心電図
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19 巻, 6 号
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  • 児玉 逸雄
    1999 年 19 巻 6 号 p. 649-650
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 丹野 郁, 安達 太郎, 河村 光晴, 劉 俊昌, 浅野 拓, 品川 丈太郎, 小原 千明, 武山 純一郎, 宮田 彰, 馬場 隆男, 小林 ...
    1999 年 19 巻 6 号 p. 651-660
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    1994年にRosembaumらは, 肉眼では判別できないmicrovoltlevelのT波の交互変化 (Twave alternans: 以下TWA) とEPSにおけるVT/Vfの誘発率, および20カ月間の経過観察による心室性頻脈性不整脈の出現とは有意な関連があることを報告した.我々は同様のシステムを使い, 心室頻拍が確認されている症例を対象として, TWAの臨床的有用性を検討した.対象は心室頻拍を有する患者23人を含む100人の患者で, 70~120/分の心房ペーシングによるTWAを測定した.TWA陽性36例, 陰性56例, 判定不能8例, 陽性36例中心室頻拍は18例 (50%) で, TWAはVTの予測因子として感度81.8%, 特異度74.3%であった, VT群ではTWAが出現し始める心拍数, およびその心拍数の目標心拍数に対する割合がVT (-) 群に比し有意に低値であった.
  • 土信田 伸夫, 平尾 見三, 山本 直人, 鈴木 文男, 比江嶋 一昌
    1999 年 19 巻 6 号 p. 661-669
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, イヌ心臓に誘発される房室結節エコー (AV Nodal echo=AVNe) に関する電気生理学的所見およびAVNeに対する右房前中隔fast pathwayアブレーション効果より, イヌAVNeの旋回回路の電気生理学的および解剖学的多様性の有無, ヒトAVNRTとの関連性について検討を加えることである.【方法】麻酔開胸犬16頭において, 針電極を右心耳, 冠状静脈洞開口部付近 (CSos) , 右心室基部に刺入した.また大腿静脈より挿入した電極カテーテルをヒス東電位記録部位 (HBE) に留置した.洞房結節挫滅後, 心室プログラム刺激を実施し, AVNeの誘発の有無を検討した.この際AVNe出現時の心房exit部位よりAVNeの分類をした.続いて前方exit (=fast AVnodal pathway) のアブレーションのため, 右房前中隔部の心外膜側で, 大きな心房電位と小さく鋭いヒス東電位が記録される部位に電極力テーテルを留置し, 高周波通電を行った.再度心室刺激を実施し, アブレーションのAVNeに対する効果について検討を加えた.【結果】室房伝導は全16頭に存在した, 高周波通電により∬~皿度房室ブロックが誘発された3頭を除く13頭において, PR間隔は有意に延長し (115±13msec: 115±16msec, p<0.01) , fast pathwayアブレーションに成功した.この13頭についてAVNeに対するアブレーション効果を検討した.アブレーション前13頭中12頭において誘発されたAVNeは, エコー出現時の最早期心房興奮部位より前方型 (6頭) , 後方型 (6頭) に分類された.ヒス東電位記録部位が心房exitの前方型AVNeは全6頭において, アブレーション後誘発不能に, 冠状静脈洞開口部が心房exitの後方型AVNeは6頭中3頭においてアブレーション後エコー波は誘発不能となり, 3頭ではエコー波は残存した, 【結論】イヌ心臓に誘発されるAVNeは心房exit部位より電気生理学的に前方型, 後方型の2型に分けられ, 前方型AVNeではそのリエントリー回路はfast pathway (右房前中隔領域) を含むが, 後方型AVNeの一部ではその領域を回路に含まない例も存在することが示唆され, AVNeの型によりその解剖学的回路が異なる可能性が示唆された.
  • 清水 昭彦, 山縣 俊彦, 上山 剛, 早野 智子, 大村 昌人, 田村 健司, 木村 征靖, 板垣 和男, 松崎 益徳
    1999 年 19 巻 6 号 p. 670-678
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    今回我々が新たに使用した方法で得た心房電位波形の自己相関関数Rx (τ) が, 心房粗動 (AFL) および細動 (AF) 中の心房電位間隔周期に対してどのように反映しているかを検討するために, AFLおよびAF中のRx (τ) と心房電位間隔ヒストグラムを比較した.方法: 電気生理学的検査中に記録されたAF4エピソードとAFL6エピソードの心房電位波形データを新たに作成したプログラムソフトを用いて汎用情報解析プログラム用に変換後, 90<τ<250msecのRx (τ) と心房電位間隔の2msec間隔ヒストグラムを求めた.Rx (τ) の最大ピークパターンの大きい順にtypeI, II, IIIの3つに分類した.結果: AF1中のRx (τ) にて, τ=0から次に最大Rx (τ) を示した時 (=R値) のτ (=τ値) は, ヒストグラムのピーク値と有意な正相関 (r=1.0) を示した.AFのRx (τ) はヒストグラムに類似し, typeI, IIのτ値は, ヒストグラムのピーク値と有意な正相関 (r=0.9以上) を示した.AFのτ値 (157±26msec) は, AFL (228±34msec) より有意に短く, AF中のR値 (0.092±0.062) は, AFL (0.547±0.173) より有意に低値を示した.結論: 今回我々が使用した方法で得たAFL中の心房電位波形の自己相関関数から得られたR値が正確に粗動周期のピークを反映していたことから, この方法で得られたR値およびτ値は, AF中の心房電位間隔の特徴付けに有用と考えられた.
