日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
5 巻, 4 号
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  • 岡本 正幹
    1968 年 5 巻 4 号 p. 163-170
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    人工照明を利用して, 冬季 (短日季) の産卵率を高めようとする技術は, 1800年ころにはすでに開発されていたといわれるが, 今世紀になってから必ずしも季節にこだわらない管理技術として検討されるようになった。この技術開発の根拠は, 当初採食時間 (採食量に通ずる) の問題と考えられたが, その後光刺激を重要視する方向に転じた。
    毎日の照明時間を一定とするばあいの最適時間は, およそ13~14時間と推定され, 標準的な取扱いをうけている。ただし上限には多少の異論がある。
    光刺激説が有力となって以来, その効果を永続させる目的で, 産卵開始直前から, しだいに照明時間を増加する方法が考案され, 多くの研究者の追認, あるいは効果を増大するための改訂をうけたが, これらの方法では増加期間を長くするため, 育成期の照明時間を短くする前処置を伴うのが原則となっている。しかしこの抑制•漸増法と呼ばれる方法と, 1日当たり14時間程度を連続する方法との効果に, 統計的な有意差を立証した例は少ない。
    日照時間の漸増が産卵開始を促進し, 漸減がこれを抑制することについてはほとんど異論がなく, 後者は秋びなの育成に利用されることがある。
    短日季の深夜に瞬間照明を加えること, および照明の延時間が短いばあいは断続照明とすること, などは光刺激を強くすることを根拠として考案され, それぞれ多少の効果をあげたと報告されている。
    明暗のリズムと産卵時刻との関係に関連して, 24時間の連続照明のもとでは, 採食時間を規制しなければ, 産卵時刻のかたよりはほとんど解消するが, 採食時間を自然条件での昼間に制限すると, 大部分がその時間内に産卵するし, 無照明の暗室で飼育すると, おおむね深夜から早朝にかけて産卵する。このような事実から産卵時刻, あるいは産卵間隔などへの明暗リズムの影響は, あまり強力ではないことが考えられる。
    日周期と産卵周期とのずれを調整する処置 (具体的には日周期の延長) は, 連産数を増加するが, 長期にわたって産卵数を集計し, 24時間の日周期基準の産卵率に換算すると, あまり差がない。
    照明の強さについては, 平飼いなら古くから指摘されていた1ftcにあまり異論がないようであるが, 3段ケージを用いるならば, 中段でその2.5倍くらいがよいとの提案がある。なお照明の色については, その影響を確認できるほどの資料はない。別に紫外線照射の効果を指摘した例があるが, これを純粋な刺激効果と認めるためには, さらに追究の必要があろう。
    照明時間を12~14時間にし, 温度および湿度を適当な条件に調節すると産卵率の季節変動は解消するが, 年間の通算産卵率は, 照明だけを調節したばあいとほとんど同じである。ただし平均卵重量は大きい。
  • 五斗 一郎, 古賀 脩, 岡本 正幹
    1968 年 5 巻 4 号 p. 171-175
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    雄雛の成長におよぼす送風処理の影響を知るために, 4週齢の白色レグホン系コマーシャル雄雛を用い, 冬季 (低温期) および夏季 (高温期) にそれぞれ2回送風処理実験を行なった。送風処理は4週齢から8週齢までは2m/secおよび1m/sec, 8週齢から10週齢までは3m/secおよび2m/secとした。この各1m/secの加速は雄雛の日齢による風速に対する耐性の違いおよび順応効果をも考慮して行なったものである。
    その結果, 4週齢から8週齢までの間では, 冬季における送風処理は成長を抑制し, 飼料要求率を増大させる傾向を示したが, 夏季においては成長を促進する効果が認められた。
    8週齢から10週齢までについても, ほぼ8週齢までにおけると同様の傾向を示したが, 3m/secの送風処理は, 夏季においても効果が認められなかった。
    また冬季における送風処理の影響は, 8週齢時に1m/secから2m/secに変更する方が, 2m/secから3m/secに変更するよりも大きいことが認められた。
