日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
24 巻, 2 号
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  • 吉田 實
    1987 年 24 巻 2 号 p. 71-78
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    新飼料資源として研究されているものとして,ナタネやルーピンの新品種,n-パラフィン,メタノール,エタノール,農産廃棄物等に培養した微生物蛋白,緑葉蛋白•濃縮物,藻類(クロレラやスピルリナ),動物性プランクトン(ワムシやミジンコ)等を取りあげて,栄養価を中心に研究成績を簡単に要約した。日本の経済的条件に基づいて設定したモデル条件の下で,12種類のサンプルについて経済的な評価をしたが,サンプルの大部分は,エネルギー,蛋白質,有効リンの含量が高く,経済的にも大豆粕より高く評価された。
    n-パラフィンやメタノールに培養した酵母や細菌に,人の健康を損なう有害成分が含まれ,それが鶏肉や鶏卵に残留することを示すデータは全くない。むしろ,サンプルには鶏の健康を保ち,産卵成績を高める有益な効果が認められた。
  • 関口 総一郎, 今井 清
    1987 年 24 巻 2 号 p. 79-85
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    日本ウズラを用いて,羊LH,プロジェステロン,合成LHRHに対する最大卵胞の排卵反応性を,一排卵周期を通じて検討した。Cs予想排卵前24,21,18,15,および12時間に,3種のホルモンをそれぞれ数濃度で投与した。羊LH投与による早期排卵は排卵前21時間から生じ,それ以後排卵前15時間まで,時間の経過に伴ない,より少量のLH投与によって,より高率で早期排卵が誘起された。
    一方,プロジェステロン投与による早期排卵は排卵前15と12時間に誘起されたが,それ以前の時間(排卵前21と18時間)に投与した場合,排卵は誘起されなかった。排卵前21と18時間での両ホルモンの排卵誘起効果の差異は,LH放出に関する視床下部一下垂体系のプロジェステロンに対する反応性が低いために生じたと思われた。そこで,下垂体のLHRHに対するLH放出の感受性が低いために排卵が生じなかったのか否かを確かめるために,排卵前21~12時間に合成LHRHの投与実験を行なった。その結果,プロジェステロンと同様に,LHRHによってもまた,排卵前21と18時間で早期排卵を誘起することは出来なかった。これらの結果から,産卵ウズラにおいて,LH放出に関する下垂体のLHRHとプロジェステロンに対しての反応性は排卵前18時間まで低いが,最大卵胞のLHに対する反応性は同時間ですでに十分に高まっていることが示唆された。
  • 小林 茂樹, 伊藤 宏
    1987 年 24 巻 2 号 p. 86-93
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    飼料中のアルギニンあるいはリジン含量を過剰にすると,鶏の腎臓アルギナーゼ活性が増加し尿素排泄量が増加する。また,α-アミノイソ酪酸(AIB)を添加すると腎臓アルギナーゼ活性と尿素排泄量は減少する。そこで,鶏に対するアルギニン不足-リジン過剰飼料の給与ならびにこの飼料への過剰アルギニン,AIBおよび尿素の添加がN出納および尿中N成分量におよぼす影響を検討した。人工肛門を設着した単冠白色レグホン種成鶏雄を個別ケージに収容し供試した。カゼイン10%とコーンスターチを主原料とし,アルギニン含量が不足でリジン含量が過剰の飼料を基礎飼料とし,これにL-アルギニン塩酸塩2%,AIB O.5%および尿素1%を組合わせて添加した計8種類の試験飼料を用いた。
    基礎飼料を与えられた鶏の糞および尿中へのN排泄率はそれぞれ約15および88%で,吸収Nのほとんどが尿中に排泄され負のN出納を示した。この基礎飼料にアルギニンあるいはAIBを単独にまたは同時に添加すると正のN出納を示した。これはアルギニンの添加によるアルギニン要求量の充足あるいはAIB添加によるアルギニン分解量の低下に基づく尿酸排泄量の減少によるものと推察された。AIBを添加すると尿中尿素態N量が著しく減少し,アルギニンと共に添加すると尿中アルギニンが著しく増加した。従って,AIBは腎アルギナーゼ活性を抑制してアルギニンを節約する作用をもつ一方,過剰アルギニンの腎排泄を促進させる作用をもつものと推測された。尿素添加飼料給与時の糞N量はいずれの飼料においても尿素無添加時とほぼ同値を示したが,尿N量はすべての飼料において増加した。AIB無添加時の尿N増加量は尿素態N摂取量の約1.4倍を示しN蓄積量は減少した。AIB添加時の尿N増加量は尿素態N摂取量とほぼ同量かその約2/3で,N蓄積量はほぼ同じかあるいは幾分増加した。尿中N成分のうち,尿素添加により尿素態Nは全ての飼料において有意に増加したが,AIBのみ添加飼料への尿素添加による増加量は,基礎飼料給与時の増加量の約1/3であった。尿酸態Nも全ての飼料において尿素添加により増加したがAIB添加時のこの増加量はAIB無添加時の半分以下であった。これらのことから,飼料尿素は飼料中過剰リジンあるいはアルギニンの過不足にかかわらず鶏によって十分利用されないだけでなく,尿酸の生成および排泄量を高め飼料蛋白質の生物価を低下させる要因になるものと推察された。AIBは尿素摂取による尿酸排泄増を緩和して飼料蛋白質の生物価の低下を防止し,さらにアルギニン不足-リジン過剰飼料に添加した尿素の尿中排泄にも関与している可能性が示唆された。従って,AIBは飼料中過剰リジンあるいはアルギニンの過不足等による尿中N排泄に対し,飼料尿素の代謝を含めて種々の係わりを持っているものと考えられた。
