採卵用鶏種を用いて, 育成期のみ, 産卵期のみ, およびそれら両期間を通しての制限給飼を実施した。実験は1969年9月9日ふ化の白色レグホーン種, ロード•アイランド•レッド種雄×白色レグホーン種雌, ロード•アイランド•レッド種の3鶏種を用いた。1区は全期間自由摂取区である。2区は155~519日齢の産卵期のみ1区の90%給飼を目標にして, 飼料の給与量を調節した。3区は71~154日齢の育成期間を制限給飼し, 産卵期間中は自由摂取とした。4区は, 育成期間中3区同様隔日給飼を実施し, 155~182日齢の28日間自由摂取とし, 183~519日齢まで, 3区の90%給飼を目標に制限した。
育成期制限飼の結果, 飼料摂取量は自由摂取を100とした比率で56.1~64.5%となり, 1羽当りの飼料摂取量で2.88~4.41kgの差を生じた。154日齢の体重は, 比率において自由摂取区の65.3~75.8%であった。
育成期の制限給飼によって, ヘンデイ産卵率は3鶏種の平均で69.6%となり, 自由摂取群を1.7%下回った。したがって産卵日量は39.2gとなり, 育成期自由摂取群を0.6g下回った。飼料摂取量は, 年間で0.73kgの増加にとどまり, 育成期間中の節約量3.52kgを大きく下回った。飼料要求率は, 2.90となり自由摂取群より0.1上回った。
産卵期の制限給飼によって, ヘンデイ産卵率は69.9%となり, 自由摂取群を1.1%下回った。産卵日量は38.9gで, 1.3g下回った。飼料摂取量は, 1日1羽当り17.7g少なかった。したがって, 飼料要求率は大幅に改善され, 自由摂取群より0.36も下回る数値を示し, 統計的にも有意な差となった。
1羽当り収益は, 育成期間中の制限給飼によって, 年間45円の増収となった。また産卵期の制限給飼によって169円の増収となり, これは統計的にも有意であった。育成期, 産卵期の両期間を通して制限した4区の収益が最も多く, 逆に全期間を自由摂取にした1区の収益が最低であった。
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