日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
20 巻, 2 号
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  • 吉田 実
    1983 年 20 巻 2 号 p. 67-79
    発行日: 1983/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 桜井 斉
    1983 年 20 巻 2 号 p. 80-86
    発行日: 1983/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    日本ウズラの産卵におよぼす温度および風速の影響を実験するために,飼育室の温度が24°C, 27°C, 30°Cのそれぞれに,毎秒入気風速0.0m, 0.4m(1羽1分当り通気量0.037m3), 0.8m(同通気量0.112m3)の3水準ををわりつけて9実験区を設定し,3反復により乱塊二元配置計画により産卵試験を行なった。日本ウズラの飼育は一般に群飼により行なわれているので,上•下•両側の外枢で囲まれている慣用の群飼飼育器前面に,風道を通して前記の風速で送風した。得られた実験データの解析は分散分析によった。その結果,
    1) 産卵率は,無風のときには24°Cと27°Cが高く,両温度間に有意差はなく,30°Cでは低くかった。この無風のときと比較して0.4m, 0.8mの風があるときの産卵率は,27°C下では変化がなく,24°C下では低下し,30°C下は高くなった。なお,24°Cおよび30°C下の0.4mに対する0.8mの低下および高い傾向は有意でなかった。
    2) 無風のときの卵重は,産卵率の温度による変化と同様に,24°Cと27°Cは大きく,30°Cでは小さかった。この無風時の卵重は,0.4mの風により増大した。しかし0.8mに風速を増しても有意な卵重変化はなかった。
    3) 飼料摂取量は,0.0m, 0.4m, 0.8mの各風速時に24°Cから30°Cに温度が高くなると直線的に減少し,いずれの温度のときでも風により摂取量は0.0m<0.4m〓0.8mの関係で増加した。
    4) 飼料効率は,24°Cより27°Cが高く,30°Cでは27°Cと有意差はなかった。飼料効率はまた,風速増加につれて低下したが,この低下は温度が高い程にぶい傾向があった。
    5) 飲水量は温度が高くなるにつれて直線的に増加し,風速の増加により直線的に減少した。
    6) 24°Cのときの風は産卵率と飼料効率を低下させるので有害無益である。27°Cのときに0.4mの風がある条件は,産卵率と卵重に最適であるが,飼料効率は無風時より低くなる。30°Cのときには,風がないと産卵率,卵重に最も悪い条件となる。このとき0.4mの風があれば,飼料効率の低下は極小にして産卵率と卵重を改善することができる。
  • 岡本 新, 田中 耕作, 古賀 脩
    1983 年 20 巻 2 号 p. 87-94
    発行日: 1983/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    鶏の卵輸送及び放卵機構を明らかにするための一助としてバゾトシン(VT),プロスタグランディンE1, E2, F2α (PGs)及び破裂卵胞に存在する放卵誘起物質(OVarian Oviposition-Inducing Factor, OOIF)が,卵管各部位の縦走筋及び輪走筋に対して及ぼす影響についてin vitroで検討した。
    供試鶏には排卵5時間後と放卵直後のものを用いた。排卵5時間後の卵管においてPGsは子宮部に対して収縮作用を示し,他の5部位にはすべて弛緩作用を示した。これに対してVTは峡部と子宮部に,OOIFは漏斗部と子宮部に収縮作用を示しただけで他の部位に対しては何らの作用も示さなかった。つぎに放卵直後では,PGF2αが漏斗部,膨大部,峡部及び腟部に対し収縮,弛緩のいずれの作用も示さず,またOOIFが峡部に収縮作用を示した以外は,PGs, VT及びOOIFともに排卵5時間後の卵管とほとんど同様の傾向を示すことが観察された。
    これらの結果から,卵管の卵輸送に関して放卵誘起物質はいずれも直接的な関与はないものと考えられた。一方,放卵に関してはPGs, VT及びOOIFともに子宮部に対して強い収縮作用を示し,さらにVT及びOOIFは峡部の収縮作用,PGsは子宮腟移行部の弛緩作用が認められたので,これらの物質は放卵過程の円滑な進行に有効に作用しているものと考えられた。
  • 河津 昌司, 小林 利枝子, 上吉 道治, 田中 克英
    1983 年 20 巻 2 号 p. 95-102
