加齢に伴うブロイラーの含硫アミノ酸要求量を,増体量と飼料要求率を指標として調べた。
実験1では,CP 20.7%,ME 3371kcal/kgの飼料にメチオニンを添加し,含硫アミノ酸(SAA)が等間隔に6段階になる飼料を調製した。その飼料を,4日齢及び24日齢のヒナにそれぞれ20日間給与し,10日目及び20日目に体重と飼料摂取量を記録した。
実験2では,CP 18.6%, ME 3175kca1/kgの飼料にメチオニンを添加し,SAA含量が等間隔に6段階になる飼料を調製した。その飼料を,4日齢及び21日齢のヒナにそれぞれ10日間給与し,10日目に体重と飼料摂取量を記録した。
実験1の結果,体重はメチオニン添加量の増加に伴って増加し,最大値に達した後減少する傾向を示した。増体量は,4から14日齢では飼料中SAA含量が1.14%の時,最大となった。同様に14から24日齢では1.11%,4から24日齢では1.12%,24から34日齢では1.03%,34から44日齢では0.99%,24から44日齢では1.00%で最大となった。飼料要求率ではメチニオン添加量の増加に伴って減少し,ある時点で最低となった。飼料要求率は,4から14日齢では飼料中SAA含量が1.18%の時,最低となった。同様に14から24日齢では1.08%,4から24日齢では1.10%,24から34日齢では1.05%,34から44日齢では1.02%,24から44日齢では1.03%で最低となった。
実験2においても,メチオニン添加量の増加に伴って増体量及び飼料要求率は実験1と同様の傾向を示した。4から14日齢及び21から31日齢では,最大の増体を示す飼料中SAA含量はそれぞれ0.97及び0.89%であり,最低の飼料要求率を示す値はそれぞれ0.97及び0.93%であった。
以上の実験の結果,増体量及び飼料要求率から求めた平均SAA要求量は,日齢の増加に伴って減少した。
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