日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
33 巻, 5 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 古瀬 充宏
    1996 年 33 巻 5 号 p. 275-285
    発行日: 1996/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 崔 洋豪, 大野 菜奈子, 奥村 純市, 古瀬 充宏
    1996 年 33 巻 5 号 p. 286-291
    発行日: 1996/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    一酸化窒素合成酵素の阻害剤を末梢あるいは中枢に投与するとニワトリの摂食行動を抑制することを我々は既に報告した。このことは一酸化窒素がニワトリの摂食行動を促進する可能性を示唆する。本研究においては末梢における一酸化窒素が摂食量に及ぼす影響について調査した。一酸化窒素合成酵素の基質であるL-アルギニンを絶食下あるいは再給餌条件下で,腹腔あるいは経口投与した。摂食量は抑制されるか,もしくは影響を受けなかった。一酸化窒素の自発的発生剤であるニトロプルシドナトリウム塩あるいは一酸化窒素合成酵素の補因子であるテトラヒドロビオプテリンを投与しても摂食量の亢進は起こらなかった。これらの結果より,末梢における生理的水準以上の一酸化窒素はニワトリの摂食量を調節する因子として重要ではないことが明らかとなった。
  • 高橋 秀彰, 韮澤 圭二郎, 古川 力
    1996 年 33 巻 5 号 p. 292-299
    発行日: 1996/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    CAの単純繰り返し配列を代表とするマイクロサテライトDNAをマーカーに用いた遺伝子解析が,哺乳動物において盛んに行われている。しかしニワトリにおいては,遺伝子解析に必要なマイクロサテライトDNAマーカーが少なく,それをマーカーに用いた遺伝子解析の結果も少ない。また,ニワトリのマイクロサテライトDNAの1ゲノム中のコピー数は,哺乳動物の約10分の1と少ないため,哺乳動物用に開発されたマイクロサテライトDNAの単離法をそのままニワトリへ応用しても,新たなマイクロサテライトDNAマーカーの単離の効率は非常に低い。そこで,ニワトリのマイクロサテライトDNAの効率的な単離法の開発を行った。ニワトリ赤血球からゲノムDNAを調製し,制限酵素で切断後,アガロースゲル電気泳動を行って,300~500塩基対のDNA断片を回収した。DNA断片を脱リン酸化した後,プラスミドベクターpCR-Script SK (+) (Stratagene)にライゲーションした。大腸菌XL1-Blue MRF'に形質転換し,ヘルパーファージを感染させて大腸菌を培養した後,培養上清からファージを回収した。大腸菌のDNAとRNAの混入を防ぐ目的で,回収したファージにDNase IとRNase Aを作用させた後,常法に従って一本鎖プラスミドDNAを調製した。CAリピートを含むクローンを選択する目的で,調製した一本鎖プラスミドDNA,5'末端をリン酸化した(CA)10オリゴヌクレオチド,dNTPミックス,pfuポリメラーゼを混合し,高温下でプライマー伸長反応を行って二本鎖DNAを合成した。T 4 DNAリガーゼを作用させて二本鎖DNAを閉環させた後,一本鎖DNA特異的分解酵素Mung beanヌクレアーゼを作用させて,閉環状二本鎖プラスミドDNAを選別した。それを大腸菌XL1-Blue MRF'に形質転換し,寒天培地に展開した。得られたクローンをランダムに拾い,プラスミドDNAを抽出し,シーケンス解析を行った。(CA)10オリゴヌクレオチドをプローブに用いたドットハイブリダーゼーションによるスクリーニングにおいて,約70%のクローンが陽性を示した。シーケンス解析の結果,陽性クローンは全てCAリピートを含んでおり,平均CAリピート回数は13.1回であった。これらの結果から,今回の方法はニワトリでこれまでに報告された単離法に比べて,約6倍効率的であることが確認された。
  • 小川 博, 桑山 岳人, 田中 克英
    1996 年 33 巻 5 号 p. 300-304
    発行日: 1996/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ホロホロチョウにおける卵の急速成長期の長さを明らかにしょうとして,Sudan Red 7 B及びSudan Black B添加飼料を,一定時刻に交互に投与して得られた卵の卵黄の色素輪の数を算定した。その結果,急速成長期の長さは7~11日であり,供試鳥の3分の1は8~10日であった。また,この内約3分の2の鳥では9日であった。ゆでた卵の卵黄の直径は約3cmであり,色素輪の数が7又は8の卵黄の直径は,9又は10のものよりわずかながら小さかった。卵黄容積の1日当たりの増加量を卵黄を球とみなして算出した結果,色素輪の数が小さいものほど多かった。また,色素輪の数が8又は9のものでは最終3日間,10又は11のものでは最終4日間ほぼ同じであった。
  • 細谷 実
    1996 年 33 巻 5 号 p. 305-309
    発行日: 1996/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    近年,生産物の安全性が強く言われるようになり鶏と鶏糞を分離して飼う事が望まれるようになった。飼料中に抗生物質や各種の薬品を使う事は,それらが生産物に残留して市場で問題になり法的にも規制が厳しくなってきた。採肉養鶏も採卵養鶏で行われている立体飼育を行い衛生的に飼育し,不衛生と思われる平飼の欠点を除く事が重要になった。だが,立体飼育では,肉質と胸部水腫の解決を避けて通れない。これらの問題点を解決するために床面に工夫した,新しい立体ケージシステムを開発したので,その方法について記述した。
    本法を用いることにより胸部水腫の発生は全く起こらず,鶏の健康状態は良く,高品質の肉質が期待できた。飼育装置の1羽当たりのコストは平飼とほぼ同程度とすることができた。さらに,鶏のケージ内への収容および出荷時の集鳥が床面のベルトを移動させることにより可能となり,入出荷時の労力は大きく削減された。
  • 古澤 直人, 向井 孝夫, 大堀 均
    1996 年 33 巻 5 号 p. 310-315
    発行日: 1996/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    The relationship between the biological half-lives of various drugs in a whole egg and the drug contents in egg yolk and albumen, which have been presented in many papers, was examined.