    発行日: 1983/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    白色レグホーン種産卵鶏の卵管子宮部(卵殼腺部)粘膜組織のホモジェネートを超遠心分離(38,000×g, 4°C, 20分間)して得た上澄液を45Caで平衡化したBio-Gel P-150のカラムによって下降ゲル濾過分画法で分画し,得られた画分について45Ca放射能を測定した。また,卵管の漏斗部,膨大部および峡部についても同様な分画と測定を行なった。その結果,子宮部については45Ca放射能のピークが3つ認められ,漏斗部と峡部については2つ認められ,膨大部についてはピークは認められなかった。子宮部の3つのピークのうち,はじめの2つのピークは漏斗部と峡部のピークとほぼ同じ分画位置にあった。従って,第3のピークが子宮部に特有なカルシウム結合蛋白質(CaBP)によって示されたものと思われる。子宮部についての分画を1,000倍量の非標識塩化カルシウムを含む溶出液で行なったところ,45Ca放射能のピークは完全に消失した。これに対し,同じ濃度の塩化バリウムまたは塩化ストロンチウムを含む溶出液で分画した場合には完全には消失しなかった。排卵5時間後から25時間後までのいろいろな時間における子宮部のCaBPの45Ca結合量と子宮部内の卵の卵殼Ca量とを測定した結果,両者はほぼ同じ変化を示し,排卵5時間後から18時間後まで順次増加し,その後23時間後までは大きな変化を示さず,25時間後では若干低下することが見出された。CaBPの45Ca結合量と卵殼Ca量とがほぼ平行した変化を示したことから,子宮部に存在するCaBPと卵殼形成(Ca沈着)との関係が示唆される。
  • 田先 威和夫
    1983 年 20 巻 2 号 p. 103-109
    発行日: 1983/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    トウモロコシを主原料として養鶏用飼料を配合するとトリプトファンが不足することがある。本研究においては,トリプトファンの不足または過剰が鶏の産卵にどのような影響を与えるかを調べることを目的とした。
    供試鶏は約9か月齢の白色レグホーンで,85%産卵しているものを8羽ずつの6区に区分した。これに1区より5区までトリプトファンを0.066%, 0.097%, 0.128%, 0.221%, 0.721%含有するトウモロコシ•大豆粕タイプの飼料を,また6区には市販飼料を25日間給与し,トリプトファンのレベルが産卵に及ぼす影響を調査した。なお上記試験飼料のトリプトファン含量は日本飼養標準の60%, 88%, 116%, 201%, 655%であり,対照の市販飼料はトリプトファンを0.16%含み,これは標準の145%であった。試験前20日間にわたり各区とも市販飼料を1日1羽当り100gずつ給与して供試前の産卵成績を調べ,その後は試験飼料を自由摂取させ,対照飼料のみは100gの定量給与とした。
    試験開始後5日間は各区間に産卵率では差がみられなかったが,その後1区と2区は産卵率が急激に低下し,21~25日の産卵率は,それぞれ15%, 48%, 70%, 75%, 78%および85%となった。
    卵重は試験開始前に比して1, 2, 3区では試験の経過とともに減少したが,4, 5, 6区では逆に若干増加した。以上の結果から1日当り産卵量を計算すると,1区では開始前の49gから最終期(21~25日)には8gと非常に減少し,ついで2区(減少量25g), 3区(18g), 5区(9g), 4区(7g), 6区(0g),の順となり,とくに1~3区の減少量が大きかった。
    飼料摂取量は第2期(6~10日)に一時的な減少がみられ,その後は漸次回復の傾向がみられたが,21~25日では試験前のレベルにまでもどらず,また減少量はトリプトファンの含量に応じて低くなった。対照区は常時給与量の100gを摂取していた。なお期間中平均飼料摂取量はそれぞれ67g, 80g, 87g, 93g, 97gおよび100gで,トリプトファンの摂取量はそれぞれ0.04g, 0.08g, 0.11g, 0.21g, 0.70g, 0.16gとなり,標準に示された摂取量の0.12gに比して1~3区では低い摂取量となった。
    供試前に比して平均体重はすべて減少し,その量はそれぞれ260g, 220g, 190g, 160g, 80g, 30gとなり,1~4区の減少量は有意であったが,5区と6区では有意な減少量を示さなかった。
    摂取飼料に対する産卵量は3~6区では全期間を通じてほとんど差がなく約50g/100g飼料の値を示したが,1区と2区では効率の低下が著しかった。以上の結果を総合すると,飼料中のトリプトファン含量が0.13%より低下すると,飼料摂取量の低下と産卵成績の低下がみられ,また0.2~0.7%の含量では悪影響は全くみられなかった。以上の点から,日本標準に示されたトリプトファンの要求量0.11%では産卵に対して適当であるとは考えられず,MORRIS and WETHLIの示した0.17%はより適した推奨量であると思われる。
  • 吉田 実, ドネリー ポール,E.