    これらの結果から, 冬季においては1m/sec以上の送風処理は成長に悪影響をおよぼし, 夏季においては2m/secまでの送風処理は効果的であると推定された。
  • 中谷 哲郎, 田上 末四郎, 久池井 忠男
    1968 年 5 巻 4 号 p. 176-184
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    専用種および準専用種のブロイラー•ヒナを用い, 大豆粕の代替としてどの程度の量までの菜種粕の配合が可能であるかについて検討することをおもな目的として3回の試験を実施した。すなわち, ほぼ等蛋白質•等エネルギーの条件において, 圧抽菜種粕を10%, 15%および20%, 圧搾菜種粕を10%配合した仕上げ用飼料を4週齢より9~10週齢まで給与した場合の影響について調べた。
    その結果を要約すればつぎのとおりである。
    1. ブロイラー•ヒナに菜種粕を10~20%配合した飼料を仕上げ期間 (4週齢より9~10週齢まで) 給与した場合の成長は, 大豆粕配合対照飼料区のヒナのそれよりもわずかに劣る場合もあったが, その差は有意ではなかった。
    2. 菜種粕配合飼料を給与した場合に飼料要求率は変わりなかったが, 飼料摂取量がわずかに低下する傾向にあるようであった。
    3. ブロイラー歩留り, 屠体の品質については, 菜種粕給与の影響はほとんど認められなかった。また, 甲状腺の重量は菜種粕の給与によって1.5~2.0倍程度に増したが, その組織像の変化は軽度であった。
    以上の結果は, 大豆粕の代替としてブロイラーの仕上げ飼料に10~20%の菜種粕の配合がほぼ可能であることを示すものと考えられる。
  • I. 産卵鶏用ケージの大きさと収容羽数が産卵鶏の能力におよぼす影響
    中沢 稔, 古田 賢治, 北野 良一, 下司 一
    1968 年 5 巻 4 号 p. 185-189
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    産卵鶏用ケージの床面積と1つのケージに収容した羽数が産卵鶏の能力におよぼす影響を明かにするため実験を行なった。120日齢の卵用鶏を間口18cm (第1区) と24cm (第2区) のケージに1羽宛収容し, 間口24cm(第3区) と30cm (第4区) のケージには2羽宛, および間口48cm (第5区) のケージには3羽を収容した。ケージの奥行と高さは各区とも39cmと40cmである。実験期間は120日齢より500日齢までの380日間である。市販配合飼料を給与したが150日齢までは大雛用, それ以後は産卵鶏用である。
    50%産卵到達日齢, 150日齢から500日齢までの産卵率, 実験終了時に生存していた鶏の産卵個数については区間に差を認めなかった。卵重についても同様であったが, 飼料消費量は第4区と第5区が多くなり飼料要求が率高くなった。生存率も区間に差がなく, 区によって特定の疾病が多発することはなかった。破損卵と汚卵の正常卵に対する産出比率も区間に差がなかった。
    以上のように産卵鶏を現在わが国で最も多く使用されている産卵鶏用ケージよりも狭い床面積のケージに収容しても, また1つのケージに収容する羽数を多くしても産卵鶏の能力には大きな影響のないことが明かになった。
    このことは産卵鶏用ケージ鶏舎の収容密度を高められる可能性のあることを示唆しているものと考えられる。
  • III. 種鶏の月齢並びに産卵季節による影響について
    一戸 健司, 太田 栄一郎, 鈴木 正三
    1968 年 5 巻 4 号 p. 190-197
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    10ケ月齢 (1966年10月) から21カ月齢 (1967年9月) に至る同一日齢のロードアイランドレッド種雄とロードアイランドホワイト種雌の間に得られたF1雛21,926羽, 12カ月齢 (1967年3月)-18カ月齢 (1967年9月) のキンバー系から得られた雛12,918羽を用い, ふ化所要時間の差をふ化開始後3時間ずつ12段階に分けて雛の発生を雌雄別に調査し, 次の結果を得た。
    1. 種鶏の月齢別に雛のふ化状況をみると, 一般に月齢が進むにつれてふ化初期には雌が多く, 後期には雄が多く発生する傾向が明瞭となり, 特にロードアイランドレッド雄とロードアイランドホワイト雌のクロス雛においては, 危険率5%で月齢区分による雛のふ化所要時間の差とそれに伴う性比の推移に有意差が認められた。また平均ふ化所要時間においても, 種鶏の月齢が進むにつれて雄雛のふ化所要時間と雌雛のそれとの間に大なる差異があるように思われた。
