プリント配線板に電解液を滴下して電圧を印加すると, 漏れ電流が流れ, この電流によって基板表面が劣化する。電解液の滴下数を増やしていくと, ドライバンドの形成とシンチレーションとが繰り返し起こって, ついには絶縁破壊に至る。さらに, 直流磁界を印加した場合には, 印加磁界と電界との相対的角度によって絶縁破壊までの滴数に影響が現れている。相対的角度が0および180度の場合に比べて, 相対的角度が約270度の場合では, 絶縁破壊が起こりやすくなり, 約90度の場合は, 絶縁破壊が起こりにくくなる。これは電磁力により電解液による電極間の濡れ面積, 試料表面の漏れ電流, 電解液の蒸発速度, 乾燥帯の形成および放電発生の確率が変わるためと考えられる。
抄録全体を表示