ブロイラーの飼料として焼酎粕(SDBP)を有効に利用することを目的として3回の実験を行った。実験1では,12日齢ブロイラー雛にSDBP(水分94.2%)を0.7, 1.4.および,2.3%を含む飼料を自由摂取させた。実験2では,6日齢ブロイラー雛に,SDBP 0.7%, SDBPを遠心分離した上清1.4%, SDBP,エーテル抽出物0.14%およびエーテル抽出残渣0.28%を含む飼料を与えた。実験3では,12日齢ブロイラー雛にSDBPエーテル抽出物0.05%を含む飼料を与えた。基礎飼料(対照飼料)は,トウモロコシと精製大豆タンパク質を主原料とする粗タンパク質含量23%, ME 3,200kcalの飼料である。実験1では,SDBP 0.7%を含む飼料を与えたとき,増体量と飼料摂取量が有意に高くなった,しかし,SDBPのレベルが増加するにつれて成長促進効果は減少した。実験2では増体重は,SDBP, SDBP上清,SDBPエーテル抽出物区で増加の傾向を示したが,エーテル抽出残渣区では,変化は見られなかった。飼料要求率は,対照区に比べ,SDBP上清区で有意に低くなったが他の区では差がなかった。実験3では,実験2と同様の結果が見られ,SDBPエーテル抽出物を含む飼料を与えたとき,有意に成長が促進され,飼料要求率は低くなった。本実験の結果は,SDBPにはエーテル可溶性の成長促進因子が含まれていることを示唆している。
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