    The regression analysis indicated a highly significant relationship (P<0.01) between the observed half-lives and the ratio of drug contents between egg yolk and albumen (Cy/a), and proposed was the following equation of the half-life (days)=1.50•Cy/a0.25. Where, Cy/a is the drug content ratio in egg yolk to in albumen at the withdrawal.
    The half-lives of drugs in a whole egg can be easily predicted as far as their contents in the yolk and albumen of the egg laid at the withdrawal initiation of drugs is known.
  • 三好 俊三, 高橋 洋明, ルック キィウミン, 口田 圭吾, 光本 孝次
    1996 年 33 巻 5 号 p. 316-320
    発行日: 1996/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    卵黄•卵白比に対し,高低2方向へ選抜された2系統(HおよびL系統)と市販鶏種2系統(JおよびX系統)を用い,卵管の形態的差異および卵黄の蓄積速度の差異を検討した。約400日齢において産卵周期と放卵時刻を調査し,24~25時間周期の鶏を抽出した。放卵時刻から卵が卵管膨大部に存在することを予測して屠殺し,卵管と卵巣を摘出した。分析には膨大部中央に卵が存在した鶏からのデータのみを用いた。
    卵管重量および長さは市販鶏種が有意に大きいものであった。特に,卵管膨大部において顕著な差異が認あられた。卵管重量を同一体重に補正した場合,L系統では市販鶏種と同等の値が推定された。膨大部重および長さと卵白重とには正の高い相関が推定された(特に,L系統では0.70以上が推定された)。黄色卵胞数はL系統のみが有意に少ない個数(5.8個)であったが,H系統は市販鶏種より約1個少ない程度であった。
    卵胞の急速成長は,市販鶏種で排卵7日前から,選抜系統で6日前から開始されることが推定された。その後,卵黄蓄積速度は,H系統がL系統に比べ排卵5日前より大きい値を示し,2日前に市販鶏種を上回る値(4.3g/日)が推定された。
  • Ekurem EDAR, 矢吹 良平, 高山 耕二, 中西 良孝, 萬田 正治, 渡邉 昭三, 中釜 明紀
    1996 年 33 巻 5 号 p. 321-327
    発行日: 1996/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    合鴨水稲作における家鴨類の適性品種を選定するため,マガモおよびチェリバレーの2品種とそれらの交雑種(F1)の繁殖能力について検討した。試験区を3つの区(マガモ,チェリバレーおよびF1)に分け,マガモ16羽(_??_13:_??_3),チェリバレー15羽(_??_12:_??_3)およびF120羽(_??_16:_??_4)を供試して,1区当たり約30m2の運動場に放し飼いした。試験期間は1994年6月16日(0日齢)から1995年8月1日(411日齢)までの約14ヵ月であった。試験開始時から終了時まで2品種および交雑種とも同様に,成鶏用配合飼料を不断給与し,産卵開始時から試験終了時まで週1回飼料摂食量を計った。結果を要約すると以下のとおりである。
    1. 171~410日齢までの平均産卵率については,チェリバレーとF1に比べてマガモの産卵率が明らかに低いことが認あられ,卵重はチェリバレー,F1,マガモの順に大きいことが認められた。
    2. 171~410日齢までの1日1羽当たり飼料消費量は,チェリバレー,F1,マガモの順に多いことが認められた。飼料要求率については,チェリバレーとマガモおよびF1とマガモの間に有意差はなかったが,チェリバレーとF1の間に有意差が認められた。
    3. ハウユニットについては,2品種および交雑種の間には有意差が認められなかった。卵形係数卵黄係数および卵殻の厚さでは,チェリバレーはF1とマガモに比べて優れており,卵白pHについては,チェリバレーとF1は同程度であったが,マガモは有意に高い値を示した。
    4. チェリバレーとF1に比べてマガモの受精率はかなり低いことが認められた。孵化率については,チェリバレーとF1との間に有意差が認あられなかったが,これらに比べてマガモがかなり低いことが認められた。
    5. 以上の結果から,2品種間および交雑種ではチェリバレーが家鴨類の繁殖能力から見た適性品種であることが示唆された。
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