    1983 年 20 巻 2 号 p. 110-114
    発行日: 1983/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    昭和56年秋,冬および昭和57年春,夏の4季にわたって,東京,大阪および九州の3地域で生産されて市販された養鶏用飼料の色素含量を調査した。
    サンプルは,各地域ごとに,4季それぞれについて,育すう用飼料1点,ブロイラー仕上用飼料3点,産卵鶏用飼料6点,計10点ずつ,飼料工場から無作為に採集した。総点数は120点となる。サンプルは,日本食品分析センターにおいて,総キサントフィルと非ェポキサイド•キサントフィル含量を測定した。3元配置法で反復数が等しくないが比例している場合として分散分析した。
    同一飼料の総キサントフィルと非エポキサイド•キサントフィルの含量には,統計的に有意な差は認められなかった。どちらの場合でも,飼料間差と,季節間差が有意であったが,地域間差と,すべての交互作用は有意ではなかった。
    そこで,飼料ごと,季節ごとの平均値を求めた。育すう用,ブロイラー用,産卵鶏用の各飼料の色素含量の1年間平均は,それぞれ10.8, 10.4および13.3ppmで,産卵鶏用飼料で高かった(P<0.01)。一方,秋,冬,春,夏の季節ごとの平均は,それぞれ12.1, 12.0, 14.3および10.4ppmであって,秋と冬の含量に比し,春では高く,夏に低くなっており,この差は有意であった(P<0.01)。
    消費者に好まれる卵黄の着色度を調査した結果によれば,ロツシュ•ヨーク•カラー•ファンの評点で9であり,この着色度の鶏卵を生産するためには,飼料中の総キサントフィル含量は18ppmが必要とされている。これと比較すると市販されている養鶏用飼料の色素含量は十分とはいえない。季節間の色素含量の変化の原因について考察した。
  • 小林 茂樹, 伊藤 宏
    1983 年 20 巻 2 号 p. 115-120
    発行日: 1983/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    飼料尿素,アルギニン分解に由来する代謝性尿素およびアルギニンの尿中排泄ならびにこれらに対するα-アミノイソ酪酸(AIB)の影響を知るための実験を行った。
    人工肛門を設着した単冠白色レグホン種成鶏雄(体重約1.8kg)を個体別の代謝ケージに収容し供試した。試験飼料として,カゼイン10%とコーンスターチを主原料とする基礎飼料にL-アルギニン塩酸塩(2%)または尿素(1%)およびそれぞれにAIB(0.5%)を添加した計6種類を用いた。3日間の試験期の第1日に試験飼料を給与し,続く2日間は基礎飼料を与え,尿を定量的に採集した。試験飼料中にAIBを含む場合,試験前日および試験飼料給与後の2日間は基礎飼料にAIB(0.5%)を加えて給与した。
    基礎飼料を給与した場合のアルギニン排泄量は僅かであった。アルギニン添加飼料を給与した第1日の尿素およびアルギニン排泄量はいずれも著しく増加した。AIBと共にアルギニンを添加給与すると,アルギニンおよび未測定窒素の排泄量はアルギニン添加飼料給与時よりさらに増加したが,逆に尿素排泄量は有意に減少した。尿素を単独あるいはAIBと共に添加給与すると,尿素および未測定窒素の排泄量は基礎飼料給与時に比べて有意に増加した。
    以上の結果から,AIBは鶏におけるアルギニンおよび尿素の排泄に対し,次のような作用を有するものと考えられた。(1)過剰アルギニン飼料に添加したAIBは腎アルギナーゼ活性の抑制を通して尿素の生成を減少させ,尿中排泄量は低下する。(2)AIBはアルギニンの腎再吸収を抑制して飼料中過剰アルギニンの排泄を促進する。(3)1%尿素飼料に添加したAIBは尿素の排泄に何ら影響を与えない。