  • 三橋 武司, 家坂 義人, 合屋 雅彦, 高橋 淳, 岡本 美弘, 戸梶 秦伸, 伊達 太郎, 後藤 昌計, 田中 千博, 雨宮 浩, 藤原 ...
    1999 年 19 巻 6 号 p. 679-685
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    冠静脈洞内通電を要する後中隔副伝導路症例 (CS-ACP) の心電図所見として五誘導の陰性デルタ波 (-△) の存在が指摘されている.今回CS-ACP症例 (5例) と右後中隔 (RP-ACP) 症例 (17例) , 左後中隔 (LP-ACP) 症例 (7例) との安静時および心房頻回刺激 (AP) 時の12誘導心電図を解析し, 対比検討した. (1) II誘導で-△を示した症例は8例 (CS-ACP: 2例, RP-ACP: 5例, LP-ACP: 1例) で, 感度 (ST) 40%, 特異度 (SP) 78%であった, (2) V2誘導のR/S比はLP-ACPは全例1以上であったが, RP-ACPでは1以上を示したのは2例のみ (13%) で, CS-ACPでは4例 (80%) が1以上を示した. (3) 安静時V2誘導のR/S比が1未満をRP-ACPと診断し, 1以上の症例に対しII誘導の-△の存在によりLP-ACPおよびCS-ACPを診断するとそれぞれのST, SPおよび陽性診断率はRP-ACP: 88%, 92%, 94%, LP-ACP: 86%, 82%, 60%, CS-ACP88%, 92%, 67%であった. (4) 中心静脈から通電した症例ではAP時V6誘導のR/S比が1未満を示した.CS-ACPを安静時心電図のみで診断するのは必ずしも容易ではなく, AP時の所見も加味する必要があると考えられた.
  • 土屋 勝彦
    1999 年 19 巻 6 号 p. 686-693
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    急性期心筋梗塞例のQRS区間内微小高周波成分の変動をオーバーサンプリング法により検出し, 非加算処理により解析を行った.対象は急性心筋梗塞20例の急性期および亜急性期とした.急性心筋梗塞の急性期から亜急性期の経過において, QRS区間内のピーク電位強度の変化, 160Hz, 200Hzおよび400HzにおけるQRS区間内高周波電位の時間積分値の変化, 高周波ピーク電位数の変化を測定した.この結果, ピーク電位強度, 各周波電位の時間積分値の変化を伴わずにピーク電位数の増加を認めた.心筋梗塞急性期において新たに形成されたピーク電位は, 心筋の高周波電位の起電力が経時的に保持されるものの, ピーク数が経時的に変化 (増加) することを意味し, 心筋梗塞の急性期において心筋興奮伝播過程に変化が生じることが推察された.
  • 斎藤 靖浩
    1999 年 19 巻 6 号 p. 694-700
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    拡張型心筋症 (DCM) 患者のボルター心電図記録から心拍変動解析を行った, 得られたLF・HFにMem Calcシステムを用いた最小2乗フィツティングを行い, 周期, 振幅, 頂点位相, 水準値の日内変動指標を求め, 病態との関連を評価した, 結果: (1) DCMでは, 健常対照群に比しHF・LFの24±4時間周期の消失例や頂点位相の異常を示す例が有意に多かった, (2) DCMでは, 対照群に比しHF・LFの水準値が有意に低く, HFの振幅が有意に小であった. (3) 多変量解析によるVTの有無の検討で, HFの頂点位相の昼間帯移行に関連があった. (4) DCMの死亡群は, 生存群に比しLFの水準値は有意に低かった.Coxの比例ハッザード回帰による心臓死に対する予後予測で, LFのrhythm異常が有意に心臓死と関連があった.以上よりLF・HFの日内変動指標が, DCMのVT発生や予後予測の指標となる可能性が考えられた.
  • 中井 俊子, 渡辺 一郎, 小牧 宏一, 高橋 義和, 近藤 一彦, 小島 利明, 國本 聡, 渡部 弘美, 梶田 潤一郎, 柳川 新, 斎 ...
    1999 年 19 巻 6 号 p. 701-706
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    長期間持続する頻脈に基づく左心機能障害がtachycardia-induced cardiomyopathyとして近年注目されている.本疾患の原因となる不整脈として報告されているものはほとんどが慢性, あるいは繰り返す上室性不整脈である.今回著者らは左心室収縮能が著しく低下し拡張型心筋症と診断され, 頻発する心室期外収縮 (PVC) および非持続性心室頻拍 (NSVT) を有する症例に対してアミオダロンの投与を行い, 不整脈数が著明に減少すると同時に左心室収縮能が著明に改善した1症例を経験した.症例は53歳の男性で約15年前より, 拡張型心筋症, PVC, NSVTと診断され心エコー上, 壁運動は全周性に低下していた.頻発するPVC, NSVTに対し, Ia群およびIb群抗不整脈薬を投与したが無効であったため, アミオダロンを使用したところ不整脈数が減少するとともに, 心機能も著明に改善した.
  • 田中 茂夫
    1999 年 19 巻 6 号 p. 707-715
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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