日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
13 巻, 2 号
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  • 土黒 定信
    1976 年 13 巻 2 号 p. 37-42
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    飼料中のナトリウム (Na) の過剰水準, および実用飼料へのカリウム (K) の過剰添加が, 鶏の飲水量, 排尿量および糞の水分含量におよぼす影響を究明するために, 約20°Cの調温鶏舎において, 人工肛門鶏を用いて実験を行なった。
    実験1においては, 人工肛門をつけた雌大雛を用い, コーンスターチと大豆粕を主体とし, Na水準を塩化ナトリウムにより0.3 (対照), 0.6, 0.9および1.2%に調整した飼料を給与して, 飲水量および排尿量を比較した。
    実験2においては, 人工肛門をつけた雄成鶏を用い, トウモロコシと大豆粕を主体とし, Na-K水準をそれぞれ0.25-0.7 (対照), 0.25-2.1, 1.8-0.7, 1.8-2.1および1.0-1.4%に調整したものを給与して, 飲水量, 排尿量のほか糞の水分含量を測定した。なお, K無添加の対照飼料は約0.7%のKが含まれており, K添加飼料には3.2%の硫酸カリウムを添加した。
    その結果, 実験1において, 対照飼料にNaを過剰に添加すると, その添加量にほぼ比例して, 飲水量および排尿量が増加した。実験2において, 対照飼料にKを添加するか, またはNaを過剰に添加しても, 飲水量, 排尿量および糞の水分含量が著しく増加した。NaまたはKの過剰の程度 (要求量に対する倍率) が同一の場合, 飲水量および排尿量におよぼす影響はNa過剰がK過剰に比べて大きかったが, 糞の水分含量におよぼす影響は, 両者の間に差異が認められなかった。
    Na過剰飼料にさらにKを添加しても, 飲水量および排尿量は減少せず, むしろ増加したが, 糞の水分含量には影響が認められなかった。
    いずれの実験においても, 飲水量と排尿量との間には有意の相関が認められ, 排尿量は飲水量の増加に伴って直線的に増加した。しかし糞の水分含量は, 飲水量または排尿量が増加しても, 一定水準 (約80%) 以上には増加しなかった。
  • 10. 抗生物質を給与した鶏が産んだ卵の貯蔵性
    田名部 尚子, 小川 宣子, 林 信義, 関谷 竜吉, 米沢 昭一
    1976 年 13 巻 2 号 p. 43-47
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    産卵鶏飼料にクロルテトラサイクリン (CTC) を0ppm, 100ppm, 1000ppm添加して給与し, 生産された鶏卵のCTC残留量ならびに貯蔵中の内部卵質の変化を測定した。CTCを1000ppm添加して給与した区の卵にのみ卵白に0.07ppm, 卵黄に0.16ppmのCTCの残留が認められた。1975年5月25日から9月2日までの室温内における貯蔵試験において, ハウユニット, 卵白高および卵黄高の低下, 卵黄の崩れた頻度, 腐敗卵の頻度, 飼料中のCTC 100ppmおよび1000ppmの添加によって全く影響をうけず, 0ppmの添加区と変わらなかった。
  • 森田 琢磨, 太田 正義
    1976 年 13 巻 2 号 p. 48-52
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    敷料に塵埃を添加した区, 無添加区, 油を添加した区を設け, 各区を更に2群とし, それらの各群に M. gallisepticum 陰性の1週齢交雑種雄を10羽と気嚢内接種した2羽とを配置し, 5週齢時まで飼育し, 次の如き結果を得た。
    1. 眼下洞•気管•気嚢に病変の生じた個体数および菌分離の見られた個体数では, 塵埃の多い区ほどその個体数も多い傾向がうかがえ, また, 凝集反応陽性鶏数と塵埃濃度の順位との間には有意な回帰の関係が見られた。
    2. これらの結果を総合的に用いて分散分析したところ, 区間に極めて有意な差が認められ, ついで, 考察の結果, 塵埃が M. gallisepticum の同居感染に影響を与えるであろうと結論した。
    3. 塵埃を誘因とする同居感染の増体への影響は明らかに出来なかったが, 塵埃そのものは増体に対し著しい影響を与えないと考えられる。
    4. 油の撒布による塵埃抑制効果は明らかとなったが, 長期に亘るその効果は期待し得ないことも明らかであった。
  • 橋口 峰雄, 上吉 道治, 田中 克英
    1976 年 13 巻 2 号 p. 53-54
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    The amount of RNA and DNA in testes of 4-week-old cockerels was determined 3hr after the injection of chicken pituitary homogenates, FSH (NIH-FSH-S7, ovine) and LH (NIH-LH-S16, ovine) by an ultraviolet absorption method following the extraction with the method of Schmidt-Thannhauser-Schneider (1946). The amount of RNA, expressed as μg per mg of dried testicular tissue, was found to be increased by the above injections, while the amount of DNA was not changed. The results suggest that the synthesis of RNA in the testicular tissue of the immature cockerels may be stimulated by the pituitary gonadotropins.
