ブロイラー•ヒナのカルシウムとリンの要求量を検討する目的で, 飼料中のカルシウム含量を, 1.2, 1.0および0.8%の3段階, リン含量を0.8, 0.6および0.4%の3段階として組合せた9種類の試験飼料を調製して, WC×NHのF
1の雄および雌ヒナに与えて試験した。
0~3週令の期間は, リン含量0.4%では不足であって, 発育, 飼料効率, 脛骨灰分含量のいずれも劣っていた。特に, リン0.4%でカルシウム含量が1.2%の場合, 障害が顕著で, 骨折やクル病を発生し, 死亡する例も認められた。
3週令以後は, リン含量0.4%でも特に障害はない。これは, 4週令まで慣用の飼料で飼育したヒナを用いる実験411で確認された。すなわち, 4~10週令の期間の増体量, 飼料効率, および10週令時の脛骨灰分含量は, 9種類の飼料給与区間に差があるとはいえなかった。
このような成績から, カルシウムとリンの要求量は, 多くとも, 4週令までは, 0.8%と0.6%, 4週令以後は, 0.8%と0.4%と考えられる。なお, リン含量0.4%の試験飼料では, 無機態のリンは0.05%にすぎず, 大部分が植物性リンであった。
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