日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
4 巻, 3 号
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  • 窪田 大作, 李 栄商, 森本 宏
    1967 年 4 巻 3 号 p. 107-110
    発行日: 1967/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    産卵鶏に対する粗繊維の効果を知る目的で, 飼料の粗繊維含量を変えて産卵試験を実施した。また, この間, 各区4羽を用いMEを測定するとともに, 人工肛門鶏4羽を用いて消化試験を行ないTDN, DEを測定して比較検討した。
    供試鶏は白色レグホーン種45羽を15羽ずつ3区に分け, それぞれ, 対照区, 低繊維区および高繊維区とした。供試飼料の粗繊維含量はそれぞれ4.5%, 2.0%および7.0%になるように設計し, 単飼ケージを用いて, 1965年3月5日から15週間飼養試験を実施した。
    その結果, 産卵率は試験の後半において高繊維区が他区に比べて低く, 対照区と高繊維区間に1%水準で有意差が認められた。1日1羽当り飼料摂取量は高繊維区が明らかに低い値であって, 統計的にも1%水準で有意差が認められた。
    すなわち, 粗繊維の含量を7%まで高めると飼料摂取量は明らかに低下し, 試験の後半では産卵率も低下した。また, 粗繊維の含量によって, TDN, MEおよびDEが影響されるようなことはなかった。
  • 田中 耕作, 岡本 正幹
    1967 年 4 巻 3 号 p. 111-116
    発行日: 1967/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    鶏精液を25°Cから5°C, 0°Cおよび-2°Cまで急速に冷却した場合, その精子がはたして温度衝撃を受けるかどうかを確かめるために本実験を計画した。精液は18羽の白色レグホーン種から採取し, 原精液 (1.5ml) およびりん酸緩衝液による4倍希釈精液について急冷処理を行なった。なお, 精液の採取ならびに注入中は, 出来るだけ精液に温度衝撃を与えないよう注意をはらつた。その結果はつぎのとおりである。
    1. 無希釈精液を25°Cから5°Cまで急速に冷却し, その温度で60分間保存した精子の受精率に変化は認められなかった (94.2%)。しかし, 0°Cおよび-2°Cまで急冷すると, 受精率の低下が認められ, その差は有意であった (おのおの74.2%および45.5%, P<0.01)。これに反して, 無希釈精液を-2°Cまで0.5°C/分の速度で緩慢冷却を行ない, その精液が-2°Cに到達した直後と, 30分ならびに60分後の精子の受精率を観測したところ, 保存時間の経過にしたがって, わずかに受精率の低下がみられたが (おのおの93.9%, 85.0%および82.5%), その差は有意ではなく, また対照と比較しても差は認められなかった。したがって, 上記の急冷および緩慢冷却の結果から, 鶏精子は温度衝撃を受けるものであると結論した。
    2. 精液をりん酸緩衝液で4倍に希釈すると, その精子は温度衝撃から完全に保護されることが観測された。
    3. 無希釈精液または希釈精液を-2°Cまで急速に冷却しても, 精子の運動性においてはほとんど変化は観察されなかったが, 奇形の出現率は無希釈精液の方が希釈精液よりも高く, その差は5%水準で有意であった。
  • 吉田 実, 星井 博, 森本 宏
    1967 年 4 巻 3 号 p. 117-122
    発行日: 1967/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ブロイラー•ヒナのカルシウムとリンの要求量を検討する目的で, 飼料中のカルシウム含量を, 1.2, 1.0および0.8%の3段階, リン含量を0.8, 0.6および0.4%の3段階として組合せた9種類の試験飼料を調製して, WC×NHのF1の雄および雌ヒナに与えて試験した。
    0~3週令の期間は, リン含量0.4%では不足であって, 発育, 飼料効率, 脛骨灰分含量のいずれも劣っていた。特に, リン0.4%でカルシウム含量が1.2%の場合, 障害が顕著で, 骨折やクル病を発生し, 死亡する例も認められた。
    3週令以後は, リン含量0.4%でも特に障害はない。これは, 4週令まで慣用の飼料で飼育したヒナを用いる実験411で確認された。すなわち, 4~10週令の期間の増体量, 飼料効率, および10週令時の脛骨灰分含量は, 9種類の飼料給与区間に差があるとはいえなかった。
    このような成績から, カルシウムとリンの要求量は, 多くとも, 4週令までは, 0.8%と0.6%, 4週令以後は, 0.8%と0.4%と考えられる。なお, リン含量0.4%の試験飼料では, 無機態のリンは0.05%にすぎず, 大部分が植物性リンであった。
  • 吉田 実, 水谷 一之, 西川 義敏, 高橋 彰
    1967 年 4 巻 3 号 p. 123-128
