心電図
Online ISSN : 1884-2437
Print ISSN : 0285-1660
ISSN-L : 0285-1660
37 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
Editorial
原著
  • 春木 康伸, 山日 千明, 柴田 正慶, 三浦 卓也, 山川 暢子, 福田 康司, 櫻井 聖一郎
    2017 年 37 巻 1 号 p. 5-11
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/11
    ジャーナル フリー
    心房細動(atrial fibrillation : AF)に対するカテーテルアブレーション(radiofrequency catheter ablation : RFCA)後のAF再発判定にホルター心電図が有用であるが,通常の検査期間は24時間であり,十分な判定が行えないこともある.そのため,当院では体外式ループ心電計を用いて判定を行っており,今回その有用性について検討した.2012年11月~2015年4月にAFに対するRFCAを施行し,治療後に体外式ループ心電計を1週間装着した210例を対象とした.装着初日(24時間)のAF検出率と全記録時間(1週間)のAF検出率の比較,日数別のAF検出数を比較した.装着初日のAF検出率は8.6%(18例),全記録時間のAF検出率は16.7%(35例)であった.日数別のAF検出数は,初日は18例,2日目は15例,3日目は13例,4日目は12例,5日目は10例,6日目は15例,7日目は13例であった.1週間の検査は24時間のみの検査に比しAFの検出率が約2倍となることから,RFCAの治療結果をより正確に判定し,適切な診断および治療を提供できるという点で有意義と思われた.AFに対するRFCA後の治療効果の判定には,24時間より長時間記録可能な体外式ループ心電計が有用であった.
  • 川上 大志, 西村 和久, 永井 啓行, 大木元 明義, 飯尾 千春子, 清家 史靖, 東 晴彦, 河野 珠美, 上谷 晃由, 青野 潤, ...
    2017 年 37 巻 1 号 p. 12-22
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/11
    ジャーナル フリー
    【背景】植込みデバイス治療の安全性向上のためには,心臓解剖の習熟と手術手技の修練が不可欠である.本邦でも,手術手技習得を目的としたカダバートレーニング(死体を使った手術研修)が始まっており,今回デバイス植込み手技習得のためのカダバートレーニングを施行したため,報告する.【方法】Thiel固定液で固定された献体を対象とした.解剖室に放射線管理区域を設定し,X線透視を使用できる環境を整えた.実際のデバイス植込みと同様に鎖骨下静脈から心房•心室リードを留置し,その後解剖を行った.【結果】実臨床と同様に鎖骨下静脈からのリード留置が可能であった.しかしながら,非拍動下では心耳の同定が難しく,右心耳へのリード留置は困難であった.リード留置後の解剖では,解剖学的に組織が薄い部位を確認することができた.また,透視では心尖部と思われたリードは実際には心尖部近傍中隔に留置されており,透視上と解剖上の留置部位が異なっていた.真の解剖学的心尖部は,透視のみでは把握困難と考えられた.【結語】カダバートレーニングは心臓の構造を理解し,手技の安全性を向上させるうえで有用であると考えられた.
症例
  • 大谷 龍治, 山下 理子, 陳 博敏, 當別當 洋平, 米田 浩平, 泉 智子, 宮島 等, 安岡 辰雄, 小倉 理代, 弓場 健一郎, 高 ...
    2017 年 37 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/11
    ジャーナル フリー
    症例は27歳の男性.睡眠中の頭痛と胸痛を訴えて救急外来を受診した.失神症状はなく,不整脈の既往や突然死の家族歴もなかった.12誘導心電図検査で右側胸部誘導にcovedタイプのST上昇(type 1 ECG)と,下壁誘導(II,III,aVF)に明瞭なJ波を認めたが,器質的心疾患は否定的であった.1ヵ月後に心静止を生じ,蘇生処置に反応なく死亡した.病理解剖では,両心室の厚さの不均一性,軽度の心筋肥大,左室前壁と下壁,右室心尖部および右室流出路周囲の心外膜側に脂肪変性を認め,血管周囲を架橋するような心筋束が確認された.また,右室流出路に近い心外膜に多核白血球を含む炎症細胞浸潤が見られ,これらの所見はBrugada症候群の病理組織像として矛盾しないものと考えた.
これだけは知っておきたい!
忘れえぬ心電図
私の本棚
モデル解析の交差点
feedback
Top