AUDIOLOGY JAPAN
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44 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 2001 年 44 巻 1 号 p. 1-37
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 立木 孝, 亀井 昌代
    2001 年 44 巻 1 号 p. 38-45
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    オージオメトリーが発達した現在, 音叉が聴力検査に用いられることは稀となった。 音叉は不要, という考えを持つ人もいる。 そのような観点から, 音叉聴力検査について総説した。 著者自身の音叉による聴力検査の成績を述べながら, この問題に関する文献を調査してその動向を説明した。 その結果聴力検査機器としての音叉のすぐれた特徴から, 電子機器の進歩にも拘わらず, 音叉による聴力検査, 特にWeber, Rinne, Schwabachの三つの検査法は捨てられないと述べた。
  • 沈 衛東, 加我 君孝, 上野 照剛
    2001 年 44 巻 1 号 p. 46-53
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ラットの頭部に経頭蓋法で頻度25Hzで30発の連続パルスを一単位とし, 合計2010発の磁気刺激を与え, その前後でABRとMLRを記録し, 磁気刺激による影響の有無を調べ, さらに脳への影響を組織学的に調べた。 結果は以下の通りである。 1) けいれん発作は誘発されなかった。 2) ABRとMLRには波形も閾値にも変化を認めなかった。 3) 脳組織には光学顕微鏡レベルでは組織学的変化を認めなかった。 以上より脳および蝸牛には磁気刺激の影響を認めなかった。
  • 牧嶋 知子, 東 芳, 中条 恭子, 山下 道子, 中川 尚志, 小宮山 荘太郎
    2001 年 44 巻 1 号 p. 54-59
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    外来患者におけるミトコンドリア遺伝子変異について調べた。 160名中A1555G変異が1名, A3243G変異が4名, A7445G変異が0名, 7472insC変異が0名であり, 難聴者全体の約3%に何らかのミトコンドリア遺伝子変異があった。 このうち, A1555G変異の患者は片側性の進行性の難聴とめまい症状を示し非典型的であった。 A3243G変異の患者は各々発現している症状が異なり, 一定していなかった。 また, 家族歴が認められたのは1例のみであった。 さらに多数の症例を集め, 各変異点による特徴を検索する必要があると考えられた。
  • 小川 郁, 井上 泰宏, 新田 清一, 熊埜御堂 浩, 井出 里香, 神崎 仁
    2001 年 44 巻 1 号 p. 60-65
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    難聴が進行し, 高度難聴をきたした急性低音障害型感音難聴 (ALHL) の2症例を提示した。 2症例の臨床的特徴をまとめると, 2症例とも中年男性であり, 当科受診時, いずれも阿部の規準でもALHLと診断される軽度の感音難聴を示したが, グリセロールテストは陰性であった。 また, MRIやABRでは後迷路性難聴を疑う所見を認めず, 難聴悪化時に行った誘発耳音響放射検査, 歪成分耳音響放射検査でも反応が得られなかったことから, 内耳性難聴と考えられた。 グリセロールテスト所見と難聴の進行様式から蝸牛型メニエール病とは異なる病態が推測された。 自己免疫的病態も推測されたが, ステロイド剤に対する反応は不良であり, いわゆるステロイド依存性難聴とも異なる経過であった。 以上の結果より難聴進行の原因や病態を明らかにすることはできなかったが, ALHLの病態を明らかにするためには, 今後, 今回の症例のような非典型例の検討も必要であると考えられた。
  • 新居 康彦, 疋田 和彦, 米本 清
    2001 年 44 巻 1 号 p. 66-72
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    難聴者にとって, 子供の声や女性の甲高い声は聞き取り難いと言われている。 本研究では, 補聴器装用時に声の高さによって単語了解度がどのように変化するかについて検討した。 補聴器評価用の3音節単語, および女性の甲高い発声で収録した音韻バランス3音節単語を信号処理して声の高さの異なる数種類の評価音声を制作し, 加齢による感音性難聴者11人を対象に聞き取り評価を行った。 その結果, 甲高い声を低い声に変換すると被験者 (補聴器装用) 全員の了解度が改善され, 被験者に共通して声の高さに聞き取り易い範囲があると考えられた。 周波数変換処理は了解度の改善に有効であるが, 声質も同時に変化するため変換率を適切に制限する必要があること, また, 聴力検査に使用する音声についても声の高さに留意すべきことを示唆した。
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