    2. 種鶏の月齢を無視して産卵季節のみによって考察した場合には, 気温の高い季節が低い季節におけるよりも, 幾分雌雛の平均ふ化所要時間が雄雛のそれに比べて, 短いようであった。
    3. 上記の2点, 及び先の報告等より, 雛の雌雄の発生状況は鶏種やその組合せによってかなり異なる。
  • I. 液体窒素による凍結保存期間と精子活力との関係
    渡辺 守之, 入江 和正, 坂部 鷹司, 高橋 利男
    1968 年 5 巻 4 号 p. 198-201
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    鶏精液の凍結保存にLN2を使用した場合, これまでの固形CO2による凍結保存の場合と同様に, 或はそれ以上の長期に亘る保存が可能か否かを検討する目的で本試験を行なった。その結果は次の如くである。
    1. LN2を鶏精液の凍結保存に使用することは従来の固形CO2による凍結保存にくらべて労力的にも経済的にも遙かにすぐれている。
    2. LN2による鶏精液の凍結保存では固形CO2によるそれにくらべて凍結が極めて安定しており, これによって鶏精液の長期間に亘る保存が可能である。
    3. LN2による鶏精液の凍結保存では融解後の時間の経過に伴なう精子活力は凍結保存期間の長短に左右されない。
  • 吉田 実, 星井 博
    1968 年 5 巻 4 号 p. 202-210
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ヒナの育成期に極端な高エネルギーおよび低エネルギー飼料を各種の給与時間制限法と組合せて給与し, ヒナの発育におよぼす効果を検討し, つぎの結果をえた。
    1. 連日自由に給与する方法では, 高および低エネルギー飼料の給与により, 発育が低下する。
    2. 飼料を与えない日を設ける給与法では, エネルギー含量が中程度 (TDNで66%, MEで2.7kcal/g) 以上の飼料では, 2日おきに与えるのが限度であった。低エネルギー飼料では, 1日おきが限度であり, また, 若齢 (4週齢) のヒナでは2日おきは無理であった。
    3. 1日の給与時間を3時間に制限する育成法では, 連日飼料を給与する必要があった。
    4. 蛋白質含量がほぼ一定の飼料を与える場合, 給与時間制限の方法や程度にかかわらず, 増体量とエネルギー摂取量との間に直線関係が認められた。
    5. 制限を撤廃して, 対照飼料を連日自由に与えると, 体重は急速に回復するが, 飼料摂取量は, 2~3日で正常に復し, 回復期の全飼料摂取量には大差がなかた。回復期の増体量および飼料効率と, 制限給与期の体重との間に高い負の相関が認められ, 制限条件が厳しいほど, 急速に, しかも効率よく体重が回復する。
    6. 給与時間あるいは給与量を制限することにより, 体脂肪含量が減少し, 回復期には増大するが, 体蛋白質には変化がなかった。脂肪, 蛋白質ともに, 回復期の蓄積効率は非常に高かった。
  • 吉田 実, 星井 博, 森本 宏
    1968 年 5 巻 4 号 p. 211-225
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    白色レグホーン種 (以下WL) を用いる実験で, 飼料のエネルギーと蛋白質含量の変化に対応するヒナの増体量の変化は, 飼料エネルギー (xE) と蛋白質 (xP) の各含量の関数として示され, 2元2次式がよくあてはまることが明らかとなった1)。この知見にもとずき, このような飼料組成の変化に対応するヒナの反応が, 鶏種が異なる場合, どのようなパターンになるか比較検討することを目的として実験を行なった。
    栄養素の利用能力の鶏種間差については, いくつかの発表がなされているが4~7), これらは, 同時に同一組成の飼料を, 鶏種, 系統を異にするヒナに与えて, ヒナの反応を比較しているが, 本研究では, 飼料エネルギーと蛋白質の含量が単位量だけ変化したときの, 増体量などのヒナの反応の変化の大きさを比較している。
    実験方法: 6年間にわたり合計2,679羽の初生ヒナによる18回の実験を行なった。18回の内訳は, WLにより3回, ニューハンプシャー種 (以下NH) により3回, 白色コーニッシュ種 (以下WC) により2回, 横斑プリマスロック種 (以下BR) により2回,白色プリマスロック種 (以下WR) により1回, ならびにこれらを交配してえた一代雑種7種類により各1回ずつ行なっている。一代雑種は, 父親×母親の記号で示した。
