日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
13 巻, 6 号
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  • 奥村 純市
    1976 年 13 巻 6 号 p. 215-222
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 寺田 隆登, 渡辺 守之
    1976 年 13 巻 6 号 p. 223-228
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    透明液の生理的意義を検討するための基礎的知見を得る目的で, 射出洗浄精子を種々の血清濃度の溶液に浮游させ37°Cで3時間加温振盪し経時的に精子の運動性, 呼吸活性およびブドウ糖の消費量を測定した。
    その結果は以下の通りである。
    1. 35%以上の血清濃度区の加温開始直後の運動性は4.4と著しく高い値を示した。またそれらの区は15%以下の血清濃度区に比較してより高い運動性を保持した。
    2. 加温開始直後の精子の呼吸活性は血清濃度が高くなるにともなって増加し, 75%区の呼吸活性は14.7μl/1010sperm/min. であった。また血清濃度の高い区 (35%以上) の加温時間の経過にともなう呼吸活性は, それ以下の血清濃度区に比較してより速やかに減少した。
    3. 1時間加温後における35~75%血清濃度区のブドウ糖消費量は血清を含まない区に比較して著しく高かった。また2時間および3時間加温後のブドウ糖消費量においては, 血清濃度35%区が他のいずれの区よりも高い値を示した。
    以上の結果より成熟雄鶏血清と鶏精子の運動性および代謝との間には密接な関係があるものと考えられた。
  • 樋浦 善敬, 斉藤 隆, 河野 憲太郎
    1976 年 13 巻 6 号 p. 229-234
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    産卵鶏卵巣の抗原性を検索するために, 産卵鶏卵巣(直径1mm以上の卵胞除去) の食塩可溶抽出液に対する抗血清を家兎に免疫して作成し, OUCHTERLONY の寒天ゲル内沈降反応法と免疫電気泳動法によって特異抗原を調べた。
    1. 末吸収抗血清は産卵鶏卵巣に対して7本, 他の臓器抽出液や血清に対して4~6本の沈降線を産生したが,哺乳動物の卵巣に対しては全く反応しなかった。2. 雄鶏血清で吸収された抗血清では卵巣に対して4本, 他の臓器抽出液や産卵鶏血清に対して1~2本の沈降線が観察された。産卵鶏血清で吸収された抗血清では卵巣に対して2本, 肝臓や脾臓や肺臓に対して1本の沈降線が観察された。卵巣で認められた2本の沈降線のうち1本は肝臓•脾臓•肺臓と同一の反応のものであった。3. 雄鶏血清と脾臓で吸収された抗血清は卵巣に対してだけ沈降線を産生した。これらの結果から卵巣に臓器特異抗原が含まれていることが明らかになった。免疫電気泳動法によってこの卵巣臓器特異抗原の易動度はβグロブリンに属するものであった。
  • I. 採卵用鶏種に対する産卵期間中の制限給飼
    坂井田 節, 杉山 正儀, 金原 弘志, 赤間 栄蔵, 塩谷 栗夫
    1976 年 13 巻 6 号 p. 235-242
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    採卵用鶏種について, 飼料を常に自由摂取の状態にしておくよりも, 経済的には少しでも給与量を減らして飼料要求率を改善した方が有利である。そこで, 産卵期間中の制限給飼を実施し, 制限給飼の効果と鶏種による差について検討した。また強制換羽を実施し2年度の産卵成績についても調査した。
    実験材料は, 1968年5月14日発生の白色レグホーン種, ロード•アイランド•レッド種雄×白色レグホーン種雌, ロード•アイランド•レッド種の3鶏種4鶏群を使用した。給与方法は, 154日齢まで全群自由摂取とし, 155日齢から対照区と制限区に分けた。実験期間は365日間とした。この期間中は対照区摂取量の90%を制限区に給与することを目標とした。強制換羽は7日間の絶食法によって行った。2年度の産卵期間は562~926日齢の365日間とし, 飼料は全群自由摂取とした。
    1. 制限区の飼料給与量は, 対照区を100とした比率で, 86~91%となり, 当初目標とした90%給飼と大体一致した。
    2. 初産日齢は, 平均値で制限区が3.7日遅れた。初産卵重は, 初産日齢の遅れた区が大きい傾向を示した。
    3. 平均卵重は, 対照区59.0g, 制限区58.6gで, 制限区が0.4g下回ったのみで, 卵重に対する制限給飼の影響は少ないようである。
    4. 500日齢体重は, 制限区において対照区の87~91%まで減少した。これは飼料の制限比率である86~91%とよく一致する。
    5. ヘンディ産卵率は, 白色レグホーン種で初産の遅れもあって, 対照区の91.5%と低い産卵を示したが, 一代雑種, ロード•アイランド•レッド種については, 96.9~99.9%の比率となった。4鶏群の平均値では, 96.7%となった。
