日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
33 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • マーフズ ルトウフィD., 林 國興, 池田 睦, 浜田 幸一郎, 大塚 彰, 冨田 裕一郎
    1996 年 33 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ブロイラーの飼料として焼酎粕(SDBP)を有効に利用することを目的として3回の実験を行った。実験1では,12日齢ブロイラー雛にSDBP(水分94.2%)を0.7, 1.4.および,2.3%を含む飼料を自由摂取させた。実験2では,6日齢ブロイラー雛に,SDBP 0.7%, SDBPを遠心分離した上清1.4%, SDBP,エーテル抽出物0.14%およびエーテル抽出残渣0.28%を含む飼料を与えた。実験3では,12日齢ブロイラー雛にSDBPエーテル抽出物0.05%を含む飼料を与えた。基礎飼料(対照飼料)は,トウモロコシと精製大豆タンパク質を主原料とする粗タンパク質含量23%, ME 3,200kcalの飼料である。実験1では,SDBP 0.7%を含む飼料を与えたとき,増体量と飼料摂取量が有意に高くなった,しかし,SDBPのレベルが増加するにつれて成長促進効果は減少した。実験2では増体重は,SDBP, SDBP上清,SDBPエーテル抽出物区で増加の傾向を示したが,エーテル抽出残渣区では,変化は見られなかった。飼料要求率は,対照区に比べ,SDBP上清区で有意に低くなったが他の区では差がなかった。実験3では,実験2と同様の結果が見られ,SDBPエーテル抽出物を含む飼料を与えたとき,有意に成長が促進され,飼料要求率は低くなった。本実験の結果は,SDBPにはエーテル可溶性の成長促進因子が含まれていることを示唆している。
  • 近藤 康博, 田淵 龍夫, 斉藤 浩史, 田辺 昭
    1996 年 33 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    孵化時から24週齢までのニワトリヒナにおけるファブリシウス嚢(BF)の組織構築の動態をfollicle-associated epithelium (FAE)叢の数,リンパろ胞サイズとリンパろ胞密度を指標にして追究した。同時に3週齢時に投与されたテストステロン(TES)と孵化時に投与されたシクロホスファミド(CY)がこれらの数値に与える影響についても調査した。炭素の取り込みによって測定されたFAE数はヒナの成長に伴って6週齢までは増加したがその後減少した。一方,リンパろ胞の密度とサイズから推定されるリンパろ胞数は8週齢以降においても少なくとも22週齢以前にはあまり変化しないと思われた。以上の結果は貪食能力によって測定されるBFのFAE数は必ずしもリンパろ胞数を反映しないことを示している。大量のTES投与によってBF表面の炭素を取り込む細胞は失われたがリンパろ胞は残存した。リンパろ胞が観察される間はFAEが存在することが組織化学的に証明されており,本研究における6週齢以降のFAE数の減少はこれらの細胞の貪食能力の低下に起因している可能性が示唆された。CYはFAEに対して一過性の影響を与えた。この結果はFAEがそれ以外の上皮とは異なる成分であることを支持している。
  • 藤井 信, 鈴木 満, 芳野 いづみ, 樋口 徹郎, 眞中 学, 青木 孝良, 福永 隆生, 楠田 潤, 佐伯 武頼, 杉元 康志, 菅野 ...
