心電図
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24 巻, Suppl2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 平岡 昌和
    2004 年 24 巻 Suppl2 号 p. 3
    発行日: 2004/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 講演1非持続性心室頻拍―治療が必要な場合と必要でない場合―
    池主 雅臣, 鷲塚 隆, 古嶋 博司, 小村 悟, 杉浦 広隆, 広野 崇, 相澤 義房
    2004 年 24 巻 Suppl2 号 p. 5-17
    発行日: 2004/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    非持続性心室頻拍の臨床的意義は病態によって異なるため, リスクの評価と治療法の選択に苦慮する症例も少なくない.非持続性心室頻拍を評価する場合のポイントとして (1) 心機能低下の有無, (2) 基礎心疾患の有無とその種類, (3) 脳虚血症状の有無, があげられる.基礎心疾患にかかわらず心機能が中等度以上に低下した症例の非持続性心室頻拍は予後不良の因子と考えられる.非持続性心室頻拍が独立した危険因子となるか否かについては, 虚血性心疾患では肯定する報告が多いが, 非虚血性心疾患では一定の見解に至っていない.また非持続性心室頻拍のリスク評価における心臓電気生理検査と種々の非侵襲的検査の役割と有用性も基礎心疾患によって異なる.非持続性心室頻拍は無症状のものも多いが, 脳虚血症状を伴う場合には積極的な治療が必要と考えられる.
  • 講演2非持続性心室頻拍における電気生理検査の意義
    松田 直樹
    2004 年 24 巻 Suppl2 号 p. 19-32
    発行日: 2004/03/25
    公開日: 2010/12/10
    ジャーナル フリー
    非持続性心室頻拍 (VT) 例に対する電気生理検査 (EPS) は, 心臓突然死の危険度を評価する方法として重要である.非持続性VTのなかでも, 基礎心疾患を有する, 心機能低下がある, Adams-Stokes発作が疑われる, VTの連発数が多い, 頻拍レートが速い, 加算平均心電図で遅延電位が陽性などの条件を複数満たす症例が, EPSの積極的な適応となる.プログラム刺激と呼ばれる誘発試験により, 容易に持続性VTや心室細動 (VF) が誘発されれば, 将来, 同様の致死性不整脈が発生する可能性があると判断するが, その突然死予測としての意義は, 誘発条件, 誘発された不整脈の種類, 基礎心疾患, 左室機能, 失神の既往の有無などにより大きく異なる.一般に, 単発~3連発早期刺激で誘発される持続性単形性VT, 単発または2連発早期刺激で誘発される持続性多形性VT/VFが有意な所見である, 当施設での基礎心疾患を有する非持続性VT症例155例における平均5.7年の追跡では, これらの不整脈が誘発された例の突然死, 不整脈事故発生率は, 非誘発例に比し有意に高く, これに左室駆出率の低下あるいは失神発作の既往が加わると, その発生率はさらに増加した.欧米での多くのエビデンスにより, 心筋梗塞慢性期におけるEPSの意義は確立している.欧米では, 拡張型心筋症におけるEPSの有用性は否定的な意見が多いが, 我々のデータは, 突然死の長期予測にEPSが有用であることを示している.一方, 無症候性肥大型心筋症におけるEPSの位置づけは明らかではない.
  • 講演3抗不整脈薬と植込み型除細動器の役割; 基礎心疾患に起因する非持続性心室頻拍の治療
    栗田 隆志
    2004 年 24 巻 Suppl2 号 p. 33-43
    発行日: 2004/03/25
    公開日: 2010/12/10
    ジャーナル フリー
    基礎心疾患に起因する非持続性心室頻拍 (NSVT) の治療における最大の懸案はいかに心臓突然死を未然に防ぎ, 患者の生命予後を改善させるかという点に集約される, 抗不整脈薬によってNSVTの頻度が減少すれば, 患者の症状は多少改善するかもしれないが, それがすなわち生命予後の改善に寄与するものではない.CASTはclassIc群による心室性期外収縮 (PVC) の減少が心筋梗塞後の患者の予後をむしろ悪化させることを示し, 我々臨床家に大いなる警鐘を鳴らした.現在のところ, 生命予後を改善させる可能性が示された抗不整脈薬はβ遮断薬とアミオダロンのみである.
    基礎心疾患に起因するNSVTに遭遇したとき, まずは臨床症状が重要である.NSVT中に強い動悸を自覚していたり, 原因不明の失神を有している場合は電気生理検査 (EPS) などによるリスク評価を行い, ハイリスクと判断された場合は植込み型除細動器 (ICD) を中心とした治療方針を立てるべきである.
    NSVTを有するがそれによる症状が軽微かまったくない場合は, まずはβ遮断薬の投与を考慮する.同時に心機能評価を行い, 左室駆出率 (LVEF) が35%未満であればβ遮断薬に対する反応をホルター心電図などで観察する.PVC, NSVTの減少が得られない場合は, アミオダロンの併用を考慮するか, 加算平均心電図, EPSなどによるリスク評価でハイリスクと判断された場合はICDを中心とした治療方針を立てるべきである.
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