日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
18 巻, 1 号
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  • 木村 正雄
    1981 年 18 巻 1 号 p. 1-17
    発行日: 1981/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 桜井 斉
    1981 年 18 巻 1 号 p. 18-23
    発行日: 1981/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    産卵中の日本ウズラの飼育は, 一般に水•飼料比が2.5~2.7の練餌により行なわれ, 高温期には給水制限の状態にある。そこで, 高温期 (28°C) における練餌法による給水制限の産卵におよぼす影響を明らかにし, あわせて練餌法と, 水と飼料とを別々に給与する乾餌法との給水制限の影響を比較する目的で, 練餌法では, 自由摂水区に対し, 制限区として水•飼料比が2.75~2.0の試験区を設定し, また乾餌法による給水は, 自由飲水区に対し, 制限区として1羽1日当り55ml~40ml給水区により飼育した。そして得られた産卵成績を回帰•共分散分析した。その結果,
    1) 練餌法により給水を制限すると, 飼料摂取量, 産卵率, 卵重, 生存率, 体重増加が制限に応じて減少した。
    2) 乾餌法による産卵率, 卵重, 生存率は, 自由摂水水準では練餌法のそれとの差はなかったが, 給水制限下では練餌法によるよりも急速に低下した。
    3) 飼料摂取量は, 全給水水準で練餌の場合が多かった。したがって, 乾餌法による飼料効率は, 自由飲水下では練餌法の場合よりも高く, 給水を制限するとより急速に低下した。
  • IV. 選抜期間中の受精率および孵化率の変化
    三好 俊三, 光本 孝次
    1981 年 18 巻 1 号 p. 24-33
    発行日: 1981/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    8世代(F0~F7)にわたる卵黄•卵白比の高低二方向への選抜実験過程における受精率および孵化率の変化を考察した。また, 卵形質との関係について検討した。データは4組の高低系統において, 各世代で次世代を得るために選抜した鶏から得られた。分析は4組の高低系統を卵黄•卵白比の高系統と低系統の2群にデータをプールして行った。さらに, 卵形質との関係を検討するには, 世代を選抜前期世代 (F0~F3) と後期世代 (F4~F7) に分割して行った。
    1. 受精率の平均値は両系統とも約75%から85%の範囲内で推移したが, 低系統のF2世代に有意な低下があった。これらの変動は交配時における雄鶏の繁殖能力の影響が主な要因であると推察された。
    2. 孵化率の平均値の推移には高系統で85%から78%へのわずかな減少があったのに対し, 低系統でF2世代 (91.4%) 以降に有意な減少が認められた。この低系統での顕著な減少は, 卵形質, 特に, 卵重の増大による孵化の遅れが一つの要因であると推察された。
    3. 孵化率と卵重, 卵白重および卵黄•卵白比との間では高低両系統で, それぞれ, 正および負の相関が推定され, 二次的な関係にあることを示唆した。その傾向は世代の進行とともにより明らかであった。
    4. 孵化率を従属変数とした重回帰分析の結果, 系統および世代で異なった卵形質が説明変数として回帰式に取り入れられた。しかし, 推定された重相関係数は極めて低く, 孵化率に寄与する卵形質が系統および世代で異なることは一般的でないものと推察された。
    5. 選抜後期世代において, 両系統をプールして推定した有意な二次回帰式より最良の孵化率を示す卵重は51.8g, 卵白重は31.0g, 卵黄•卵白比は51.6%が推定され, それらより卵黄重が16.0g, 卵殼重が4.8gの卵構成となった。これら値が本選抜実験の基礎集団での平均値に類似するものであったことなどから, 鶏卵の保有する生理的な機能である孵化率には大きな変化がなかったものと推察された。
  • 第3報 食用植物油を塗布した鶏卵の細菌の分布と塗布食用植物油の毒性について
    大塚 一止, 古泉 快夫, 日高 敏郎, 村田 寿, 山内 清, 奥山 正高, 重永 錦二
    1981 年 18 巻 1 号 p. 34-39
    発行日: 1981/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    鶏卵殼に塗布して鮮度保持に効果ある食用植物油 (V油) を鶏卵に塗布し, その保存中に卵殼および卵白中に細菌が増加する傾向は認められなかった。
    鶏卵より分離した細菌14株中, 12株はグラム染色陽性の桿状又は楕円状の形態をした菌で, その他の2菌株は Streptomyces sp. であった。
    V-油をマウス腹腔内および経口投与による急性毒性試験を行った結果, 毒性は認められなかった。
    V-油を0.5mlずつ14か月間マウスに経口投与しても死亡例がみられなかった。
    変異原性試験のため, V-油を組み換え修復能力試験, 復帰突然変異性試験を行って変異誘起原性のないことを確めた。
    またV-油0.5mlずつ20日連続生体内に投与し, 宿主経由組み換え修復能力試験を行ってその代謝産物が変異誘起原性物質に変化しないことを明らかにした。
  • 寺田 隆登, 芦沢 幸二, 渡辺 守之
    1981 年 18 巻 1 号 p. 40-44
    発行日: 1981/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    鶏においては, 副生殖器官液が射出時において精管から排出される精液のpHをアルカリ側に変化させることが推定されている。しかし, 鶏精子の代謝に対するpHの影響については必ずしも十分に追究されていない。そこで本実験は精子の運動性, ブドウ糖消費, 呼吸に対するpHの影響について検討した。