    6. 1日1羽当り生産卵重量は, 対照区に対し92.3~100.9%となり, 平均値では96.0%であった。
    7. 生存率は, 対照区に対し99.3%の比率となり, 制限給飼による影響は見られなかった。
    8. 飼料要求率は, すべての鶏群において対照区より0.18~0.28改善された。平均値で0.24下同った。
    9. 制限給飼を鶏種別に検討すると, 白色レグホーン種の場合は, 90%給飼を下回る86.6%給与になったこともあってか, 初産日齢, 産卵率, 生存率の面において制限の影響を受けた。これに対し一代雑種, ロード•アイランド•レッド種は, 制限の影響が少ない傾向を示した。
    10. 1羽当りの収益は, すべての鶏群において対照区を上回った。平均値で107.0円の増収となった。
    11. 強制換羽後の産卵成績は, 卵重, 産卵数などについて, 1年度に制限給飼した区のほうが, 対照区を上回った。したがって, 制限給飼が2年度の産卵に影響をおよぼすようなことはなかった。
  • 目加田 博行, 林 信義, 海老沢 昭二, 関谷 竜吉
    1976 年 13 巻 6 号 p. 243-247
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    鶏血清ビテリンの免疫学的な測定方法として, 従来から重層沈降反応が用いられてきたが, より正確な定量的方法として, LAURELL の電気的免疫拡散法によって血清ビテリンの測定を行なった。
    電気的免疫拡散法は次の方法で行なった。1%アガロース液6mlに抗ビテリン血清0.4mlを混合し, 8×8cmの大きさのアガロースゲルプレートを作った。陽極側に試料を入れ, 各プレート当り15mAで2時間泳動し, 沈降線の長さから血清ビテリン量を求めた。
    10羽の産卵鶏の混合血清を標準試料として, 2n稀釈して泳動した結果, 各試料とも長い沈降線とその内側の短かい沈降線の2本が認められ, 長い沈降線は4~256倍稀釈の範囲において, y=2.52-0.07x, 短かい沈降線は4~64倍において, y=2.17-0.14xの直線回帰式が得られた (yは稀釈倍率の常用対数, xは沈降線の長さ, mm)。したがって, この範囲のビテリン濃度においては, 血清ビテリンの測定に電気的免疫拡散法が利用できる。
    発育に伴なう血清ビテリン濃度を長い沈降線により測定した結果, 14週齢においては, 28羽中1羽に沈降線が認められ, 22週齢までにすべての鶏の血清中にビテリンが検出された。ビテリン濃度はいずれの場合も, 最初に沈降線が認められた翌週に著るしく増加し, 3~4週間後に最高値となり, その後減少した。また, ビテリンの出現週齢と初産日齢の間の相関係数は0.41で有意な値であった。
    産卵鶏血清を100, 200×gで4時間遠心し, 上, 中, 下の3層に分画して, それらの分画と抗ビテリン血清との反応を電気的免疫拡散法と免疫電気泳動で検討した。全血清において認められた長い沈降線は超遠心分画における中, 下層に相当し, 短かい沈降線は上層と一致した。これらのことから, 産卵鶏血清の上層分画に含まれる low dersity の燐脂質蛋白質と下層分画に含まれる燐蛋白質を, それぞれ別個に測定できる可能性が示唆された。
  • 入谷 好一, 飛鷹 茂忠, 北畠 哲夫, 佐々木 滋
    1976 年 13 巻 6 号 p. 248-249
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 横内 圀生
    1976 年 13 巻 6 号 p. 250-251
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 江村 正一, 川村 亮寿, 只野 正志, 只野 柳
    1976 年 13 巻 6 号 p. 252-258
    発行日: 1976/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    成熟ウズラの精子細胞を, 電子顕微鏡を用いて観察した。先体は, ゴルジ体に由来する先体胞の発達, 変形によって形成される。先体胞と核との密着部位に, 先体桿になると思われる物質が観察された。形成された先体桿は哺乳類精子の perforatorium に相当するものと考えられた。精子細胞の成熟にともない。核は球状からしだいに円筒形に変形し, 同時に核物質の凝集がおこり, ついに電子密度の高い均質無構造の精子頭部に発達した。核の変形にともない, はじめ核を取りまいて circular manchette を示した微細小管は longitudinal manchette を呈し, 精子変態の末期には消失した。精子の尾部軸糸は distal centriole の伸長によって形成され, 尾部軸糸は9+2構造を示した。
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