  • 許 振忠, 田中 桂一, 大谷 滋
    1987 年 24 巻 2 号 p. 94-102
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    飼料中の蛋白質含量および炭水化物源の違いが成長中のアヒルの肝臓における脂肪蓄積および脂肪酸合成に関連している幾つかの酵素の活性におよぼす影響を検討した。
    肝臓重量は,低蛋白質飼料給与によって高い値を示した。肝臓中のtriglycerideの含量は,トウモロコシを配合した飼料において,低蛋白質飼料給与時の方が,高蛋白質飼料給与時より高い値を示した。また低蛋白質飼料給与においては,トウモロコシを配合した飼料の方が,大麦を配合した飼料より高い値を示した。血清中のtotalcholesterol濃度は,大麦を配合した飼料において,高蛋白質飼料給与の方が低蛋白質飼料給与より低い値を示した。phospholipid濃度は,トウモロコシを配合した飼料と大麦を配合した飼料との間には大きな違いは観察されなかったが,いずれの場合においても,低蛋白質飼料給与時の方が高蛋白質飼料給与時より高い値を示した。肝臓細胞質中のNADP-MDH,CCEおよびG6PDHの活性は,トウモロコシを配合した飼料では,低蛋白質飼料給与時の方が高蛋白質飼料給与時より高い値を示した。またNADP-MDHおよびCCEの活性は,低蛋白質飼料給与ではトウモロコシを配合した飼料の方が大麦を配合した飼料より高い値を示した。
    本実験において,アヒルの肝臓細胞質中のG6PDHの活性は,NADP-MDHの活性に比べ,約3倍の値を示し,鶏で報告されている値より著しく高い値を示した。このことは,アヒルの肝臓での脂肪酸合成の際に必要な還元物質であるNADPHの供給において,pentosephosphate経路中の脱水素酵素のはたす役割は,鶏に
  • 秋期に餌つけした場合
    白崎 克治, 富元 幹夫, 中村 研, 柏木 忍
    1987 年 24 巻 2 号 p. 103-113
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    秋期に,ウインドウレス鶏舎でブロイラーを飼育する場合の生産性や収益性につき回帰式を導き,出荷重量毎に日齢の動きを検討し次の結果を得た。
    1.生産性
    各出荷重量で体重,育成率及び飼料要求率は,35から63日齢の範囲で1次の回帰式で示された。
    また,飼料消費量は2次の回帰式が得られた。
    2.収益性
    3.3m2当たり収益は,出荷重量が194.1kgの時最大となったが,出荷日齢との関係には有意差は認められなかった。
    出荷体重1kg当たり収益は出荷日齢に有意差が認められ,1年次,2年次でそれぞれ47.9及び49.5日齢の時に収益が最大になったが出荷重量には有意差が認められなかった。
    3.解体成績
    中抜き歩留り,腹部脂肪割合は日齢が進めば大ぎくなった。また,腹部脂肪は雌の方が雄より割合が大きかった。
    可食内臓は日齢が進めば割合は小さくなった。
  • 飼料の代謝エネルギー価
    山崎 昌良
    1987 年 24 巻 2 号 p. 114-119
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    主要な養鶏飼料原料19種類について雄成鶏(白色レグホーン種)を用いてAMEnは配合飼料を基礎飼料としてインデックス法(酸化クロム)により,TMEおよびTMEnはSIBBALD (1976)の方法に準じて測定を行ない,これらを比較した。
    AMEn (Xcal/g)とTME (Y1cal/g)あるいはTMEn (Y2cal/g)の関係は次式で示され,いずれも両者に高い相関が認められた。
    Y1=1.0821X+161(γ=0.9791)
    Y2=1.0487X+40(γ=0.9812)
    また17種類のAMEn, TME,およびTMEn測定値の変動係数はそれぞれ3.02, 3.30および2.70%であった。
  • 1987 年 24 巻 2 号 p. 120-122
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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