    各実験はいずれも同一実験計画にしたがっている。雄のみ, または雄, 雌混合の初生ヒナを9区に区分して, それぞれに, 飼料エネルギーを3段階 (4.2, 3.6および3.0kcal ME/g), 飼料蛋白質を3段階 (26, 21および16%) として組合せた9種類の飼料のいずれかを与えて4週間飼育した。
    データの統計的解析は, つぎの3段階により行なった。第1段階は, 性別による増体量の反応パターンの相違について検討した。その結果にもとずき, 第2段階では, 雄と雌の平均をとって, 18回のデータをすべて合併して, 分割区法によって, エネルギーと蛋白質の効果の鶏種間差を検討した。すたわち, 主試験として, 反復数を異にする一元配置法により, 鶏種間の比較を行ない, その各試験区を細分して9区とし, 32型2元配置法により, 9種類の飼料をわりつけて副試験区としたものとして解析した。この結果にもとずき, 増体量に関しては, 純粋種5種類を4群に区分し, 飼料効率に関しては, 全データを1群として, 各群に適用できる2元2次式を導いた。
    結論: 本実験の結果から次のような結論がえられた。
    1) 供試したすべての鶏種について, ヒナの成長反応は, 飼料エネルギーおよび蛋白質含量の関数として2元2次式をあてはめて説明することができる。反応曲面は凸型の廻転だ円面となる。
    2) 増体量の反応曲面のパターンの差異, すなわち, 飼料エネルギーおよび蛋白質含量の変化に対する反応の鋭敏さにもとずき, 供試した純粋種5種類は4群に区分できる。WLとWHの反応曲面はよく似ていて区別できない。これに対し, WCは飼料蛋白質の変化に対する反応が鋭敏であり, WRは飼料エネルギーの変化に対する反応が鋭敏であった。また, BRは飼料組成の変化に対する反応が非常に鈍い特徴をもっている。これら各群に適用できる2次式は, それぞれ, (3)~(6)式で示され, 反応曲面は1~4図に示した。
    3) 組成の異なる飼料の摂取量の差による影響を, 単位飼料摂取量あたりの増体量, すなわち飼料効率を求めることによって打消すと, 増体量の場合に認められた成長反応の鶏種間差は認められなかった。18回の実験の総平均値から, (7) 式が導かれ, 図5に示した等反応線で, 反応曲面が示されている。
    4) 飼料摂取量の差を補正しない, 増体量そのものについて認められた反応曲面の鶏種間差の原因の1つとして, 濃縮された高エネルギー•高蛋白質飼料を摂取する能力の鶏種間差が考えられる。たとえば, 蛋白質26%の飼料で, エネルギーが3.0kcal/gから4.2kcal/gに高まると, BRでは1羽あたり4週間の飼料摂取量が508gから388gに低下するのに対し, WRでは, 5649から561gに, わずかに3g低下するのみであった。
    5) (3)~(7) 式を偏徴分することによって, ヒナの増体量および飼料効率を最大にする飼料エネルギーおよび蛋白質含量を推定することができる。その組成は, 鶏種の相違にかかわらず, いずれも, 蛋白質では26%以上, エネルギーでは代謝エネルーで示して3.6kcal/g以上であった。実用的な飼料のエネルギーや蛋白質含量はこれらより低いのが普通であるから実用的な範囲内では, 飼料のエネルギー, 蛋白質含量ともに高い程, ヒナの反応は大きいものと期待される。
  • I. 卵重とひなの成長との関係 (ニューハンプシヤー種)
    佐伯 祐弌, 秋田 富士, 田名部 雄一, 玉置 禎紀
    1968 年 5 巻 4 号 p. 226-230
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    卵重がひなの体重におよぼす母性効果をみるため, ニューハンプシャー (NH) の初年鶏225羽からとった受精卵1,875個を用い, これから生れたひな1,481羽について卵重と生後10週齢までの体重との関係をしらべた。卵重を49g以下~69gまでの巾を49ずつの6階級に区分し, 各週齢別平均体重をもとにして, 卵重と体重との相関, 体重に対する卵重寄与のていどなどを分析した。その結果はつぎのようであった。
