垂直離着陸機の電動化,もう一つは旅客機の推進系電動化であるが,これらの実現に必要となる要素技術の進歩は予想を超えて早
1.はじめに
地球温暖化ガス削減は今やあらゆる産業での喫緊の課題となった。輸送業界では自動車や電鉄が温暖化ガス削減の取り組みを牽引している。昨今,航空機でもその動きが加速し,代替燃料の検討と並行して電動化による高効率化の研究が進められている(1)。電動化には,これまで進められ
1.航空機システムへのモータ実装の歴史
航空機のシステムにモータの実装が最初に検討されたのは1984年のことであった(1)。当時のアメリカの空軍研究所が輸送機であるC-141の翼(エルロン部分)に270V駆動のDCモータを電動アクチュエータとして組み込み,翌年に飛行試験を行っている。その後,電気自動車のパ
1.はじめに
国際民間航空機関(International Civil Aviation Organization:ICAO)が掲げる「2050年に航空機から排出されるCO2を実質ゼロにする」長期目標(Long Term global Aspirational Goal:LTAG)を実現するため,さまざまな革新的技術の研究開発が航空機産業界で進められている。
1.はじめに
航空機関係の産学官(産:航空会社・航空機/エンジン/装備品メーカ・航空燃料/素材および部品などの供給業者,学:大学・研究機関,官:政府・省庁・関係機関など)は,2050年のカーボンニュートラル(CO2排出量ネットゼロ)実現に向けて,さまざまな活動を実施してい
1.航空脱炭素化に向けた取り組み
国際的な脱炭素社会の潮流の中で,航空の脱炭素化に向けては,国際民間航空機関(ICAO)が2050年までに国際航空分野のCO2排出量を実質ゼロにすることを目標としており,各国が各方面で航空の脱炭素化に向けた取り組みを進めている。我が国では,2020年10月に内閣総理大
1.はじめに
地球温暖化対策としての「カーボンニュートラル」はグローバルな課題であり,化石燃料からの脱却と省エネの変革のカギとなるのがモビリティ分野における電動化技術である。一般に,モビリティとは人の移動やモノの輸送を担う手段・手法を指しているが,ここでは電動化分野(eモ
1.はじめに
「スマートハウス」とは文字どおり“賢い(スマート)”住宅のことである。しかし,具体的にどんな住宅なのか?となるとイメージしにくいのではないか。スマートハウスは日本におけるエネルギー政策において重要な位置付けであるとともに,誰もが利用する「住宅」として生活
1.はじめに
近年,2015年に開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)にて掲げられたCO2排出量削減目標の達成に向けて,再生可能エネルギーの利用拡大やエネルギー利用の省電力化が進められている。特に,再生可能エネルギー固定価格買取制度(Feed In Tariff:FIT)