    発行日: 1967/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    愛知県養鶏試験場, 長崎県養鶏センター, 岡山県養鶏試験場の3場において, それぞれ, WC×WR, WC×BP, WC×NHのF1を合計1,400羽用いて, 4週令から10週令までの仕上用飼料給与期間におけるカルシウムとリンの要求量を検討した。
    仕上用飼料のカルシウムとリンの含量を, 1.2%と0.8%, 1.2%と0.52%, 1.0%と0.6%, 0.87%と0.8%および0.87%と0.52%の5種類の組合せとして試験した。その結果, 増体量, 飼料要求率, 脛骨灰分含量, ブロイラー歩留および精肉歩留から判断して, 5種類の飼料の間に差があるとはいえなかった。
    前報1)における成績を考慮に入れると, 4週令以後のブロイラー仕上期におけるカルシウムおよびリンの要求量として, それぞれ0.8%と0.5%が推奨される。
  • 吉田 実, 藤岡 勝次, 水谷 一之, 平島 元, 高橋 彰
    1967 年 4 巻 3 号 p. 129-135
    発行日: 1967/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    兵庫種畜牧場, 愛知県養鶏試験場, 長崎県養鶏センターおよび岡山県養鶏試験場の4試験場において, 白色コーニッシュ種雄に3種類の雌を交配してえた3種類の一代雑種ヒナ合計1,740羽を用いて, ブロイラー仕上用飼料中のリボフラビンとニコチン酸の最小要求量を求める目的で飼養試験を行った。
    その結果, 天然の飼料原料を配合した基礎飼料に, 1kgあたり, リボフラビン1.2mg, ニコチン酸4mgを添加して給与すれば, 増体量, 飼料要求率, ブロイラー歩留および精肉歩留において, ビタミンをこれ以上に多く添加して与えたヒナの成績に比して差のない結果であった。基礎飼料には, リボフラビンとニコチン酸を, それぞれ1.4mg/kgと38mg/kg含んでいるので, 上記の飼料中の含量は, それぞれ2.6mg/kgと42mg/kgとなる。
    基礎飼料にリボフラビンとニコチン酸を添加しない場合には, 発育には大きな差が認められないにもかかわらず, 飼料要求率が増大して不利であった。
  • 1. 飼養試験による魚粕と大豆粕の飼料価値の比較
    窪田 大作, 森本 宏
    1967 年 4 巻 3 号 p. 136-140
    発行日: 1967/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    産卵鶏用飼料として大豆粕と魚粕の飼料価値を知るため, それぞれの配合割合を変えた飼料について飼養試験を行ない, 産卵率, 飼料摂取量, 体重, 生存率およびふ化率などから魚粕が不可欠のものであるか否かについて検討し, 次のような結果を得た。
    1. 粗蛋白質含量14%の飼料においては, 魚粕が不可欠なものであるとはみなし得なかったが, 大豆粕単用飼料では生存率が明らかに低下した。
    2. 粗蛋白質含量16%の飼料では, その産卵成績からして魚粕が不可欠であるとはいえなかった。しかし, トウモロコシ•大豆粕飼料ではビタミン類が欠乏し易く, これを十分補給しない場合には産卵率, ふ化率および生存率が明らかに低下した。
  • I. 精液保存におよぼす核酸関連物質の影響
    江指 隆年, 鈴木 隆雄, 佐橋 佳一
    1967 年 4 巻 3 号 p. 141-147
    発行日: 1967/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    イノシンおよびその関連化合物11種について鶏精子の活力保持におよぼす影響を実験した。
    精液は BURROWS AND QUINN の腹部マツサージ法により採取し, 倍量のリンゲル氏液(37°C)を加え, これを原精液として次のように実験に供した。
    対照区; 原精液0.1ml+リンゲル氏液0.8ml.
    試験区; 原精液0.1ml+核酸関連物質のリンゲル氏溶液0.8ml.
    37°Cに保温し目測法により生存指数を測定した。
    実験の結果は以下のようである。
    1. イノシン, アデノシン, グアノシン, アデニン, グアニン, キサンチン, チミジンおよびアデニンとイノシンの混合添加が鶏精子の活力保持に有効であった。
    2. キサントシン, シチジン, ヒポキサンチンは影響を与えないようであった。
    3. ウリジンは高濃度の場合に, 鶏精子の活力を弱めるようであった。
    なお, 精子の活力は受精にとって必要条件ではあるが, 十分条件ではないので, 活力保持に効果のあった物質について現在人工授精を実施中である。
  • 1967 年 4 巻 3 号 p. 148-158
    発行日: 1967/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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