    相関や回帰の有意性からみて, 卵重の影響は体重に対して, そのていどは低いが10週齢までは持続する。卵重別週齢別体重において, ふ化時体重は卵重と比例的であるが, 週齢が進むにつれて卵重別区間に有意差がみられなくなる。また, ふ化時には卵重とひな体重との間にγ=0.853の有意相関がみられたが, 2週齢ではγ=0.323, 4週齢ではγ=0.283, と急に値が低下し, 10週齢ではγ=0.165であった。さらに, 体重のフレに対する卵重寄与のていどは, ふ化には72.8%であったものが2週時には10.4%と急に下降し, 4週 (8.0%), 6週(4.1%), 8週 (3.0%) と漸次低下して10週時には2.7%であった。
    体重の卵重に対する割合は, 2週以後全週齢を通じて小卵から生れたひなは大きく, 大卵から生れたひなは小さいことがわかった。増体率に対しては, 4週齢までは小卵から生れたものほど大きく, 大卵からのひなは小さかったが, 6週以後は卵重による差がみられなくなる。
    以上の成績からニューハンプシャーの体重は, 軽度ではあるが生後10週齢まではもとの卵重の影響をうける。しかし卵重の影響はふ化時体重に対して最も大きく, その後急激に低下して6週齢以後の体重についてはその大部分が消失してくるものとみられる。
  • 佐伯 祐弌, 秋田 富士, 千葉 博, 斉藤 平三郎
    1968 年 5 巻 4 号 p. 231-237
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    白色レグホン (WL, WL-D), 白色ロック (WR) および白色コーニッシュ (WC) の3種を用い, 4月から8月までの間に生産した成熟卵について種々の卵質を調査した。供試卵は産卵後当日夕刻までは室温におき, 午後5時から翌朝9時までは, 23°Cの室温, 65%の湿度の部屋に貯蔵した。
    1. 各鶏種の平均卵重は, WR (66.6g), WL-D (62.0g), WC (60.8g), WL (58.5g) の順位であった。卵白重量は34.9g (WL) から39.4g (WR) までの範囲で, 卵重に対する卵白重の割合はWCが最低 (57.9%) で, その他の鶏種では大体59%ていどであった。卵黄重は18.1g (WL) から21.2g (WR) の範囲で, 卵重に対する卵黄重の割合は全鶏種とも大差なく31%前後であった。また卵白重に対する卵黄重の割合はWLは52%, 肉用種では54~55%でやや高かった。卵白高は, 5.7~6.2mmであったが卵による個体差がかなり大きかった。H.U. は74.9 (WL) ~76.6 (WL-D) であった。
    卵殼の平均重量は5.6g (WL) から6.2g (WC) の範囲で, 卵重に対して大体9.2 (WR)~10.2% (WC) であった。卵殼の厚さは0.337mm (WL) から0.378mm (WC) の範囲であった。
    卵黄色は, 白色卵殼の卵用種よりも有色殼の肉用種の方がやや濃厚であった。血点の平均出現率は2.9%で, 鶏種間に大差はなかった。肉斑の平均出現率は7.2%であったが, WRの14.4%の高い出現率がとくに注目された。
    2. 各種卵形質相互間の相関係数において, 卵重に対する卵白重および卵短径の間にはいずれもγ=0.8以上の高い値び得られた。卵重と卵黄重との関係は, WRが最も低く (γ=0.52), WLは最高 (γ=0.80) であった。卵重と卵白高ならびにH.U. との間の関係はそれほど密接ではなく, γ=0.26の最高値がみられたに過ぎない。卵白高とH.U. との間にはγ=0.94以上の高い値が得られた。またH.U. の修正効果について論議した。
    卵白重と卵の短径との間にはWL-Dを除いて0.8の相関値が得られ, また卵白重と卵白高との間にはWRを除いてγ=0.3がみられた。卵殼重と卵殼厚との間にはγ=0.7~0.8の高い値が推定された。
    3. 卵重, 卵短径および卵白重の反復率 (R) はいずれも0.8をこえる高い値であった。また卵殼重, 卵殼厚ならびに卵白高のRも0.6~0.8が推定された。
  • 1968年8月東京における講演の要旨
    R.G. JAAP
    1968 年 5 巻 4 号 p. 238-242
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 1968 年 5 巻 4 号 p. 243-250
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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