本論文では,中心周波数可変バンドパスフィルタ(BPF)の中心周波数チューニング後に帯域内通過特性が劣化する問題を解決するため,入出力整合補償回路を有する中心周波数可変3段インターディジタル結合共振器BPFを提案した。帯域内通過特性の劣化の原因は中心周波数チューニング後に外部Q (Q
e)と共振器の共振周波数が設計値からずれるためである。提案する入出力整合補償回路はQ
eと共振器の共振周波数を入出力部だけで所望の帯域内通過特性が得られるよう調整できることをシミュレーションによって示した。設計した3段BPFを試作および測定した結果,入出力整合補償回路を用いることで,帯域内通過特性の劣化なしに中心周波数を4.98~3.78 GHz (27.3%)までチューニングできることを実験的に確認した。
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