    pHを5.0, 6.0, 7.0, 8.0および9.0に, 氷点降下度を-0.60°Cに調整したリン酸緩衝液を作成し, 各々に0.02Mのブドウ糖を添加して希釈液として使用した。精液は雄鶏5羽から腹部マッサージ法で採取した。その精液を各希釈液で10倍に希釈した後, 37°Cで5~7時間加温振盪し, 希釈精液のpHの変化, 精子の運動性, ブドウ糖消費量および呼吸活性を経時的に測定した。さらに, 精子の運動性, ブドウ糖消費量あるいは呼吸活性と希釈精液のpHの実測値との間の二次回帰式を求め, 各観察時における最適pH値を推定した。その結果は以下のとおりである。1) 精子の運動性に対する最適pH値は加温開始時, 7.5; 1時間後, 7.3; 3時間後, 7.2; 5時間後, 7.2; 7時間後, 7.0であった。2)精子のブドウ糖消費に対する最適pH値は加温1時間後, 9.1; 3時間後, 7.4; 5時間後, 7.2; 7時間後, 7.1であった。3) 精子の呼吸代謝に対する最適pH値は加温開始時, 7.8; 1時間後, 8.2; 3時間後, 7.5および5時間後7.8と推定された。4) 精子の運動性, 解糖および呼吸に対する加温初期の最適pH値が7.0よりもかなりアルカリ側に傾いていることから考えて, 副生殖器官液が自然交尾時に精管より排出される精液のpHをアルカリ側に変化させることは, 射出精子の運動および代謝を活発にさせる重要な要因の一つと推察された。
  • 1. 経口投与した界面活性剤 (LAS) の鶏体内への分布
    星野 貞夫, 脇田 正彰
    1981 年 18 巻 1 号 p. 45-50
    発行日: 1981/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    LAS-35Sを25日齢の雄ひなに経口投与して, 1, 3, 6, 12, 24時間後に血液, 胆汁, 排泄物, 肝臓, 腎臓, 心臓, 肺, 脾臓, 腺胃, 小腸, 大脳, 甲状腺, 副腎, 精巣, 脳下垂体前葉への放射性物質の分布を測定した。24時間後の放射性物質の臓器への残留率は投与量の0.32~0.0001%で, 小腸のそれが最も多く, 肝臓, 腎臓, 腺胃, 心臓, 肺, 脾臓, 大脳, 精巣, 副腎, 甲状腺, 脳下垂体前葉の順に少なかった。排泄物による体外への排出は6.4%であった。
    以上のことからLASは経口摂取されると消化管から吸収され, 体液を介して各臓器に分配され, 肝臓では一部胆汁中へ移行して, 再度消化管に戻り排泄されることが推測された。
  • 2. LASの経口摂取が雄鶏の精腺機能と血中酵素活性に与える影響
    星野 貞夫, 脇田 正彰, 成瀬 千助, 山田 玉世
    1981 年 18 巻 1 号 p. 51-59
    発行日: 1981/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    194羽の雄ひな (ワーレン) を6週齢時にランダムに対照区と直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ(LAS)給与区に割り当てた。すべてのニワトリに飼料と水は自由摂取させたが, LAS給与区のニワトリは10~100ppmの濃度にLASを溶解した水溶液を飲水として与えられた。LAS 100ppm区は16週齢時からLAS 1500ppmとしLAS濃度を高めた。体重, 飼料消費量は週ごとに飲水量は毎日測定した。各区16羽のニワトリを10, 15, 21, 28週齢時にと殺し, 肝臓などの臓器を採取し, 重量を測定した。また, この時の肝臓や血清の酵素活性が測定された。26週齢時に各区のニワトリから精液を採取し, 精子数を計測した。LASの10~100ppm添加では体重, 飼料摂取量, 飲水量, 臓器重量, 精子数などに対する影響はみられなかったが血清のトランスアミナーゼ(GOT) 活性, 総コレステロール量は増加し, 血清の中性脂肪は減少を示した。LAS濃度を1500ppmに高めると飲水量, 体重, 精巣重, 鶏冠重, 精子濃度は統計的に有意に減少した。また, 血清のトランスアミナーゼ(GOT), アルカリホスファターゼ, 乳酸デヒドロゲナーゼおよび肝臓ミトコンドリア分画のトランスアミナーゼ (GPT) 活性の有意な低下, 血清の中性脂肪濃度の有意な上昇がみられた。以上の結果からLASを雄鶏に体重1kgあたり約80mg毎日与えると成長の抑制がみられ, 性成熟が遅延し障害を受けるものと推察された。
  • 吉村 幸則, 藤井 俊策
    1981 年 18 巻 1 号 p. 60-65
    発行日: 1981/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    最近, 鶏の排卵時の卵胞スチグマ破裂に蛋白分解酵素が関与していることを示唆する報告がみられる。本研究はこの可能性を明らかにするために, 自然排卵と蛋白分解酵素誘起排卵時のスチグマ組織の構造的変化を比較観察した。
    破裂前の成熟卵胞のスチグマ部は, 卵胞壁の厚さの大部分を外卵胞膜層によって占められていた。外卵胞膜層は強固な線維性結合組織であって, 主として薄板状の膠原線維束の重層配列によって構築されていた。
    排卵直前のスチグマ部は顕著な構造的変化を伴っていた。とくに外卵胞膜の膠原線維束は崩壊し, 単線維あるいは細線維に解疎していた。いっぽう, トリプシンまたは粗製コラゲナーゼ処理によって誘起された卵胞破裂時にも, 自然排卵時における同様の外卵胞膜の膠原線維束の崩壊が認められた。この際の膠原線維束の破壊は, 酵素作用によって線維間結合物質の融解あるいは線維自体が消化されたためと考えられた。以上のように, 両者のスチグマ組織の構造的変化は全く類似していたことから, 卵胞破裂には蛋白分解酵素が関与している可能性が推察された。
  • 1981 年 18 巻 1 号 p. 66
    発行日: 1981/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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