  • 西尾 昌之, 島田 清司
    1983 年 20 巻 2 号 p. 121-125
    発行日: 1983/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    産卵鶏卵巣の卵管卵殼腺部(子宮)筋に対する収縮作用を検討し,子宮収縮誘起因子がプロスタグランディン(PGs)である可能性とこの因子の卵胞膜内の局在性を検討するために本研究を行った。
    クラッチ内放卵直後の産卵鶏を麻酔し,卵巣から排卵前第1位(最大;F1),第2位(F2)および第3位(F3)卵胞と排卵後(R1)卵胞を採取して直ちに凍結し卵胞壁を分離しホモゲナイズして遠心分離した。上澄液を子宮筋収縮作用を検討するために使用した。卵胞採取時に筋収縮標本として子宮筋を採取し,in vitro条件下で筋張力を記録した。
    卵胞壁ホモジネート上澄液の投与前と投与後の子宮収縮力を比較すると生理的食塩水およびF3卵胞は収縮力を促進しなかったがF1, F2およびR1卵胞は約2倍の収縮反応を誘起した。PGs生合成阻害剤であるインドメサシンを予定放卵4時間前に投与しておき,そのトリの卵巣から採取した卵胞の子宮収縮効果は低下した。すなわち,F1卵胞は1.5倍の反応を誘起したにすぎずR1卵胞はほとんど反応を増加しなかった。排卵前卵胞壁から卵胞膜細胞組織と顆粒膜細胞組織とを分離して子宮収縮誘起効果を検討した結果,顆粒膜細胞組織は子宮収縮効果を示さなかったがF1卵胞の卵胞膜細胞組織は投与前の2倍の子宮収縮作用を示した。
    以上の結果から,(1)R1卵胞およびF1卵胞の子宮収縮誘起因子はPGsである可能性と(2)F1卵胞の子宮収縮誘起因子は卵胞膜組織に存在する可能性とが示唆された。
  • 吉田 実, 星井 博
    1983 年 20 巻 2 号 p. 126-133
    発行日: 1983/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    合計932羽の白レグ種雄初生ヒナに,正対照としての大豆粕と微生物蛋白(SCP)を蛋白源とし,脳軟化症誘発剤としてジラウリル•コハク酸を含む飼料および正対照飼料中のジラウリル•コハク酸をトウモロコシ•デンプンとおきかえた負対照飼料を与えて4週間試験した。脳軟化症の症状を示したヒナおよび試験終了時生存していたヒナは,殺して,脳の検査を行なった。
    n-パラフィン,メタノールおよびエタノールに培養したSCP 10種類とビール酵母2種類,計12種類をテストし,そのうち9種類に,ジラウリルコハク酸による脳軟化症の発生率を,負対照区と同程度に低下させる効果が認められた。
    熱クロロホルム•メタノール混液(2:1)で抽出した酵母Kの脂溶性区分を,石油エーテル可溶部と不溶部に2分し,それぞれを正対照飼料に添加して与えたところ,石油エーテル不溶部に脳軟化症予防効果が認められた。
  • 犬塚 澄雄, 大石 武士
    1983 年 20 巻 2 号 p. 134-136
    発行日: 1983/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 岩崎 説雄, 豊川 好司, 渡辺 誠喜
    1983 年 20 巻 2 号 p. 137-139
    発行日: 1983/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 川島 光夫, 上吉 道治, 田中 克英
    1983 年 20 巻 2 号 p. 140-142
    発行日: 1983/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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