    1996 年 33 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    我々はニワトリ肝細胞の初代培養法について,炭酸ガスインキュベーターを使用せずに通常の空気インキュベーターを用いる簡便な方法を確立した。これは肝細胞を通常のコラゲナーゼ潅流法で調製し,通常の空気インキュベーター中で,30mM Hepes-NaOHでpH7.8に調整した5%血清(ニワトリあるいは仔牛血清)-L-15培地を用いて蒔込み,3時間後に無血清培地に交換して長期間培養するものである。ニワトリ肝細胞はこの弱アルカリ性の無血清培地で接着•伸展し,10日間程度容易に維持できた。このような条件で培養した肝細胞は肝特異的機能の1つであるアルブミン合成能を,特に培養後期(8日目以降)に強く発現することが確認され,肝特異的機能の1つであるアルブミン生合成能を発現している肝細胞実験系として有用であることが示された。
  • ルック キィウミン, 三好 俊三, 鈴木 三義, 光本 孝次
    1996 年 33 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    卵黄•卵白比の高および低方向に選抜育種された二系統の490羽を用い,放卵時間を4つの時点(各々,約30日間)で調査し,1,498個の記録を本研究で用いた。クラッチ内の放卵時刻のずれの平均(LAG)およびクラッチ間の休産日の遅れの平均(DELAY)はmultiphasicモデル(LUC et al.; 1995)で推定した。分析に用いた他のクラッチ形質は卵墜率(IP),クラッチ数(CN),クラッチ長(CL)およびクラッチサイズ(CS)である。遺伝率はsire-dam nestedモデルによる分散分析および父親内母娘回帰から推定した。
    LAGの平均は,高系統で1.04時間が推定され,低系統の1.32時間より有意に短いものであった。また,LAGの遺伝率は高系統で父親成分から0.41,全きょうだい成分から0.32および回帰から0.62が推定された。低系統では,それぞれ,0.55, 0.51および0.62が推定された。一方,DELAYの遺伝率は両系統で零に近い値が推定された。また,DELAYとIPを除き,推定された遺伝率は低系統が高い傾向にあった。
  • 鈴木 敏彦, 楠原 征治
    1996 年 33 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ウズラ尾腺におけるアンドロジェンレセプターの局在を免疫組織化学的に検討した。その結果,アンドロジェンレセプター抗体に対する免疫反応は,尾腺分泌小管の基底細胞層および移行細胞層の細胞の核にみられ,尾腺がアンドロジェンの支配下にあることが示唆された。
  • 菅原 邦生, 久保 辰雄
    1996 年 33 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    Two experiments involving comparative slaughter procedures were conducted to see if the decrease in total energy retention (ER) resulted from the decreased food intake in growing chicks fed on a diet containing isoleucine less than its requirement. Ad libitum feeding a diet containing 3.0g of isoleucine/kg (50% deficiency) decreased food intake, body weight gain, apparent metabolizable energy (AME) intake, ER, and ratio of ER/AME intake. When both the control diet and the diet containing 3.0g isoleucine/kg were tube-fed at the high and low levels of food intake (218.5 and 74.8g/chick/14 days, respectively), body weight gain significantly lower in chicks on the low-isoleucine diet than in the control chicks at each level of intake. Energy retained as protein was significantly decreased by the low-isoleucine diet and reducing food intake. Energy retained as fat was affected by food intake but not by dietary isoleucine level. Energy retention was unaffected by dietary isoleucine level and depended on AME intake alone. No main effect of dietary isoleucine level on the ratio of ER/AME intake or heat increment by feeding was observed but significant interactions between isoleucine and food intake effects were detected in both the criteria. These results indicate that the decreased ER in chicks fed on the low-isoleucine diet was due mainly to the decreased food intake and not to the decreased efficiency of AME utilization.
  • 新里 玄徳, 秋好 禎一, 田代 義信, 新城 明久, 古田 賢治
    1996 年 33 巻 1 号 p. 40-43
    発行日: 1996/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ブロイラーの飼育管理作業に使用した作業靴の細菌汚染を紫外線照射により除去し,先に報告した実験結果を検証した。
    使用後の靴の底,踵,爪先及び脛から検出された1cm2当りの平均細菌数は104.5, 104.6, 104.0及び103.2で,水洗により平均菌数は102.1-103.2に減少した。紫外線の照射量を104.5J/m2とすると照射後に検出された平均菌数は101.0/cm2以下となった。照射量が104.75J/m2以上とすると測定検体数222のうち212検体(95.5%)から検出された菌数は101.0/cm2以下となったが,他の10検体(4.5%)から101.0-101.7/cm2の範囲の菌が検出された。これらの成績は前報に記載した結果とほぼ同じであった。また,水洗を省いて105.2J/m2以上の紫外線を照射したところ靴の底,踵,爪先及び脛から検出された平均菌数は102.1-103.2/cm2の範囲にあり,水洗した作業靴に比べ除去される菌数が著しく少なくなることも明らかとなった。
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