  • 1. 性によるCP水準に対する反応の差について
    恩田 正臣, 小松 利雄, 中島 健輔, 忍垂 紀雄, 榎本 貞二, 小宮山 恒, 細川 明, 佐二木 茂明
    1976 年 13 巻 2 号 p. 55-59
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ブロイラーの育成用飼料について, CP 4水準 (16, 20, 24, 28%) TDN 2水準 (70, 80%) を組合せた8種類の飼料を作り, 群馬, 茨城, 山梨の3県で, ブロイラー専用種合計約4300羽に21日齢から70日齢まで給与した。その結果, CP-TDNの水準が24-80および28-80の2飼料区については育成成績が劣り, 的確な判断を下す結果が得られなかったが, それらを除いた区の成績から, 21から56日齢時の期間で, TDN 70%の場合に性×CP交互作用が有意となり, 雄ではCP含量の増加にともなって増体量が増加したが, 雌では増体量の変化が少なかった。飼料要求率についても, 21日から56日齢時の期間で, 性×CP交互作用が有意となり, 雄はCP水準が高くなるにつれて要求率が低くなったのに対し, 雌では, CP水準を変化させても要求率はほとんど差が見られなかった。56日齢時以降では, CP水準の差に対する増体量, 飼料要求率の反応には, 性との間に交互作用は認められなかった。CP水準1%の差について2円の差をつけた飼料費単価で, 収益性を比較すると, 実験でとりあげたCP水準の中では, CP 16%がもっとも有利であった。
    TDN水準が70%と80%の場合では, CP水準の差に対する増体量や飼料要求率の反応のしかたに差が見られたが, これについては, TDNが80%の場合の2飼料区について正常な育成成績が得られなかったので, CP×TDN交互作用が存在するとは断定できない。TDN 70%と80%の比較では, TDN 80%のほうが飼料要求率が低くなり, 収益性が高かった。
  • 2. 性によるTDN水準に対する反応の差について
    恩田 正臣, 森村 隆作, 大江 正直, 忍垂 紀雄, 榎本 貞二, 佐二木 茂明, 伊能 林平, 小宮山 恒
    1976 年 13 巻 2 号 p. 60-64
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ブロイラーの育成用飼料について, TDN 4水準 (70, 75, 80, 85%), CP 2水準 (16, 20%) を組合せた8種類の飼料を作り, 群馬, 茨城, 千葉の3県で, ブロイラー専用種ひなに21日齢から70日齢まで給与して, TDN水準の差に対する反応を性別に検討した。その結果, 飼料中のTDN水準を変化させた場合に, 増体量については反応が少ししか見られず, 性のちがいによる反応の差も交互作用として認められなかった。飼料要求率については, 雄も雌も直線的に反応し, 21日から56日齢時の期間では, 回帰直線の勾配は, 雄では-0.0359雌では-0.0345でほぼ平行な直線を示し, TDN水準に対する反応のしかたに, 雌雄差は認められなかった。56日齢以降についても, 飼料要求率の反応は同様であった。TDN1%の差について1円の差をつけた飼料費単価で収益性を比較すると, 実験に用いたTDN水準の範囲では, TDN水準が高いほど飼料要求率が低くなるために, 収益性も増加し, 21日から56日齢時の期間で, 雄ではY=69.6+1.365Xという回帰直線が成立し, 雌では, TDN78.2%で最高収益が得られる2次式が成立した。
    CP水準については, 21日から56日齢時の期間で, 飼料要求率の反応に性による差が認められ, 第1報の結果と一致した。収益性の反応についても, 雌ではCP 16%のほうが20%にくらべて明らかにすぐれたのに対し, 雄では差が認められず, 交互作用が有意となった。
  • 目加田 博行, 林 信義, 奥村 純市, 横田 浩臣
    1976 年 13 巻 2 号 p. 65-69
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    夏期における卵殼質の低下を改善する目的で, カルシウム源としての貝化石の効果を検討するため, 白色レグホーン種112羽を使って, 6月から10月まで実験を行なった。実験は飼料中のカルシウム量の0.25%, 0.5%, 0.75%を貝化石のカルシウムで置き換えて行なった。
    産卵率や卵重, 増体量に対して貝化石の影響はほとんど見られず, 飼料摂取量については貝化石区がやや増加した。
    卵殼強度については, 実験期間の平均値では貝化石カルシウム0.75%区が対照区に比較して0.23高い値を示したが, 実験開始時の卵殼強度を基準にした値でみると, 夏期における卵殼強度の低下は貝化石カルシウム区が対照区に比較して0.16~0.22少なかった。また, 卵殼強度の最も低下した8月においては, その低下は0.23~0.37少なかった。
    卵殼厚については, 各貝化石区とも対照区との差は見られなかった。
    脛骨強度は卵殼強度とは逆に, 各貝化石区が対照区に対して劣っており, 脛骨カルシウムもやや低くかったが, 脛骨灰分量には差はみられなかった。
  • 1976 年 13 巻 2 号 p. 70-71
    発行日: 1976/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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